暖かいですね。仕事をすると汗をかくくらいになってきました。ボーっとしているうちに夏です。人間も牛も夏は暑さとハエとの戦い。今から暑熱対策とハエ対策を考えなければ。
最近、分娩後の牛の調子が悪く診療してもらい、そして手術しなければならないことも多々あります。低カルシウム血症という状態に陥る牛がたくさんいます。この状態になると程度によっては起立不能となることもあり、つまりそうなれば致命傷になります。
171番という牛が巨大な子供を産みました。早朝の仕事が終わる直前で、牛の体も冷たくなかったので休憩を挟んでからカルシウムを打とう、ということになりました。
休憩後、つなぎ牛舎へ連れて行く途中、その牛は立てなくなってしまいました。数日後、171番は肉牛として出荷。理由は起立不能。
巨大な子牛を産んでもしかしたら足の神経を傷めたのかもしれない、分娩中に後肢の筋肉を傷めたのかもしれない、そして・・・低カルで立てなくなったのかもしれない。
立てなくなったのは低カルだけが原因じゃないのかもしれない。でもその可能性は大きい。もしあの時、すぐにカルシウムを打っていればこんなことにはならなかったかもしれない。どれもこれも推測ばかりですが私が下した判断は絶対に最善ではなかったことだけは確かです。
一つの判断ミスが命をも脅かす事になってしまうこの仕事の重さを感じています。
立てなくなった牛の出荷を初めて見ましたがとてもかわいそうです。自分でトラックに乗れないのでワイヤーをかけ、機械のような物で引きずって乗せます。
171番に本当にごめんなさいと思いました。良い仕事ができるようにもっと勉強、もっと経験、です。

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