2017/2/10 | 投稿者: pdo

清志郎さんのことを考えるといつも、いとおしいと思うんですよ。同じ種類の人間として私はつながっているし、そこを色恋とはまったく関係のない、もっと家族愛に近いような、彼の存在自体を本当にいとおしいと思っていたんですね。

清志郎さんの歌について思うことは、あんな歌を書けるのは彼しかいないでしょうということ。ものの考え方もすべて含めて、彼の人間性がそのまま音楽に反映されてるんですよ。それが特に詞の部分に反映されていて、私はそれをとおして彼という人間が好きになったんですね。

たとえば作品として作ったり、商品として作ったり、歌と本人にズレがある人もたくさんいるわけです。でも彼は、もちろん最終的にそれは商品になってるんですけども、彼の中から出てこないもので作ってる歌はないと思いますね。

彼がステージの上から「愛してます」と言ったり、「夢を持とう」と言ったりするのは、全部本当のことで、それを本当に思ってる人だからこそ言えたことだと思いますよ。

本当のことを言うのには責任がともなうし、ある場合はリスクもともなうし、でもそこにちゃんと彼は命をかけていた。その姿勢にみんな共鳴したんだし、みんなそこが好きだったと思います。

(『文藝別冊 総特集忌野清志郎』収録の矢野顕子のコメントより)



オレがどんなにわるいことをしても

オレは知ってる

ベイビー、おまえだけは オレの味方


オレがどれだけウソばかりついても

ベイビー、おまえだけは オレを解ってくれる

オレは知ってる



ワタシは、自分が、日本の音楽を聴いて、これほど泣くのだと言う事に、当惑する程でした。涙が流れたとか、嗚咽が止まらなかったとかいう問題ではない、ワタシは全身全霊が泣き果てて、泣いて泣いて、この曲が終わる前に、幸福で死んでしまうのではないかと思いました。

(『文藝別冊 総特集忌野清志郎』収録の菊地成孔のコメントより)



今まで、ふざけ半分で生きてきた。

今だって、そうさ。これからもね。

「人生」なんてコトバに、ふり回されたくないんだ。

(忌野清志郎の高校生時代のノートより)

1

2012/9/17 | 投稿者: pdo

本格的なベストアルバムがもうすぐ発売になるジャパニーズ・ポップスの巨匠山下達郎。

その軌跡はもう改めて語る必要のないほど語りつくされているが、『ライド・オン・タイム』でブレイクするまでは本当に極上の音楽を作り続けているにもかかわらず不遇な時代が続いた。

やっぱり1980年の山下達郎こそやはり比類なき存在だと思う。

山下達郎に「日本で一番歌のうまい女性歌手」と言わしめた吉田美奈子と1980年のラジオで披露したデュエットは、バックの生演奏も含めて、極上の一言に尽きる。





あれから32年たってもまったく色あせていないのが凄い。

大滝エイイチ氏は、87年ころのインタビューで、「これから年を取ってからますます魅力的になるボーカリストは日本で今のところ山下達郎しかいない」と語っていたが、彼の予言どおりになっているといわざるを得ない。

そういえば先日、NHKでやっていた高倉健のスペシャル番組で、彼が震災以降達郎の『希望という名の光』を愛聴していることが明らかにされていた。

ここで、実際に出るアルバムとは違う達郎のマイ・ベストを。

彼ほど雨についての名曲をたくさん作ってくれた人はあまりいない。


1 Only With You

2 いつか

3 futari

4 時よ

5 Blow

6 こぬか雨

7 Rainy Walk

8 Love Can GO the Distance

9 Daydream

10


2

2011/12/29 | 投稿者: pdo

ここんとこ忌野清志郎がやけに聴きたくて、夢中になって聴いている。

晩年の成熟具合が素晴らしい。

世界中に自慢したいよ。
0

2010/8/10 | 投稿者: pdo

以前、忌野清志郎について書いた記事で、こんな風に書いた。

キヨシローは,桑田圭祐などとは違って,決して音楽シーンのトップにいるような存在ではなかった。

彼の音楽は常に,マイノリティの目線からの多数派の欺瞞への告発であり,弱者から同類への愛情の籠った労りの表現だった。


その桑田圭祐が、食道がんで活動休止に入ったというニュース。

彼はきっとすぐ元気に復帰してくれることと思うが、この出来事のおかげで、そういえば桑田(サザン)についてちゃんと考えたことがなかったな、と気づいた。

サザンという存在は、あまりにも普遍的で、大きくて安定していて、改めて何かを言うべき対象という感じがしない。

思い出すのがこのエピソード。
ジョン・レノンは、ローリングストーンズやミック・ジャガーに激しく嫉妬していたという。

彼らが反体制でラディカルなアーティスト・イメージを担っていたことに対してだ。
彼らのせいで、ビートルズはストーンズに比べれば、「危険ではない」存在に見られることになった。

