九月五日、六日徳島県で開催されたジャジング講習会に行って来ました。ジャジング講習会というのは「牛の見方」を勉強する講習会です。この二日間、非常に勉強になったし楽しかったです。「良い牛とはどんな牛か」を勉強してきたのですが、私は、はじめ「良い牛」なんていうのは個人の主観にまかされるものだ、などと見当違いの事を考えており、講義を受けて、「なるほど」と納得しました。「良い牛」というものは「生涯に渡りどれほど多く稼いでくれるか」という基準が大前提にあるのです。よく稼いだ牛の体型、乳房の形、足の感じなど統計をとり、科学的根拠に基づいて割り出された「多くを稼ぐ牛」の定義にピッタリ当てはまる牛が「良い」とされるのであります。個人的な好みとは全く別物なのです。幼稚な勘違いをしていたものだなぁ・・ともあれ、この講習会はとても勉強になりました。まず、四国に初上陸!明石海峡大橋の大きさに感動しました。一人で「おお〜!!」と歓声を上げ、脇見運転で通過しました。淡路島を縦断しているときも妙に感慨深く、「今、私は島を縦断しているのだなぁ」と思いながら運転していました。時間にかなり余裕をみて出発したのですが、方向音痴で地図が全く読めない私は高速を降りてから目的地までそんなに距離はないはずなのに迷いに迷いまくって、到着したのは集合時間ぎりぎりでした。参加者は想像以上に多く、80人ほど。自分の性格を忘れていたのですが私は「超」がつく人見知りです。たくさんの人を前に、呼吸が早くなり、頭痛もしてきました。こんな事で大丈夫なのだろうか・・・と思っていたのですが、講習が始まると興味のほうが勝り、講義では一番前の真中で身を乗り出して聴き、実際に牛を見て序列付けをするときも人を押しのけて見ていました。嫌な人ですね・・。この講習の収穫は良い牛の見方が分かり始めた事と同じ仕事をしている人と交流できた事です。良い牛の見方が分かり始めたので後は、出来るだけ多くの「良い牛」「悪い牛」を見る事です。他府県の共進会にも行きたいです。そして人との交流ですが、先程も書いたように私は人見知りが激しく無口で暗い感じなので、なかなか人と上手く話せません。それでも数人と牛について語り、自分の中に新たな知見を持つ事ができました。毎日同じ場所にいるとどうしても視野が狭くなります。世界も狭くなります。同じ仕事をしている人との交流があればもっと広く牛のことを考えられるのではないでしょうか。真剣に牛と向き合っている人達は必ずその人自身の「牛哲学」を持っている気がします。今回はそこまで深く話をすることは少なかったですがぜひ、たくさんの人の「牛哲学」を聴いてみたいものです。

二日目に行われた牛の序列付け。四頭の牛を「良い牛」順に並べ、どこがどのように良いのか、悪いのかを講評しなければいけません。幸運にもというか、不運にもというか、私は指名されてしまい、たくさんのベテラン牛飼いさん達の前で意味不明の講評をし、講師の先生からダメ出しをされました・・・。

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