先日、分娩予定日を一ヶ月以上過ぎても産まない牛の帝王切開がありました。普通、分娩が近づくと乳がパンパンに張ってきます。しかし71番という牛は全く張らず、おかしいということで、獣医さんに診てもらうとやっぱり「異常」だという事でホルモン剤を打って強制的に産ますことになりました。ところが。ホルモン剤を打っても生む様子がない。そこでもう一度ホルモン剤投与。しかし、産まない。ということで帝王切開が行われました。一体どんな子牛が産まれて来るのだろう、巨大子牛かも、生きて産まれてくるかな、などと想像を膨らまし、手術の日を楽しみにしていました。私だけではなくみんな帝王切開を見るのは初めてなので興味津々。そして当日。お腹を切り、子宮を切り、子牛を取り出しました。
71番のお腹は異様なほど膨れていましたが子牛はそれほど大きくはなかったです。そして生きていた!ただ・・・。見るのもはばかられるくらいのはっきりした奇形の子牛でした。あまり気持ちの良い話ではないので詳しくは書きませんが思わず声を上げてしまいました。初めは遠巻きに子牛を見学していましたがだんだん興味がわき、どんな奇形だろう、と子牛を観察。どの時点でこんな奇形になったのだろう、と話し合いました。それにしても71番はなぜ、乳が張らずに産もうとしなかったのか・・・が一番興味があり不思議な事です。子牛が奇形だから?母体に何らかの異常があった?帝王切開をせず、そのままだったなら71番はどうなっていただろう・・・。考えだすと止まりません。答えの出ない生き物の不思議にまた出会いました。

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