2019/11/26 | 投稿者: pdo

今日の一曲目: Bluebird / Charlie Parker



貴方だけ今晩は、悲しみよこんにちは、そして武器よさらば。全国0局ネットでお送りしています、妄想夜電波、オープニングを「粋な夜電波」からパクりつつ第6回目の放送となります。

寒くなってまいりました。先日、「東京裁判」という映画を見てまいりました。実に4時間半に及ぶ長大な上映時間でしたが、まったく長いと感じませんでした。むしろ、もっと見たくて、裁判の模様を省略せずに、毎日4時間ずつ10日間連続上映とかしてくれないかな、と思ってしまいました。

東条英機をはじめとするA級戦犯たちが連合国によって裁かれる過程を描いた裁判ドキュメンタリーですが、弁護士もアメリカ人で、冒頭から強烈な弁論をします。要するに、真珠湾攻撃の首謀者を裁くのなら、原爆を落とした人間はどうなるのか。戦争における殺人は合法的なもので、そもそも犯罪ではないんだ、と演説をぶつわけです。

そして裁判官の中には、インドの人もいて、有名な「パル少数意見」という、全員無罪という判決を書いたのがパル判事です。日米開戦の前夜に両国の間で交わされた外交文書は「ハル・ノート」といって、裁判の中でも重大な論点になるのですが、名前が紛らわしいですよね。

今日の2曲目は、先日「ミュージック・フェア」で槇原敬之さんが清水翔太さんと一緒に歌っていた名曲「12月の雪」です。12月と言えば、真珠湾攻撃、そしてジョン・レノンの命日ですよね。

今日の2曲目:12月の魔法 / 槇原敬之



さて、K−POPの世界では、また悲しい出来事がありました。

今日の3曲目は、前回かけたのと同じ曲です。
その前に、この曲の訳詞を朗読したいと思います。


誰かのために誰かが祈ってるみたい
息を殺して書いた愛の詩が
低く聞こえるよう
あなたの元に飛んでいく
遅れずにその場に着きますように

私はそこにいる
独りで歩くあなたの後ろに
最後まで歌う

終わらないこの歌を
ほんの少し耳を傾けて
長い長い夜を歩くあなたのために歌う

またあなたの世界に
星が降ってるみたい
息を殺して飲み込んだ涙が
ここに流れているみたい

言葉を失った静かな心に
記憶のように聞こえてくる声

私はそこにいる
独りで歩くあなたの後ろに
最後まで歌う
終わらないこの歌を

大きく深呼吸して
声を上げて泣く術を忘れたあなたのために歌う
(また歩き出せるように) 歌う
(また愛せるように) 私はここにいる
私を見守って 私は決してこの歌をやめない

あなたの長い夜が終わるその日
顔を上げて見つめるその場所に私はいる


今日の3曲目 Love Poem / IU



新政府総理大臣を自称している、坂口恭平という方が、自らの電話番号を公開して、自殺したくなったら自分に電話してほしいという活動をしていますね。とても人間業とは思えない、生き仏のような方だと思います。ソルリさんもク・ハラさんも、このような方が韓国にいたら、、、なんて軽々しくは言えませんが。

次は、クリスマスにはまだ早いけど、クリスマスまで待たせないでよ、という曲です。

今日の4曲目 Can't Wait 'Til Christmas / 宇多田ヒカル



宇多田ヒカルと同時期にデビューした女性アーチストに椎名林檎とaikoがいます。

三人とも天才だと思います。とりわけ椎名林檎のデビューは衝撃的でした。

美形で、パンクで、声が魅力的で、巻き舌がカッコよくて、バンドの中でギターを持つ姿がサマになっていて、いい曲が書けて、言葉遣いにセンスがあって・・・こんな日本人の女性ロッカーがいたらいいな、という理想像をすべて体現した存在が現れたと思いました。

デビュー曲の『幸福論』とデビューアルバムの『無罪モラトリアム』を聞いたとき、これでもう大丈夫だ(何が大丈夫なのかよく分からりませんが)、と確信しましたね。以来、椎名林檎は僕の中で「活動してくれているだけで有難いミュージシャン(何が有難いのかよく分かりませんが)」という存在になっています。

