学校で、ある受付をするのに並んでいた。
そこには、各国の留学生がくる。
欧米人ならすぐわかるが、肌は肌色で髪が黒髪なら、アジアのどこの国の人なのかぱっと見わからない。
しかし、私の前に並んでいた3人の男子学生は日本語で会話をしていたので、彼らが日本人だとすぐにわかった。
まあ、でも別にいい。
私は、ぼうっと自分のことをいろいろ考えていた。
すると、前の学生が日本語でおしゃべりをしたまま私の方へと振り向いて、紙の束を渡しつつ日本語でこう言った。
「これ、必要なら1枚取って後ろへ回してください」
「ん?(私、受け取った紙を読み入って反応せず)」
「・・・あっ!何やってんだ俺! 日本語で話しかけちゃった。ええっと、ええっと・・・」
彼、まだすぐに中国語が出てこない様子。
私は一言も日本語を口にしていなかったため、彼らにとって私は外国人として映ったのだろう。
ここは、日本人以外の人がたくさん並んでいるはずの場所だし。
そういえば私、返事してなかったっけ。。
というわけで、日本語で答えた。
「ああ、大丈夫ですよ〜」
「あれっ、日本人だったんですねぇ〜〜あはは、は、は、、」
彼の気持ちは、よくわかる。
日本語でおしゃべりしていたら、とっさに中国語など出てこない。
というか、むしろ日本語でおしゃべりしている空間そのものが、まるで日本にいるかのような錯覚にさせるのだ。
いつでも、どこでも。
まるで、ポータブル日本だね。

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