知らない通りを歩いていた。
こんなところに銀行があるんだぁーと、きょろきょろしながら歩いていたそのとき、ふと目に入った大きな銃。
ん? じゅ、じゅ、銃〜〜〜?!
目を疑った。
実に1メートル近くあろうかという大きな銃を、3人の銀行警備員がそれぞれ肩に担いでいるのである。
銃の先端半分は、直径5cmくらいの太めの筒。
ターミネーターに出てきたような、シュワルツネッガーが次々と車を破壊していた、まさにあんな感じの銃だ。
中に込められているのは、拳銃の弾丸ではなく、きっと破壊力の大きい爆薬か何かだろう。
ひえー。
銀行の門が開け放しにしてあり、そこに並ぶ3人の警備員は、まさに軍隊そのものの緊張感だった。
これは、きっと今から超大金が輸送されるに違いない。
大きな銃を担ぐ警備員を写真に撮りたかったが、見つかってその銃を私に向けられるかもしれないと思うと、カメラを取り出すこともできなかった。
ま、いざ写真を撮っても何の問題もなかったかもしれないが、今回ばかりはごめんだ。
怖い。
彼らから2メートルの距離ですれ違うことが、私に精一杯できる勇気だった。
そんなわけで、その貴重な映像は、私の脳裏に焼き付けてあるのみである。

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