2020/7/3 | 投稿者: pdo

藤井聡太七段が木村王位を降した王位戦第1局。

中盤の仕掛けから、攻めが一度も途切れることなく、受けの名手木村王位を攻め倒した。

棋聖戦に続き、タイトル戦今のところ全勝。

もう言葉が見つからない強さだが、今の時点でここまで強いと、これから先将棋界はかつての大山名人の時代のような「藤井一強」時代が続くのではないかと予感される。

今は17歳という若さとタイトル初挑戦という初々しさがあって新鮮な気持ちで見ていられるが、次々にタイトルを取るようになって、毎年毎年すべてのタイトル戦で圧倒的な強さで防衛するということになると、将棋界はどうなるのか。

もっとも、過去には大山時代、中原時代、羽生時代があって、時代の覇者がいることで将棋界が栄えてきたという歴史があるので、来るべき藤井時代もそれなりに盛り上がるのであろう。

将来について余計な心配をするより、目の前にある藤井聡太の将棋を全力で楽しみたい。

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2020/6/30 | 投稿者: pdo

JYPの「虹プロジェクト」発のガールズ・グループ「NiziU」のプレ・デビュー・ミニ・アルバム配信と同時に、プレ・デビュー曲「Make You Happy」のMVが公開された。



早速再生回数が凄い勢いで伸びている。予想を上回る勢いだが、この勢いがどのくらい続くのかは、今後のプロモーション次第だろう。

オフィシャル・ファンクラブ「WithU」の発足も告知された。

さて、現時点で、個人的にこのグループについて思う所を書いておきたい。

NiziUを生んだオーディション番組「Nizi Projct」は、JYPのプロデューサー、パク・ジニョン(JYパーク)が表に出て、日本のソニー・ミュージック・エンターテイメントとJYPの共同事業という形で始まったものだ。

JYPは韓国の最大手の芸能事務所の一つで、あのTWICEを輩出し、過去にはMissAやワンダーガールズといった人気ガールズ・グループも生み出している。

いわば売れるガールズ・グループを作るノウハウを熟知している会社で、自社ビルでは多くの練習生をデビューに備えて日夜訓練させている。

このNiziUにもJYP練習生が3名含まれており、いずれも予選の最初の段階から完成度の高い歌やダンスを披露していた。その一方で、ほとんど素人同然の状態から半年の訓練を経てデビューしたメンバーも半数以上を占めているが、彼女たちの歌やダンスはJYP練習生に少なくとも見かけ上は引けを取らないレベルに達している。

K−POPアイドルには完成された歌とダンス(とラップ)のパフォーマンスが不可欠なものとして要求される。日本のように、素人のような歌や踊りを「萌え」要素としてアピールするというようなことはありえない。

NiziUのパフォーマンスのレベルは、既存の日本のアイドル・グループのレベルを超えた完成度の高いものであることは確かである。しかし、現在のK−POPのアイドル・グループのレベルを見ると傑出しているとは言えないだろう。例えば同じJYPのITZYと比べても、彼女たちの歌とダンスのレベルはNiziUのどのメンバーにも太刀打ちできないレベルにあると思う。

これまでのJYPの動きを見ている限り、NiziUの方向性は、純粋なK−POPアイドルではないが、日本だけではなく韓国の市場にもアピールすることを意図しているように思える。さらには、アジア全体をも視野に入れているのではないか。

MVにつけられた海外ファンのコメントを読んでいると、今のところ多くのファンの捉え方は、最近のTWICEが大人路線を打ち出し、かつてのような「かわいい」路線から脱したことで生じた欠落部分を埋めるグループ、というものではないかと思える。

「MakeYouHappy」のMVは、明らかにTWICEの初期のヒット曲「Likey」のMVを意識して作られており、その意図は明確である。

「TWICEの妹分」として一昨年JYPからデビューした「ITZY」は、どちらかといえばBlackpink(TWICEとガールズ・グループ人気を二分し、むしろ世界的にはナンバーワンといえるYG所属のグループ)寄りの、クールな「ガールクラッシュ」路線であることからすると、NiziUのコンセプトが「かわいい」路線であることは非常に合理的な方針である。