実際には、還暦をとおに過ぎても健康的にロックし続けているミックよりも、思想的にもアーティストとしてもレノンの方が遙かにラディカルな存在だったことは明白だ。

唐突な比較だが、桑田圭祐も、清志郎に対して似たような感情を持っていた(持っている)のではなかろうかという気がする。

桑田圭祐は、いまや押しも押されもせぬ国民的歌手であるが、本来は非常にラディカルな体質の持ち主だ。

・・・なんか昔の「ロッキン・オン」みたいになってきたので、やめる。


サザンといえば横浜、湘南。とも言い切れないくらいメジャーな存在であるが、僕にとってのサザンは、やはり横浜だ。

“ヨコハマの姐や”について唄っていた頃のサザンが一番好きだった。

ちょうどこの時期、この曲(思い出のスターダスト)を聴きながら、横浜スタジアムを見ながら潮風に吹かれつつ夕暮れ時を二人で散歩するイメージ。
たぶんこれ以上に、なんというか、胸にくるシチュエーションは自分的には無い。

「夏をあきらめて」や「私はピアノ」は日本の歌謡曲の頂点に位置する曲だ。

サザンを聴くと、自分の中の何かが揺さぶられる。それは何かと考えてみると、自分の中の「日本人的な部分」だと思う。

いくらブルースが好きでも、黒人が聴くようにブルースを聴くことはたぶんできない。
でも、僕らにはサザンを聴くことができる。

かなり前、故レイ・チャールズが「いとしのエリー」をカバーしたことがあった。

それを聴いた桑田のコメントが印象的だった。
「上手いんだけど、いちばん大事なところが欠けている。俺の歌には遙かに及ばない」ときっぱり断言したのだ。

世界最高のR&B歌手に自分の曲をカバーしてもらったというだけでもふつうは手放しで喜びそうなものだが、桑田は、「(俺の曲に関しては)レイ・チャールズの歌い方は間違っている」と言い放ったのである。

しかし、桑田のコメントには、日本人なら、僕を含めて誰もが激しく同意するだろう。
日本人なら、というところがポイントだ。


正直言って、90年代以降のサザンはきちんと聴いていない。90年代以降は、誤解を恐れずに言えば、もはやサザンを必要としないほど、日本のロックがあまりにも充実しすぎた。70年代にはビートルズの居場所がなかったようなものかもしれない。


サザンは長いキャリアの中で何度も解散の危機に追い込まれている。本人たちはどうか知らないが、おそらくファン(=僕)にとって一番深刻だったのは、2枚組の名作「KAMAKURA」の後、活動休止に入ってしまったときだろう。無責任に言えば、このときにすっぱり解散するという選択肢もありえたと思う。しかし結果として、サザンは復活し、さらに巨大化し、国民的バンドとして未曾有のアイコンとなった。


でもやっぱり僕にとってサザンの最高の曲は、「いなせなロコモーション」であり、「思いすごしも恋のうち」であり、なんといっても「いとしのエリー」なんだよなあ。

これまたその昔、村上龍という作家が、
「日本で『アメリカン・グラフィティ』のような映画(『ジャパニーズ・グラフィティ』)をつくるとしたら、エンディングは間違いなく『いとしのエリー』だ」
と書いていた記憶がある。

まったく同感。
1

2009/5/9 | 投稿者: pdo

クリックすると元のサイズで表示します

清志郎が亡くなってから,言葉にならない悲しみとは別に,清志郎がこれほどまでに愛されていたというのを知ったことにむしろ驚いている。

キヨシローは,桑田圭祐などとは違って,決して音楽シーンのトップにいるような存在ではなかった。

彼の音楽は常に,マイノリティの目線からの多数派の欺瞞への告発であり,弱者から同類への愛情の籠った労りの表現だった。

それは,キヨシローがあれほどまでに愛したR&B(リズム・アンド・ブルース)の真実の形だった。だから彼の歌には何の嘘もなかった。

何の嘘もない表現は,危険過ぎて,体制の中で勝利を収めることはない。しかし,彼は比類のない天才的な言語感覚とユーモアで,危険な綱渡りを見事に演じきって見せた。


その結果,今日,こんなにも多くの人が心の底から清志郎への愛と感謝を表現している。

どんなにひねくれ者でシャイな奴でも,ふだんは「よそ者」扱いされて居心地悪い生活を送っている連中でも,なんのてらいもなく,心から「好きだ」と言える人,それが清志郎という存在だった。


こんなに世知辛い世の中で,人々の心から,こんなにも多くの愛を引き出すなんて,あんたにしかできない芸当だよ。


だから僕も,今日くらいは正直に言うよ。



キヨシロー,愛してるよ。


ありがとう。


クリックすると元のサイズで表示します
3




AutoPage最新お知らせ