2020/7/10 | 投稿者: pdo

藤井七段はさすがに連戦の疲れが見られた(この1週間のうちに木村王位、橋本八段、稲葉八段、羽生九段と戦い、その合間に東京と愛知を往復して学校にも通っている)が、ここは渡辺棋聖の土壇場での踏ん張り力を讃えるべきだろう。

しかし90手目の9九飛打まで渡辺棋聖の想定局面(研究範囲)だったとは驚いた。

次の1手(9八銀合)に藤井七段は1時間23分長考し、残り時間が41分となった(渡辺棋聖の残り時間はこの時点で2時間33分)。その後の展開で時間不足が祟ったことを考えれば、この2手の応酬がこの対局の最大のポイントだったと言ってよい。

来週は棋聖戦第4局を含めて藤井七段にはさらに過密なスケジュールが続く。非常にキツい状況だと思うが、体調面にはくれぐれも気を配ってもらいたいと思う。

羽生さんの七冠達成時も殺人的スケジュールだったことを思えば、最強者の宿命とも言えるかもしれぬ。


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2020/7/3 | 投稿者: pdo

藤井聡太七段が木村王位を降した王位戦第1局。

中盤の仕掛けから、攻めが一度も途切れることなく、受けの名手木村王位を攻め倒した。

棋聖戦に続き、タイトル戦今のところ全勝。

もう言葉が見つからない強さだが、今の時点でここまで強いと、これから先将棋界はかつての大山名人の時代のような「藤井一強」時代が続くのではないかと予感される。

今は17歳という若さとタイトル初挑戦という初々しさがあって新鮮な気持ちで見ていられるが、次々にタイトルを取るようになって、毎年毎年すべてのタイトル戦で圧倒的な強さで防衛するということになると、将棋界はどうなるのか。

もっとも、過去には大山時代、中原時代、羽生時代があって、時代の覇者がいることで将棋界が栄えてきたという歴史があるので、来るべき藤井時代もそれなりに盛り上がるのであろう。

将来について余計な心配をするより、目の前にある藤井聡太の将棋を全力で楽しみたい。

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2020/6/29 | 投稿者: pdo

昨日行われた棋聖戦第2局では、藤井聡太七段が和服で登場し、全国のそうちゃんファンをメロメロにした。

殺害予告がなされ、警察による警備体制が敷かれる中での対局となったが、藤井七段はまったく意に介することなく、先手番の渡辺明棋聖を90手で降した。

中でも、中盤で藤井七段が熟慮の末指した「3一銀」という、持ち駒を投資した受けの手が、一見してトッププロも首をひねる疑問手(?)と思われた。

対戦した渡辺明はブログの中でこう振り返っている。

△31銀は全く浮かんでいませんでしたが、受け一方の手なので、他の手が上手くいかないから選んだ手なんだろうというのが第一感でした。50分、58分、29分、23分という時間の使い方と△31銀という手の感触からは先手がいいだろう、と。

5分くらい眺めたところでは▲79玉で互角はある、▲25銀で決まってたりしないかな、と思ってましたが、読み進めていくうちに▲79玉△46歩は少し悪いのか、▲25銀は△46桂で負けだ、となって28分考えて▲79玉とした時点では「形勢は悪いけど持ち時間の差でひと勝負」という気持ちでした。

△87歩と垂らされたところで「あれ、全然粘れない」となって、あと数手指したら、もう大差になっていました。

感想戦では△31銀の場面は控室でも先手の代案無しということでしたし、控室でも同じように意表を突かれたと聞いて、そりゃそうだよなと納得したんですが、いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした。


合理主義者の渡辺らしい率直な感想だが、「いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした」という発言は、あの三浦八段がGPSと対戦した時に漏らした感想と同一であることに注目したい。

ちなみに最強のAIに当該局面を分析させたところ、最初は3一銀は候補手にも上がらなかったが、深く読ませれば読ませるほど、6億手を超えたあたりで最善手であることが判明したという。

三浦VS「GPS」の将棋こそ、AIの棋力が最終的に人間を上回ったことを示す分岐点だったと思っている自分は、このタイミングでAIの能力をある意味で凌駕した恐るべき天才の誕生を目にしたことに慄然とするし、おそらくすべての棋士が改めてこの天才の底知れぬ才能に畏怖の念を覚えたのではないか。

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2020/6/24 | 投稿者: pdo

藤井聡太七段が、棋聖挑戦に続き、王位戦への挑戦も決めた。

NHKの9時のニュースでトップで報じられた。

おそるべし17歳。

かつての「神武以来の天才」加藤一二三は、この知らせを受けて「これまで19世紀生まれ20世紀生まれ21世紀生まれの棋士まで3世紀を跨いで数多対戦してきた中でも、聡太はまごうことなき別格の天才のひとり」とツイートした。

現役棋士で藤井ウォッチャーとしても第一人者の勝又清和七段も、「語彙力が尽きた」と呟くほどの唖然とする強さである。

しかし、彼の将棋はただ「強い」というだけでは済まされないものがあるようにも思う。

(それはそれとして、「藤井七段の将棋は、ただ強いというだけではなく、見ていて面白い華がある将棋だ」と語る人は、言外に「ただ強いだけで、面白くない将棋を指す棋士もいる」と言っているわけだ。)

彼の今の将棋に「華」があるか、と言われると、そんなに分かりやすい派手な手は(もちろんたまにはあるが)頻発するわけではなく、見ていて面白いかと言われると、面白いというよりは終盤までに時間がなくなってハラハラするし、終盤の正確な差し回しにはひたすら感心するが、天才升田将棋のような面白さはない。

これは、相手がハイレベルすぎるために派手な手は封じられているということもあるし、中身よりも結果を注目されすぎるために、敢えて堅い手順を選んでいるということもあるのかもしれない。

中盤の入り口あたりで大長考するのは、事前研究に頼らず、その場で最善手を読み切ろうとするからだろう。彼の能力があれば、終盤ではほとんど時間を残す必要がない。

今後も厳しい日程が続くが、差し当たって明日の順位戦B級2組の緒戦、佐々木勇気七段との対局に注目している。

藤井の30連勝を食い止めた佐々木が、ここでも闘志を剥き出しに一発入れようと待ち構えているのが目に見えるし、重要な対局が目白押しで十分に対勇気戦の事前準備ができていないであろう藤井が、佐々木の綿密な序盤中盤研究にどう対峙するのか。

そして息もつかせぬ間隔で、28日(日)には渡辺明棋聖との棋聖戦第2局があり、その週の水・木(7月1日・2日)には地元愛知で、初の2日制対局となる木村一基王位との王位戦第1局が行われる。

将棋の神が采配を振るっているとしか思えないスケジュールである。


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2020/6/5 | 投稿者: pdo

藤井聡太七段が史上最年少でタイトル挑戦(棋聖戦)を決めた。

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藤井七段に関してはもう何があっても驚かないが、コロナ禍による対局中止のために史上最年少タイトル挑戦はスケジュール的に不可能という状況を覆しての記録達成には、つくづく持って生まれた天運というものを感じざるを得ない。

先日の佐藤天彦前名人との将棋、そして昨日の永瀬二冠との将棋で見せた、ますます盤石ぶりを増す強さのまま、豊島竜王名人と並ぶ現役最強棋士・渡辺明棋聖(三冠)と激突する、というドラマには、熱心な将棋ファンならずとも期待に胸がふくらむ。

一体どこまで行くのだろう、この17歳は?

(7月19日で18歳になるらしい)



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