2018/9/26 | 投稿者: pdo

以前このブログで書いた『ハッピーアワー』『親密さ』などの濱口竜介監督の新作、『寝ても覚めても』を観に行ってきた。

これまで見た作品では、プロよりは素人に近い俳優を使って、自分で書いた脚本のテキストを生かすような作り方をしていた印象があるので、今回は東出昌大のような有名な俳優を使って、原作のある作品の映画化ということで、メジャーに打って出る、勝負の一作かも知れないと、なるべく予備知識なしに期待して観に行った。

結論から言うと、かなり期待はずれであった。

非常に感想の書きにくい映画で、「傑作」という評から「どうしようもない」という全否定の評まで10種類くらいの書き方が可能で、そのどれもが間違っているという種類の映画だと思った。

苦心惨憺の末思いついた感想は、「良くも悪くも東出昌大のソロ作品」という一言。

「ハッピーアワー」や「親密さ」でのような独特の作家性が感じられなかったのは、原作が存在していることと関係があるのはひとまず間違いではないだろう(ちなみに原作は未読)。

以前の作品ばかり引き合いに出して申し訳ないが、最も残念だったのは、濱口監督が過去作品で実現してきた「エモーションの記録」が今作に見られなかったという点だ(しいて言えば途中主人公の友人たちが自宅で演劇を巡って本音をぶつけ合う場面に若干感じられたくらいだろうか(本論とは関係ないが、この友人役を『あまちゃん』にも出演していた山下リオが好演していたのが嬉しかった))。

濱口作品ではストーリー自体はそれほど重要な要素ではないと思っている。それでも、否それゆえに、今作のストーリーはアクが強すぎたきらいがある。

率直に言ってヒロインである朝子(唐田えりかという女優は初めて見た。10代の桐谷美鈴と遠野なぎこを足して2で割ったような印象)の行動には微塵も感情移入できなかったし、当然と言えば当然すぎる亮平(東出)の反応についても、なぜそれがああいう結末になるのかがまったく理解できない。

中には朝子に感情移入できる人もいて、断固としてそれを否定する人がいて、映画を観終わった後で思う存分意見をぶつけ合う・・・という類の作品でもない。

観る者になんとも中途半端で不安定な感情を抱かせて放り投げた感じが否めない。

ネタバれを含むさらに詳細な感想は別に書くとして、ここで忘れずに記しておきたいのは、

あの東出昌大がここまで来るとは正直思わなかったなあ、という感慨であった。

「良くも悪くも東出昌大の映画」と先に書いたが、とにかくこの映画は、

『川の底からこんにちは』という映画が満島ひかりの映画であるのと同じくらい、東出昌大の映画なのは間違いない。

海外の映画賞にも出品しているとのことだが、もしこの作品が海外で高く評価されたら、上記の感想が変わるのかと言えば、変わらない気がする。

もう少し突っ込んだ感想は改めて書くとして、とりあえず観終わった直後の感想はこのへんで。






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2018/9/25 | 投稿者: pdo

北川景子主演ドラマ『指定弁護士』を見て、上から目線で申し訳ないが、演技が上手くなったなあ、と思った。

猛暑の中の撮影が大変だったとブログに書いてあったが、凛とした演技には高いプロ意識を感じた。

結婚後も、コンスタントに、というよりもやや過剰気味に、ドラマ、映画と話題作に出演し続け、文字どおり休む暇なく精力的に働き続けている。燃え尽きないかな、と心配になるくらいである。

老婆心ながら、あまり無理しないでほしいと思う。とはいってもスケジュールはすでに埋まっているので自分だけではどうにもならない部分もあるのだろうが。

陰ながら心より応援しています。

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2018/9/23 | 投稿者: pdo





元奨励会員で、小説すばる新人賞の受賞者でもある筆者の小説2冊を読んだ。

ラノベのような文体(といってもラノベというのを読んだことがないので印象にすぎない)で読むのに多少骨が折れたが、「将棋あるある」という観点から読むといろいろ面白い部分もあった。

ただし将棋ファンにとっては大切な宝のようなエピソードをラノベ(といってもラノベというのを読んだことがないので印象にすぎない)を構成するジグゾーパズルのように使われていると考えると若干複雑な気分になったのも確か。

もっとも元奨励会員だけあって将棋の描写はリアル。ただし、その分だけ現実離れした設定も目についてしまっていまひとつ最後まで感情移入できなかったのも事実。

こういう将棋をテーマにした小説を読むたびに、やっぱりノンフィクションに勝るものはないよなあ、と感じるのだが、将棋界という世界自体が一つの仮想空間のようなものなので、それをさらに虚構化することの悪弊のようなものが出てしまっているのではないかと感じたり。

そもそも自分が将棋界や棋士たちに惹かれるのは、吹けば飛ぶような将棋の駒と81のマス目という抽象世界の中に己の全存在をかけて没入し、それが社会的尊敬を受けるひとつの職業として成立しているというありえない奇跡に感動するからで、それ以上にドラマチックなフィクションなどあるはずがないのだと思う。

『泣き虫しょったんの奇跡』の映画も観に行かねばと思いつつもまだ行けていない。

たくさんのお金と労力をかけて感動的に仕立てられた物語よりも、アゲアゲ氏の朴訥な語り口の方にリアリティを感じてしまう。

そんなわけで、この小説を読みながら感じていたのは、ヘボな将棋でもいいから自分で指したい、そして本物の棋士たちの将棋を一局でも多く見たい、ということでしかなかった。

著者は『百年の孤独』にも影響を受けているようで、すごく才能のある作家だと思う。

この本も面白かった。リアルタイムの将棋界について語る彼の文章をこれからもすごく読みたい。








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2018/9/20 | 投稿者: pdo

斎藤慎太郎七段、強い。

2連勝で初タイトルに王手。

中村王座の周到な作戦を地力でひっくり返す、今の斎藤七段の充実ぶりを如実に示す一局でした。

今後も熱戦を期待しています。

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2018/9/4 | 投稿者: pdo

斎藤慎太郎先生、王座戦第1局の勝利おめでとうございます。

大熱戦を見事制されました。

お疲れ様でした。

第2局も期待しています。


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