「正しい街」とか「すべりだい」とか好きな曲はたくさんあるのですが、今日聴いていただきたいのは、彼女が17歳の時に書いた曲です。英語の歌詞なので、和訳を朗読します。


私は17歳
田舎の高校生
ジャージを着て皆同じ雑誌を読んでる
私はは17歳
学校に退屈してきたところ
子供みたいな教師たちは
私を変人扱い

哲学と放課後だけが好きで
それだけが自分の時間
素敵な女子と男子がデートしたり
シャンプーがどうだとか他の女子たちがお喋りしながら
家路に着くとき

独りで家に帰るの
道行く人たちを眺めるのが好きで
地下鉄とかどこでもないどこかを
あてもなく彷徨いながら

私は17歳
夢なんて特にないけど
誰にも頼らないで
自分のことで一生懸命

独りで家に帰るの
いとしい我が家で夕食を食べるの
何度も祈りながら

学校には似たようなやつしかいない
みんな私がおかしいと言うんだけど
それは勲章だと思ってる
みんなと違うのは、誇らしいんだって
あいつらみたいには生きれないよ

地下鉄とかどこでもないどこかを
あてもなく彷徨いながら

独りで帰るの
いとしい我が家で夕食を食べるの
何度も祈りながら

私は17歳
17歳
私は17歳
17歳



今日の5曲目 17 / 椎名林檎



本日最後の曲は、天才三人娘のもう一人、aikoさんの曲です。

彼女も素敵な曲が無数にありますが、この季節に聴くと特に染み入るド定番の曲でお別れいたしましょう。例によって歌詞が素晴らしいです。

「鼻先をくすぐる春 リンと立つのは空の青い夏 袖を風が過ぎるは秋中 そう 気が付けば真横を通る冬 強い悲しいこと全部 心に残ってしまうとしたら それもあなたと過ごしたしるし そう 幸せに思えるだろう」

なんという美、なんという抒情性でしょうか!

絶望するな。ではまた。

今日の6曲目 カブトムシ / aiko



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2019/11/24 | 投稿者: pdo

オザケンの新譜は、実はまだ怖くて聴けていない。

あのタイトルとあのジャケ、そして新曲「彗星」のMVを観て聴いて、これは今の自分に必要なものではないな、と無意識に判断してしまった。

きっと多幸感と大肯定感に溢れて「オッケーよ」という人たちも沢山いるのだろうし(というかほとんどがそうだろう)、「いまここにある宇宙の奇跡」とか自己啓発セミナーまがいのカルトっぽいテイストが(元々あったとはいえ)ますます前面に出て来たなあ、などと意地悪に水を差す気も毛頭ない。

彼を見ていると、めちゃくちゃ頭が良くて高学歴で高収入で意識高いけどイタい知り合いの姿とオーバーラップしてムズ痒さを感じてきた。

90年代はそれも含めて微笑ましかったが、アメリカから返ってきた今の彼が放っている高揚感にどうも違和感を覚える自分の感覚が、むしろズレているのかなとも思う。

このことについては改めて考えてみたい。


※この記事を書いた後に、小沢健二のあるツイートが排外主義的だといって軽く炎上しているのを知った。彼に政治的な求めることは間違いだと思っているし、反グローバリズム運動的なことをやっていたときにも胡散臭さを感じていたので、彼の発言に別段驚きはない。それよりも、発言へのリプライに小沢健二崇拝的な全肯定の意見がけっこうあることに衝撃を受けた。
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2019/11/20 | 投稿者: pdo

昨日の王将戦挑戦者決定リーグ、4勝1敗どうしで事実上の挑戦者決定戦となった広瀬竜王と藤井七段の対局は、126手で広瀬竜王の勝ちとなった。

対局直後のインタビューで、藤井七段は、「最後は詰みをうっかりしたが、これも実力」と悔しさを滲ませながらも落ち着いて語っていた。

中盤に藤井七段に疑問手が出て、広瀬竜王が優勢で最終盤を迎えたが、藤井七段が土壇場で猛烈な追い込みを見せた。一時は逆転したかに見えたが、最後に広瀬竜王が即詰みに仕留めた。

