2017/5/18 | 投稿者: pdo

阿川佐和子サンが63歳で、69歳の男性(定年退職した元大学教授)と入籍したというニュースを聞いて、彼女の「独占手記」が掲載されている週刊文春を買った。

さすが名エッセイスト(そして作家阿川弘之の娘)だけあって、読ませる、面白い手記だった。

阿川佐和子は本人も書いているように「還暦すぎても独身で明るく生きているイケてる女性」というイメージがあったので、ここにきて入籍というのはそれまで“売り”にしていたイメージを裏切る行為との自覚もあったようだ。

とはいえ結婚という形を選んだ理由も正直に綴られていて、ずいぶん年上だけど微笑ましいなあとさえ感じる。

相手は元々家庭を持っていた男性であり、「略奪婚」などとスキャンダル的に書きたてる記事もある(そしてネット上には非難の声が溢れている)ようだが、こうした事柄に当事者以外の人間が口を出すのは野暮なこと、という認識がワールドスタンダードであることは、フランスの新大統領の結婚相手についてフランス国内外で何の問題にもなっていないことからも明らか。

熟年離婚がブームと言ってよいくらいに増えている一方で、こういう熟年婚も増えているというのは個人的には好ましい傾向だと感じる。

ガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』を読んだ後なので余計にそう感じるのかもしれない。
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2016/6/8 | 投稿者: pdo

田中康夫が参議院選挙出馬会見を行った。

<会見要旨>

おおさか維新の会と康夫ちゃんは思想も政治信条も全然違うのでは? とSNSで言われた。

しかし、「地域主権を確立し、中央集権と既得権益を打破する」という方向性は、自分が長野県知事として行ってきたことと同じ。

安倍政権下での憲法改正を望まない国民が世論調査で過半数を占めているのは、「国民の義務と国家の権利」を定めようとしていることへの疑問のあらわれ。

お維の改憲案は9条改正も緊急事態条項も含んでおらず、「教育完全無償化」「統治機構改革」「憲法裁判所の設置」の3項目だけで、国民の権利と国家の義務を定めるもの。

憲法改正の議論はタブーではない。その他ダムや公共事業や福祉政策についての持論を滔々と述べる。

Q.与党か野党か第三極で行くのか?

A.是々非々。

Q.橋下(おおさか維新の法律顧問)をどう評価するか?

A.目指すところは同じ。

Q.浅田彰とかには言ったの?

A.小沢一郎も亀井静香も浅田彰も了解済み。

Q.休日は何をしている? ストレス解消法は?

A.ストレスが溜まらない。休日は犬と遊ぶのが至福。

Q.選挙戦略は?

A.ガラス張りだが今の時点で全部は明かせない。

<感想>

会見でも持論を滔々と語り、その内容は確かに立派で高尚。それはもう知っている。

知りたいのは「それが『おおさか維新』でできるの?」という部分なんだが、そのあたりに突っ込む記者はおらず、完全にメディア側の勉強不足。

TPPについての見解や、「仮に自民党がおおさか維新の改憲案を丸呑みするのと引き換えに緊急事態条項を入れるよう迫ってきたらどうするのか?」「今田中氏が述べたことは党の公約と受け取っていいのか?」的な軽いジャブのような質問すら出なかったのは、事前に厳しい質問は控えるようにとの申し合わせでもあったのではとの疑惑が拭えない。

ヤッシーが国会議員の一人になって何ができるのか、について個人的に非常に懐疑的である上、「目指すベクトルが同じ」程度の理由でおおさか維新の一兵卒となることへの不信感といってよい思いは払拭できず。

改憲のテーブルに着いてしまった時点で自民に絡め捕られるのが落ちなのは目に見えている。

彼が己の理念に忠実であり続ける限り、どこかで決裂するのは時間の問題だろう。

まあ他の議員に入れるくらいならヤスオの方がマシとは思うが・・・

でもヤッシーが「お維」を乗っ取れるとは思えないから、無駄な一票になるのを覚悟。だったらどこに入れても結局同じ、といういつものパターン。

はっきり言って、われわれの一票など木の葉よりも軽い。誰にその一票を投じようとも、選挙結果には何の影響もない。この苛立ちをどうすれば表現できるのか考えた結果、自宅に送られてきた選挙ハガキ(投票所入場整理券)を火吹きの芸で焼き捨てるパフォーマンスをやった。

