2020/2/1 | 投稿者: pdo

好村富士彦『真昼の決闘 花田清輝・吉本隆明論争』を図書館で借りて読む。

閉架書庫から出してきてもらったのを受け取ったら、寄贈本のハンコが押してあり、さらに最初のページに「廃棄」とデカデカと赤文字の印が押してあった。

古本屋でも1円で売られているような、もはや何の需要もない本である。

そんなものを今頃わざわざ取り寄せてまでして読む自分の神経もよくわからないが、内容は結論部分を除けばしっかりしていた。

明らかに花田寄りに立って書かれたものだが、吉本の仕事についても評価すべき点は評価している。

著者が引用する小川徹『花田清輝の生涯』によれば、花田は吉本との論争が佳境を迎えた1958年には、舞芸座(花田が戯曲『泥棒論語』を上演した劇団)の若い女優Mと一世一代の恋愛事件を起こして、二十数年来の伴侶であるトキ夫人との間に緊張した関係をもたらし、そのあおりで一時家出をしていたということである。

花田清輝の本も読んでみたいと思い、『近代の超克』と『日本のルネッサンス人』も借りてみたのだが、文章にちっとも魅力を感じず、まったく読み進められない。

花田清輝が「偽装した転向ファシスト」かどうかはともかくとして、吉本隆明と勝負できるような重量級の人物ではなかったことだけは確かだろうと思った。
1




AutoPage最新お知らせ