パクジニョンは予選の段階から「ミイヒ」を非常に高く評価しており、当初はミイヒを中心としたグループの結成を目論んでいた節がある。

だが、韓国合宿の途中からは、ミイヒ以外にも成長著しいメンバーが何人も出てきたために、必ずしもミイヒという絶対的センターを設ける必要はなくなったのではないか。ただし、グループのリーダーとして「マコ」という年長メンバーを不動のトップとして評価することはある意味戦略的な行為でもあった。

NiziUの「かわいい」路線の中心を担うのがミイヒ、アヤカ、リク、マユカ、ニナあたりとすれば、「ガールクラッシュ」路線寄りのメンバーはマコ、リマ、リオ、マヤということになろうか。ただしリオは今のビジュアルはずいぶん幼さを強調したものになっているし、リマもまだ幼くかわいさの方が勝っている部分もある。ニナは顔立ちがシャープなのでガールクラッシュ要素もあり、最年少メンバー(マンネ)という役割も担っている。

ファン層としては、TWICEが日本では主に10代少女受けで大きく成功したように、NiziUも10代女性の支持層が厚いように思える。日テレの地上波ワイドショー「スッキリ!」で大きく取り上げられることで、普段はK−POPに関心のない層(主婦層や20代以上女性)にも大きくアピールしたことがTWICEにはない特徴である。

逆に、男性のファン層が今後どこまで伸びるかが課題と思う。TWICEを支える中心はやはり男性ファン層であり、ここが薄いと「かわいい」路線は限界に突き当たることになろう。

個人的には、今後NiziUを日本でどのように売っていくのかに関心がある。日本の歌番組やバラエティにもどんどん出ていくのか、TWICEのようにあくまで「海外アーチスト」枠としてK−POP的なアプローチで行くのか。

11月に本格デビューとのことだが、これから5か月もの間、どうやってファンの関心を引き付けておけるか、メンバーよりもスタッフの力量が問われる。

今の動画の出し方や広報のやり方などを見ていると、韓国のスタッフが中心で、日本の客層に対応したスキルを持つスタッフが不足しているような気がするので、日本向けのアプローチに長けた人材をブレーンとして取り込むなどの工夫が必要な気がする。



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2020/6/29 | 投稿者: pdo

昨日行われた棋聖戦第2局では、藤井聡太七段が和服で登場し、全国のそうちゃんファンをメロメロにした。

殺害予告がなされ、警察による警備体制が敷かれる中での対局となったが、藤井七段はまったく意に介することなく、先手番の渡辺明棋聖を90手で降した。

中でも、中盤で藤井七段が熟慮の末指した「3一銀」という、持ち駒を投資した受けの手が、一見してトッププロも首をひねる疑問手(?)と思われた。

対戦した渡辺明はブログの中でこう振り返っている。

△31銀は全く浮かんでいませんでしたが、受け一方の手なので、他の手が上手くいかないから選んだ手なんだろうというのが第一感でした。50分、58分、29分、23分という時間の使い方と△31銀という手の感触からは先手がいいだろう、と。

5分くらい眺めたところでは▲79玉で互角はある、▲25銀で決まってたりしないかな、と思ってましたが、読み進めていくうちに▲79玉△46歩は少し悪いのか、▲25銀は△46桂で負けだ、となって28分考えて▲79玉とした時点では「形勢は悪いけど持ち時間の差でひと勝負」という気持ちでした。

△87歩と垂らされたところで「あれ、全然粘れない」となって、あと数手指したら、もう大差になっていました。

感想戦では△31銀の場面は控室でも先手の代案無しということでしたし、控室でも同じように意表を突かれたと聞いて、そりゃそうだよなと納得したんですが、いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした。


合理主義者の渡辺らしい率直な感想だが、「いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした」という発言は、あの三浦八段がGPSと対戦した時に漏らした感想と同一であることに注目したい。

ちなみに最強のAIに当該局面を分析させたところ、最初は3一銀は候補手にも上がらなかったが、深く読ませれば読ませるほど、6億手を超えたあたりで最善手であることが判明したという。

三浦VS「GPS」の将棋こそ、AIの棋力が最終的に人間を上回ったことを示す分岐点だったと思っている自分は、このタイミングでAIの能力をある意味で凌駕した恐るべき天才の誕生を目にしたことに慄然とするし、おそらくすべての棋士が改めてこの天才の底知れぬ才能に畏怖の念を覚えたのではないか。