選挙など「おまえの意見もふまえた上で決まったことだ」と少数派に対しても現体制を承認させる手続きにすぎない。政治的意思を表現する方法は投票以外にいくらでも考えられるし、とくに少数派にとって投票など最もバカバカしい部類の手段だ。私はもともと選挙に興味がないし、投票率など高くても低くても、どちらでもいい。

と言っていた外山恒一あたりに共感するね。

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2015/9/2 | 投稿者: pdo


 お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光が2日未明放送のTBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」で、東京五輪エンブレムなどパクリ疑惑が噴出したデザイナー・佐野研二郎氏を“擁護”した。
 番組のオープニングで太田は「佐野研二郎の友達のパク・リンタロウです」といきなりパンチを見舞った。
 だが、ここから佐野氏をフォローする。
 「5年くらいすれば忘れるんじゃない? みんな。エンブレムなんかにそれほどこだわってないよ、最初から。イジメられ続けてたら、やってらんないもんね」と佐野氏の気持ちをおもんぱかった。「それこそ企業のロゴとか、いくらでも似てるのはあるんじゃない? どこまでなのかって話だよね」
 ノリノリの太田の話は“周辺”にも及ぶ。
 「『僕が考えたコレです』ってネットにアップするヤツがいっぱい、いるっつうんだけどさ。なんでああいうことすんのかね。イヤなことするなぁ」と語ると、相方の田中裕二が「人が弱ってるところにね。それは逆にすげえ優位な立場でさ」と賛同。




Mr.Copycat こと佐野研二郎氏を何とかして擁護できないものかと面白半分に考えてみる。

上に挙げた太田の擁護の仕方は能天気すぎる。

この人の著書に、

『今すぐ始める 思考のダイエット』

『7日でできる思考のダイエット』

というのがあって、これらの本自体が、

小池龍之介著 『考えない練習』

のパクリではないかと思うのだが、こういう<自己啓発本>のジャンルにおいては、パクリや剽窃一歩手前の書籍やセミナーが乱立しているため、そんなに問題視はされてこなかったように思う。

<商業デザイン>のジャンルにおいても似たり寄ったりの状況が存在したということか。

小池氏の、日常生活においては思考がストレスを産むのだから、なるべく頭を休ませて「考えない」ようにした方がいいというメッセージは分かるような気がするのだが、

佐野氏のように、創造性と想像力が必要なアートというジャンルにおいて、「思考をダイエットする」というのは必ずしも適切ではないように思われる。

むしろ徹底的に考え抜いて、苦しんだ挙句に真の創造性が生まれるのではないか。

図らずも、今回の騒動は、創造性が必要な分野で「思考をダイエット」するとどういう道を辿るかの見本になってしまったように思う。

いかんいかん、擁護しないといかんのに。

ところで、彼が12月に出版する予定の

『伝わらなければデザインじゃない』

という本は、デザインを一般国民に伝えることに失敗した彼のエンブレムを、彼自身が身をもって示した反面教師としてフィーチャーしたものになるのだろうか。

佐野氏自身が9月1日に公開した声明によれば、彼がエンブレムを取り下げた理由は「パクリ(剽窃)を行ったこと」にあるのではなく、「一般国民に伝わらなかったこと」にあるのだから。
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2014/10/28 | 投稿者: pdo

 
 砂山の 
 砂に腹這い 
 初恋のいたみを
 遠く思い出ずる日


以前このブログかどこかに書いたような気がするが、自分が物心ついて最初に自覚的に好きになった女優というのは、長谷川真弓さんだった。

長谷川真弓といっても、知らない人の方が多いだろう。

子役としていろんなドラマに出演していて、自分が見たのは、NHKの連続ドラマ『太陽の子』(灰谷健次郎原作)での主人公「ふうちゃん」役で、完全にやられてしまった。

『太陽の子』は原作の小説も読んでいて、主人公の「ふうちゃん」を好きになった。普通、原作が好きでドラマ化されると幻滅するものだが、長谷川真弓の「ふうちゃん」は自分のイメージの斜め上を行っていて、子供心に感動していつもドラマを見ながら胸がどきどきした。