最後、逃げ間違えなければ詰みはなかったようだが、1分将棋ではさすがの藤井もすべてを読み切ることは難しかったようだ。終盤で持ち時間に大差がついていたことが、この結末に影響した。

ひふみんこと加藤一二三は、藤井が大きなチャンスを逃したことで、これから調子を落とすのではないか、といったコメントをしている。

加藤一二三は、20歳で大山名人に挑戦して、叩きのめされた。そのことが、彼の中の何かを壊したのではないか、と思っている。

彼の才能からすれば、もっとタイトルを取って、棋界を制する大棋士になってもおかしくなかった(もちろん大棋士には違いないが、大山、中原、羽生クラスの頂点を極めるには至らなかった)。

同じことは二上達也(羽生善治の師匠)にも言える。

加藤も二上も、大山康晴という存在によって、何かを失った。

中原誠は、大山と年齢が離れすぎていたこともあり、加藤や二上のように、むき出しの暴力的闘争心に晒されることがなかった。あるいは、大山の闘争心を失わせる何かを中原は持っていた。

羽生にとっては、大山のような存在はおらず、中原とタイトル戦を戦うこともなかった。

谷川は、年上ではあったが、文字通りライバル的存在であった。

もし、藤井聡太が、今の時点で、渡辺明との王将戦七番勝負に臨んだとしたら、加藤が大山に叩き潰されて、何かを失ったように、何かを失うことになっただろうか。

いつかはタイトル戦で相まみえる運命であるとしても、それは今ではなかった、ということだろう。

将棋の神様は確かに存在している。


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2019/11/9 | 投稿者: pdo

神奈川近代文学館で、アピチャッポン・ウィーラセタクンの『トロピカル・マラディ』を観る。

画質があまりよくなかったのが残念だったが、森の映像はなんだかずっと心霊写真を見せられているような妙なリアリティがあった。

『中島敦展』の記念上映会ということだったが、中島敦とはほとんどまったく関係のない映画だったので(映画の冒頭に『山月記』からの引用があるというだけ)、半数近くの席を埋めていた近代文学愛好家の高齢者の皆さんがどんな感想を持ったのか、興味があるといえばあるし、ないといえばない。

「海の見える公園」の中にある文学館の建物とその周囲は幻想的なまでに美しく、映画終了後に歩いていると現実と夢と幻想の境界が曖昧になっていく感覚を少し覚えた。

彼の映画には繰り返し同じ俳優が出演しているので、ああこの人は『ブンミおじさんにも出ていたなあ」とか「このシーンはあの映画にも出て来たな」という所にまで目が行くようになると、さらに面白味が増す。

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2019/11/8 | 投稿者: pdo

今日の一曲目: Break On Through (To The Other Side) / The Doors



こんばんは、渋谷陽一です。全国0局ネットでお送りしています、妄想夜電波、いつの間にか第5回目の放送となります。

坂口恭平という人がツイッターで、「2020年代は自殺の時代になる」と呟いていて、なるほどと思いました。確かに今の世の中を見ていると、鬱になる将来しか思い浮かびませんよね。貧困化、高齢化、言論の不自由化、政治のメチャクチャぶり。躁になるためにはもはや戦争しかないような気がします。といっても、今の戦争は、すべて画面上でターゲットを定めて、AIが自動的に敵を破壊してくれるので、面白くもなんともない、ますます鬱になるようなもんです。やっぱテロしかないのかな。これは石原慎太郎という偉大な政治家の言葉ですが。

今日の2曲目は、この季節になると聞きたくなる一曲、中島美嘉の『雪の華』、ではなくて、少数の熱狂的なファン以外にはあまり知られていない yes, mama OK?(略してymo)というバンドの、ポップでキャッチーなのにヒットには恵まれなかったこの曲を。

今日の2曲目 コーヒーカップでランデヴーって最高よ/yes,mama OK?



