2018/3/25 | 投稿者: pdo

今日は藤井聡太氏が詰将棋解答選手権で4連覇ということで、自分も詰将棋の本を図書館で借りまくったりしている。





詰将棋という一人遊びをおぼえたのは小学生のときだった。そしてそのときから、永遠の夏休みが続いている。

夏休み―ただひたすら遊ぶ毎日。その記憶がしみついて、今でも抜けない。同じ遊ぶにしても、徹底的に遊ばなければ遊びじゃない。

わたしの親父は、よく「人間は何のために生まれてくるのか」という問題を語りたがった。親父の説によれば、結局人間もただの生物であり、子供を残すために生まれてくるのだという。そして親父は、その言葉どおりに、子供を残して死んだ。

わたしも、半分くらいは親父の説に賛成する。そして残りの半分は、遊ぶために生まれてくるのではないかと思っている。遊びをせんとや生まれけむ。あるいは、ホモ・ルーデンス。

わたしにとって、詰将棋は我が子のようなものだ。だから、この作品集はわたしが生きた確実な証拠である。わたしが死んでも、詰将棋は残る。

(「盤上のファンタジア」若島正 まえがき より)








その奥深さは限りがない。

すべての詰将棋作家にとっての聖典であるこの本も味わえるようになりたい。



無双・図巧は後世へメッセージを発信し続けている。それは受信者が居るからである。

私も後世へメッセージを発信したい。受信者が居ると信じて。

文面はこうである。

詰むや 詰まざるや

詰まざるや 詰むや

この繰り返し とこしえに

(「ゆめまぼろし百番」駒場和男 あとがき より)

1

2018/3/23 | 投稿者: pdo

見ましたか、糸谷VS藤井戦(見てないか)。

ヘボなので指し手の具体的な解説はできませんが、凄いを通り越して怖くなるくらいの、藤井六段の凄まじい勝ちっぷりでした。

あの剛腕で鳴らす糸谷元竜王が、一直線の攻め合いで、はっきり間合いを見切られて、完敗してしまいました。

この記事のタイトルは、糸谷八段の局後の感想(「終盤、鋭いですし、中盤に切り込んでこられる。気持ちのいい踏み込み方でした」)からとったもの。

この踏み込み方は、2年前に指していたら「ソフトとの一致率」とやらで不正を疑われてもおかしくなかったレベルです。

その前日、A級順位戦プレーオフで、羽生竜王が稲葉八段に勝ち、佐藤天彦名人への挑戦を決めました。これは、夕食休憩までは稲葉優勢と思われていた場面を、一瞬で体を入れ替え、あとは一気に押し切るという、羽生竜王の指しまわしが凄みを感じさせました。

羽生善治と藤井聡太。

今の将棋界は、この二人の超天才を中心に回っています。

片や47歳で、永世七冠、タイトル99期という気が遠くなるような実績を上げ、今度の名人戦でもし名人位を奪取すれば、通算100期という空前絶後の大記録を達成するということになります。もはや何と形容してよいやら分からないような存在です。

そして15歳の若武者は、その羽生竜王を破って棋戦初優勝を達成し、その後も快進撃を続け、一体誰が止めるのか、いよいよ分からない前人未到の領域に入ってきました。

今週の日曜日には詰将棋解答選手権が行われますが、そこで4連覇すれば、またもや大きなニュースになることは必然。

彼が3年前、小学生で初優勝したときの感想(自戦記)を読んで、その大人びた文章に驚愕した記憶があります。

詰将棋解答選手権の創設者で、日本を代表する詰将棋作家、若島正氏(昨日の糸谷戦の観戦記も担当)は、「藤井聡太という才能を見出したという事実だけで、この大会を作った意味があった」と言っているとか。

彼が8歳のとき、将棋大会で大駒をタダで取られるというミスをしたとき、悔しさをぶつけて紙に書きつけたラップ調の歌詞が残されています(彼の祖母がゴミ箱から拾ってとっておいたもの)。

それを読むと、この頃に既に自分の失敗を客観視し、笑いの対象にすらできるという、高度の人格を身につけていることが分かります。

藤井六段の素晴らしさは、天賦の才能に加えて、激情と達観、情熱と冷静の間を見事にバランス調整できる、卓越した自己統御能力にあるのだと思います。

クリックすると元のサイズで表示します

2

2018/3/16 | 投稿者: pdo

昨日、藤井聡太六段が、順位戦C級2組の最終局で三枚堂達也六段に勝利し、全勝を決めた。

横歩取りで圧勝。

そんな藤井六段の次の対戦相手は、糸谷哲郎九段である。

クリックすると元のサイズで表示します

圧倒的な強さを見せつける藤井聡太を止めるのは、今季順位戦B級1組を全勝してA級入りを決めた、この糸谷哲郎しかいないのではないか、と注目の大一番である。

糸谷は、2014年、六段の時に、第27期竜王戦の挑戦者になり、森内竜王(当時)から見事竜王位を奪取している。

そのシリーズの第1局、ハワイで行われた前夜祭での糸谷のスピーチが話題になった。

当時の中継ブログから糸谷のスピーチの書き起こしを転載する。

「皆さんアローハ。私はあいさつに入ると、長くて分かりにくいと言われるので手短にしたいと思います。

昨日、領事館にうかがわせていただきました。そこで一つ啓示的な話をいただきました。

母の実家が鎌倉でして、鎌倉とハワイはある共通点があるという話をいただきました。

話を縮めますと、日本とハワイは精霊信仰、シャーマニズムという点において共通しています。

父方が宮島が実家でして、宗教と縁があるのですが、一神教とシャーマニズムの違いとして、観客に語りかけるか、神に交信するかという話をいただきました。

私は中高をカトリック系の学校にいましたが、ミサなどにおいて神父は聴衆に話しかけますが、ハワイや鎌倉に行こうというのは神そのものに話しかける。一種の交信儀式を行うわけです。これは将棋と近しいのではないかと。