当時小学校6年生で、自分と同い年だったと後になって知った。

その後、出演作品を追いかけてはいたが、今ひとつぱっとした作品がなくて、10年も後になって『予備校ブギ』(主題歌が確かフリッパーズ・ギターだった)というドラマに出たときに久しぶりに見れて嬉しかったのが印象に残ったが、もう子役ではなかった。

今ではもう二児の母親として、テレビなんかにも出て活躍を続けている。

なんでいきなりこんなことを書いたかと言うと、今放送中のドラマ『ごめんね青春!』に出ている生徒会長役の黒島結菜を見て長谷川真弓さんのことを思い出したから。

なぜ自分が彼女に惹かれるのかと考えたら長谷川さんに似ていることに気づいた。そっくりというわけではないが、佇まいがなんとなく似ていて、要するにタイプなんですね。
すみません。以上です。

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タグ: 黒島結菜

2014/8/5 | 投稿者: pdo

少年隊の東山紀之著『カワサキ・キッド』という自叙伝を読み、なかなか面白かった。

川崎の当時としてもかなり貧しい家で育ち、実の父親の顔も知らずに育った。

華やかな今の自分が決して振り返りたくないはずの過去を、非常に赤裸々に語っている。

木村佳乃と結婚する直前に出た本なので、独身生活のことしか書かれていない。

ジャニーズ事務所の次期社長候補と言われたことさえあるように、人間的にきちんとした、ストイックとさえ言えるキャラクターが伝わってくる。

面白かったのは、ジャニー喜多川とのエピソードだ。

中学に入る直前に、友人たちとたまたま見に行ったNHKホールでのコンサートの帰り道に、交差点の信号待ちをしているときに、いきなり外車に乗ったジャニー喜多川に声をかけられたという。あらかじめジャニーが東山を知っていたとは思えないから、まさに一瞬のひらめきというやつだろう。その場では名刺を渡し、電話番号だけ聞いて立ち去った。

ジャニーはそのあとすぐ、芸能界には乗り気ではなかった本人と母親の川崎の家に、わざわざ訪ねてきた。いったんは断ったのだが、妹がジャニーの外車に乗って移動中にの中で吐いてしまい、その粗相をお詫びするために訪ねたことがきっかけで、東山が軽い気持ちでレッスンに通うという経緯が描かれている。

これは今でもそうなのか知らないが、事務所のレッスン代はタダで、珍しい海外のダンス・ビデオも見放題、レッスン後には焼肉屋でおごってくれるというのに惹かれて、東山はだんだんこの世界に足を踏み入れるようになる。

このあたりの話は、サクセス・ストーリーの黎明期を読んでいるようで、ついつい引き込まれる。

東山は、今では後輩に厳しいことで知られるが、自身もジャニーからはほとんど叱られた記憶しかないという。ただし欠点や悪口(?)は必ず本人に直接言い、他のグループの前では東山を褒めるのだという。このあたりの人心掌握術はさすがだ。

この本全体を通して伝わってくるのは、東山の厳しいプロ意識とセルフ・コントロールの精神だ。芸能界の成功者とはこういう人間だという一つのモデルになっている。

幼いころの近所の在日朝鮮人とのふれあいや、原爆資料館を訪ねての考察など、社会的な関心の高さを感じさせるエピソードも多い。

「これも不謹慎と言われるかもしれないが、僕は韓国人の被爆者の人生に関心がある。差別の中で、さらにまた差別を受けた人々はどんな人生をどんな人生観で生きたのだろう。演じることが許されるなら、その人生を演じてみたい。伝える必要があると思うからだ。

 現実に目を向けると、映像の名作が戦争の悲惨さをいくら訴えても、その声はいったいいつ届くのかと虚しく思えるときもある。だけど、僕らには表現者として後世に伝えなければならない使命があると思う。」

堂々と自著の中でこういうことが書けるというだけでも、東山の誠実さが垣間見える気がする。口先だけならなんとでもいえると言うが、こうしたことを口先で言うことさえ躊躇する人間がいかに多いことか。

全体を通して著者のまっすぐな人間性が伝わってくる、非常に読後感のいい好著だった。

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