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2020/6/26 | 投稿者: pdo

以前このブログでも取り上げたことのあるオーディション番組「虹プロジェクト」が完結した。

1万人を超える応募者の中から、東京合宿への26名の選抜を経て、13名が韓国合宿に選抜され、その中から9名のデビューが決定した。

前回の記事で注目したメンバーのうち、

新井彩花(あらい あやか)【アヤカ】

山口真子(やまぐち まこ)【マコ】

横井リマ(よこい りま)【リマ】

ヒルマン・ニナ【ニナ】

鈴野未光(すずの みいひ)【ミイヒ】

の5名がデビュー・メンバーに選ばれ、

平井桃伽(ひらい ももか)【モモカ】

井上あかり(いのうえ あかり)【アカリ】


はいずれも韓国合宿のメンバーには選ばれたが、今回デビューはできなかった。

僕が注目した

岸田りりか

は、韓国合宿のメンバーにも選ばれなかったが、その代わりと言っては何だが、「『大阪娘』の負けん気が伝わってくる」存在として、

大江梨久(おおえ りく)【リク】

が、最終順位の2位に選ばれるという奮闘を見せた。

それ以外のデビュー・メンバー

花橋梨緒(はなはし りお)【リオ】

勝村摩耶(かつむら まや)【マヤ】

小合麻由佳(おごう まゆか)【マユカ】


のうち、リオは「E-girls」の妹分「バニーズ」として活動しており、マヤは元YG(韓国最大手の事務所の一つ)の練習生であり、マユカはその人柄がスタッフから高評価を受けた。

虹っ子たち(グループ名は「NiziU」)のデビューを祝すように、日本の上空には虹色の雲が出た。


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このプロジェクト全体について、そしてデビューメンバー一人一人について、語りたいことは尽きないが、それは別の機会に譲るとして、ひとまずは皆の健闘を讃えると共に、TWICEに続くスターとして、彼女たちの前途にも幸あれと願わずにはいられない。
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2020/6/24 | 投稿者: pdo

藤井聡太七段が、棋聖挑戦に続き、王位戦への挑戦も決めた。

NHKの9時のニュースでトップで報じられた。

おそるべし17歳。

かつての「神武以来の天才」加藤一二三は、この知らせを受けて「これまで19世紀生まれ20世紀生まれ21世紀生まれの棋士まで3世紀を跨いで数多対戦してきた中でも、聡太はまごうことなき別格の天才のひとり」とツイートした。

現役棋士で藤井ウォッチャーとしても第一人者の勝又清和七段も、「語彙力が尽きた」と呟くほどの唖然とする強さである。

しかし、彼の将棋はただ「強い」というだけでは済まされないものがあるようにも思う。

(それはそれとして、「藤井七段の将棋は、ただ強いというだけではなく、見ていて面白い華がある将棋だ」と語る人は、言外に「ただ強いだけで、面白くない将棋を指す棋士もいる」と言っているわけだ。)

彼の今の将棋に「華」があるか、と言われると、そんなに分かりやすい派手な手は(もちろんたまにはあるが)頻発するわけではなく、見ていて面白いかと言われると、面白いというよりは終盤までに時間がなくなってハラハラするし、終盤の正確な差し回しにはひたすら感心するが、天才升田将棋のような面白さはない。

これは、相手がハイレベルすぎるために派手な手は封じられているということもあるし、中身よりも結果を注目されすぎるために、敢えて堅い手順を選んでいるということもあるのかもしれない。

中盤の入り口あたりで大長考するのは、事前研究に頼らず、その場で最善手を読み切ろうとするからだろう。彼の能力があれば、終盤ではほとんど時間を残す必要がない。

今後も厳しい日程が続くが、差し当たって明日の順位戦B級2組の緒戦、佐々木勇気七段との対局に注目している。

藤井の30連勝を食い止めた佐々木が、ここでも闘志を剥き出しに一発入れようと待ち構えているのが目に見えるし、重要な対局が目白押しで十分に対勇気戦の事前準備ができていないであろう藤井が、佐々木の綿密な序盤中盤研究にどう対峙するのか。

そして息もつかせぬ間隔で、28日(日)には渡辺明棋聖との棋聖戦第2局があり、その週の水・木(7月1日・2日)には地元愛知で、初の2日制対局となる木村一基王位との王位戦第1局が行われる。

将棋の神が采配を振るっているとしか思えないスケジュールである。


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