このバンドのリーダー、金剛地武志さんは、僕はかつて東京MXテレビで放送していたニュース番組のパロディー番組「鈴木タイムラー」と「テレバイダー」の司会者として初めて知ったのですが、九十九一やキッチュの後継者かと思っていたら、めちゃくちゃ才能のあるミュージシャンだというのが分かってびびった!

金剛地武志さんのインタビューは過去のこのブログの記事で読むことができます。僕は彼のツイッターをフォローしているのですが、けっこう政治的な発言をする方なので驚きました。もちろんいい意味で。

もう一曲聴きましょう。これから寒くなりそうな時期にぴったりの曲です。

今日の3曲目 砂のプリン/yes,mama OK?

このyes,mama OK? 略してイエママについては、これからも事あるごとに紹介していくつもりですのでご承知置き下さい。3,4枚のアルバムを残して解散してしまったのですが、名曲が山ほどあるのです。

さて、今日のK−POPのコーナーですが、11月1日に発表されると同時に韓国のチャートで1位になった、以前もこの番組で紹介したIUの曲を。

実は、先月起きた悲しい事件のために、IUは新曲の発表を延期しました。彼女の親しい友人であり、有名なガールズ・グループのメンバーが自らの命を絶つという出来事があったのです。先日発表されたこの曲は、彼女に捧げる意味もあるのでは、という声もあるようです。

曲をかける前に、IUによる紹介文を紹介します。


“「自分の利益より他人の利益をより欲する人間の性質」でさえ、利己的な土台の上にある”

愛する人が、一人で孤立していく姿を見るのは、辛い。

私には何もしてあげられず、見守るばかりで、ときに催促するような応援と慰めの言葉が、完全に相手のためだと勘違いしていた。

私は今でも、私の愛しい人が苦しむ姿を見ると、つい口を出してしまうことを我慢できない。

しかし、私のそのような行動が、相手のことだけを思っての配慮や慰めではなく、その人の平穏な日常を見たいという私の願望から出たものだということが分かった。

でも今は遠慮せず、お願いする立場として、最低限のことだけを願ってみたい。

この詩を聞いてほしいと

そして、息をしてほしいと・・・

他人の人生にずっと共に寄り添うことはできない。

けれど、方向さえ同じなら、ずっと共に歩むことはできる。

私にできるのは、歌うことだけだから、私は私の愛する人々へ、いくらでも歌ってあげることができる。

私が、音楽の仕事をしながら、多くの詩を世界から与えられたように、私も、たましいを込めた詩を書きたいと思う。

そうして、順番にお互いの詩に耳を傾け、ときに大きく、ときに小さく息をしながら、生きていければいいと思う。

- by 이지은 (李知恩 / IU)



今日の4曲目 Love Poem / IU



IUの曲をもう一曲聴きましょう。これは、シャイニーというグループのリーダーだったジョンヒョンという人との共作です。

今日の5曲目 憂鬱時計 / IU



次は、これからの季節に聞きたい曲/歌いたい曲のアンケートを取ったら上位に来るんじゃないかな、という、あのスマップの名曲の、作曲者自身によるバージョンを聴きましょう。

今日の6曲目 夜空ノムコウ / 川村結花

この曲は、スガシカオさんの曲だと勘違いしている人が多いような気がするのですが、スガシカオさんは作詞で、作曲したのは川村結花さんですから、お見知り置きの程何卒よろしくお願いいたします。

確かにこの曲は歌詞もいいですよね。「歩き出すことすらいちいち躊躇う癖に、詰まらない常識なんか潰せると思ってた」なんてね。これをあのスマップが歌ってた所がまたいいですよね。

川村結花さんにも、たくさんの名曲があって、これからも事あるごとに紹介していきたいと思っているのですが、今日は最後にこの曲を聴いてお別れしましょう。大好きな曲です。これからこの番組のエンディング・テーマにしようと思っています。

では、よい週末をお過ごしください。

今日の7曲目 遠い星と近くの君 / 川村結花




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