2台のバスが止まっていた。
ここは、バス停でもないのに。
通り過ぎようとしたとき、思わぬ光景が目に入った。
運転手らしき人2人と、声高らかに諭している1人の警官。
どうやら、2台のバスの間で事故か何かあったらしい。
そして、その3人を取り巻く大勢の人たち。
事態の行方が気になった私は、道端で立ち止まり、しばらく遠巻きに見ていた。
しかし、取り巻く大勢の人たちは、一人たりとも流れていかない。
どうしてだろう、とバスを見ると、バスの中には人が一人も乗っていない。
そうか、わかった!
取り巻いている大勢の人たちは全員バスの乗客で、事態のカタがつくのを待っているんだ。
それにしても、一人残らずバスから降りて、運転手と警官のやりとりを見守っているなんてね。
みんな、興味津々なんだ。
なーんて、かくいう私も遠巻きながら野次馬をやってしまったが。

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