将棋は哲学では神、世界、真理、存在とある程度同一視される、というと怒られるかもしれませんが。一つの世界そのものが神の代わりである。

ニーチェは『神は死んだ』と申しましたが、そういった意味での存在、真理、ただ一つのくつがえしがたいものを神などと隠喩する風習があります。

そういう点で将棋はある程度真理を目指す、神の存在ですね。神のメタファーになると思いますが、どこか真理を目指しながら、しかし、神にたどり着かない。ただ、対局者同士は神を目指すという行為ですね。

シャーマンも神にたどり着くという行為自体はなしえないわけです。交信することにおきまして、ただ、それを目指す。

というわけで、真理=神に近づけますように将棋を指していきたいと思います」


これを聞いた前夜祭の参加者は、宴会や酒の雰囲気もあって、専ら糸谷による奇譚くらいに捉えて、さぞかし苦笑いでもし合っていたのであろう。

もちろん糸谷が困った奴だとか思われているわけではなく、彼の愛すべきキャラクターは将棋界に知れ渡っている。

西遊会という関西の若手棋士の将棋普及活動チームでも先頭きって引っ張っている好青年である。

僕は糸谷のような若者がハワイで「将棋を通して神(真理)を探究する」という純粋な考えをまっすぐに人前で披露した姿に畏敬の念を覚える。

何か現代世界で喪われて久しい崇高なものの輝きをそこに見る。

糸谷九段と藤井六段が、二人で神を目指して対局する日が近づいている。

見逃せない一戦である。
1

2018/3/11 | 投稿者: pdo

クリックすると元のサイズで表示します

今、将棋ファンの間で天井知らずの赤マル人気急上昇中なのが、深浦康市九段であろう。

A級トップ棋士の一人であり、羽生王位からタイトルを奪取し、翌年に羽生の挑戦を退けたこともある。

形勢不利になってもとことんまで食い下がる、粘り強い棋風で知られるが(対局相手とあたかも恋愛のような濃密な情熱を交わすとの発言から「恋愛流」とも呼ばれる 笑)、先日の順位戦最終局では、6人のプレーオフと渡辺棋王の降級というA級棋士全員の命運を背負って、久保王将との激闘を制した。

いろんなものを背負う対局に巡り合うことが多く、プレッシャーに負けず結果を出すので、いまや将棋界随一の頼り甲斐のある存在と見られている。

先週、藤井聡太六段と杉本昌隆七段の「師弟対決」がメディアで話題になったが、深浦九段にも、佐々木大地四段という弟子がいる。

こちらの師弟関係も、杉本・藤井に負けないくらい、感動的な絆を感じる。

長崎の対馬で生まれ育った佐々木大地四段は、同じ長崎出身の深浦九段に入門を願い出たが、少年時代は心臓の病気で入院生活を送り、深浦と初対面したときには鼻にチューブをつけた状態で、それを見て弟子入りを断るわけにはいかないと思ったとか。

奨励会に入会するために、一家で上京し、父親は転職した。

超難関と言われる奨励会三段リーグでは、2回の次点を獲得し、フリークラス入りの権利を行使して2016年4月にプロ入り。2017年2月には、「30局以上で6割5分以上の勝率」という規定を満たして、プロ入りから1年未満で順位戦C級2組に昇級する。

プロになってからは、師匠からプレゼントされたスーツを着て対局に臨んだ。

先日の順位戦最終局では深浦九段の対局を見るためプライベートで静岡県まで足を運んだ。

深浦九段は、昨年12月の叡王戦決勝トーナメントで、藤井聡太と対局し、形勢不利な状況を粘りに粘って逆転勝利している。まさかの逆転負けを喫した終局時に、ほとんど半泣きでひどく落ち込んだ藤井の様子が話題になった。

この一局が、藤井をさらに成長させた(そして手のつけられないモンスター化した)と見る人もいる。

佐々木大地もまた藤井聡太を破っている(現在は1勝1敗)。

藤井の連勝を止めた佐々木勇気が注目を集めたが、こっちの「佐々木」大地四段も注目すべき棋士である。

深浦も佐々木大地もよくネット中継で解説を務めていて、将棋ファンの認知も好感度もどんどん高まっている。

今の将棋界に欠かせないキャラクターがここにもいる。


クリックすると元のサイズで表示します
4

2018/3/7 | 投稿者: pdo

将棋に興味のない人にとっては興味のない話題が続いてしまってすみません。

むろやんが結婚して谷口さんになるとか。

ショックを受けている人が多いと見受けられる。

個人的にも、最近の大きな話題続きの将棋界の中でも、正直、一番衝撃的なニュースだった(笑)。

お幸せに。


クリックすると元のサイズで表示します
0




AutoPage最新お知らせ