2015/11/30 | 投稿者: pdo


先週のTBSラジオ『菊地成孔 粋な夜電波』は、「ノンストップ・ビートルズ特集」。

成孔によるゴキゲンな「超訳」を成孔がゴキゲンに読み上げた後にゴキゲンなビートルズ・ナンバーがかかり、それが1時間続くという至福の内容。

久々にラジオを聴いて興奮しました。

成孔師の独特のリーディングの味もあるので、文字にすると十分に魅力が伝わらない部分もあるのだけど、一曲書き起こしてみる。



レボリューション(レノン・マッカートニー作/菊地成孔訳)


革命を起こしたいんだって?

…うん、まぁ、そうだね、誰だって変えたいと思ってるよ、こんな国は。

それが、社会理論的にも、経済理論的にも、発達を意味するんだって?

…あぁ、そうかもね、こんな世の中、誰だって発達させたいと思ってるさ。

でも、君が、いかなるものであれ、破壊活動に縋るしかなくなったら、

僕は、悪いけど、カウントから外してくれ。

分からんかね? すべてはうまく行く。

うまく行く。

うまく行くんだ!


いい解決策があるって?

なるほどね、「計画」ね、計画、それは一応聞くよ。

うん? 寄付が欲しいって?

そうだな、僕らにできることならやってやるし、それはみんな一緒でしょ。

だけど、憎しみや、挫折の怒りや、個人的な怨念に凝り固まった人々の活動資金にするつもりなら、

僕から君に言えるのは、

「ブラザー、待つべきだ」

の一言だね。

分かんないかなあ?

何とかなるんだよ、うまく行くんだ、すべては、オーライ。


自分たちの手で憲法を変えるって?!

おっ〜とっと、それより、僕らとしては、君の頭の中を変えてあげたいね。

制度がいけないんだって? すべて?

まぁまぁまぁ、そうかもしれないけどさ。

それよりもまず、自分の心を自由にしてやった方がいいんじゃない?

毛沢東の写真をまだ持ち歩いてるようじゃ、

どこにいっても誰にも相手にされないぞ。

分かんないかなあ?(笑)

分かってないよね?(笑)

うまく行くんだよ。

放っときゃ、すべてはうまく行く。

うまく行くんだ!



Revolution / John Lennon with Paul McCartney

You say you want a revolution
Well you know
We all want to change the world

You tell me that it's evolution
Well you know
We all want to change the world

But when you talk about destruction
Don't you know you can count me out

Don't you know it's gonna be alright
Alright
Alright

You say you got a real solution
Well you know
We'd all love to see the plan

You ask me for a contribution
Well you know
We're doing what we can

But when you want money for people with minds that hate
All I can tell you is
Brother, you have to wait

Don't you know it's gonna be alright
Alright
Alright

You say you'll change the constitution
Well you know
We all want to change your head

You tell me it's the institution
Well you know
You better free your mind instead

But if you go carrying pictures of chairman mao
You ain't going to make it with anyone anyhow

Don't you know it's gonna be alright
Alright
Alright

0

2015/11/18 | 投稿者: pdo

先日BSテレビで、エレファントカシマシがRCサクセションの名曲『スローバラード」をカバーしていた。

忌野清志郎に対する自分の想いは以前にも書いたことがある

エレファントカシマシについての想いも以前に書いた

以前、RCの『ブンブンブン』のカバーをやっているのをTVで見たことがあって、それはすごくよかった。

『スローバラード』は、さすがに原曲が清志郎の一世一代の名唱だから、比べてしまうと宮本に酷だろう。いいものが見れた、というのが率直な感想だ。

ちなみについ昨日知ったのだが、UAも清志郎が亡くなった年にライブで「スロバラ」をカバーしていて、動画サイトで見たら素晴らしかった。

最近はジャズや菊地成孔関係の音源を多く聞いていて、そういうのを聴いているとつい「ロックは単純な音楽だ」という「上から目線」になりがちだが、言うまでもなく「単純=レベルが低い」、ということではありえないのであって、複雑極まりないモダン・ジャズだって元々はシンプル極まりない「ブルース」を基盤にしているのであり、マイルス・デイヴィスの複雑なポリリズム即興音楽とライトニン・ホプキンスの五十年一日のブルースとどっちがイケてるかという問題に単純な回答などありえない。

ということを前提として書くと、最近立て続けに読んだ菊地成孔の著作『スペインの宇宙食』、『サイコロジカル・ボディ・ブルース』、『レクイエムの達人』を構成する文章の約半分以上が、彼が元々自分のサイトや掲示板などのインターネットに書き込んだものであることを知って軽いショックを受けた(ちなみに、『レクイエム〜』所収の忌野清志郎への追悼文は涙なしには読めない位に秀逸な一篇だ)。何ら外的な強制力が働いたわけでもなく純粋に内発的な衝動から自由奔放に気の赴くままに書き散らした文章がそのまま書籍化されて、ものすごく面白い作品として読めてしまうというのは明らかに菊地成孔の才能のなせる業だが、彼の文章は彼の音楽と同じ酩酊させるような独特のグルーヴがある。

エレカシの宮本浩次にもいくつかの著作がある。宮本の文章はストレートでシンプルでありながら衒いを含んだもので、やはり彼の音楽と通じるものがある。

などと取り留めのないことを思った。


1

2015/11/12 | 投稿者: pdo


さいきん気が触れたかのように手当たり次第にいろんな音楽を乱聴している。これだけ乱聴していると、いくらレヴェルの高い作品であってもあまり印象に残らなくなってしまうきらいがある。

毎食フルコースの美食を味わってしまっているようなものである。

そんな中でも思わず膝を乗り出してしまうような名曲に出会うときほど嬉しいことはない。

季節柄バラードに偏ってしまった感があるが、今夜は秋の夜長にぴったりな極上ナンバーを紹介したい。


アダージェット/中島ノブユキ、畠山美由紀
(『メランコリア』より)

マーラーの名曲(ヴィスコンティ『ヴェニスに死す』のテーマ曲)をピアノとヴォーカルで甘美にアレンジ。溜め息が出るような演奏とはこのこと。

Born To Be Blue/UA、菊地成孔
(『CURE JAZZ』より)

菊地成孔の数ある作品の中(一体どんだけ量産したら気が済むのか。という位のヴォリューム)でも、最もいいと思うものの一つが、この、UAとのコラボレーションだ。ここ数日頭の中で流れ続けている。中島ノブユキ氏が編曲に関わっている。


キアズマ/山下洋輔トリオ
(『キアズマ』より)

ここ最近の乱聴の中でも最大の発見と言ってよかったのが、70年代の山下洋輔トリオであった。特にこの坂田明、森山威男を擁するトリオの演奏はいまさら衝撃的だった。思わず山下洋輔の本を読むだけでは足りず、これまで読んだことのなかった筒井康隆の短編集にまで手を出す始末。おかげで中学生の息子に「問題外科」「だばだば杉」などの問題作まで結果的に読ませることになってしまい遺憾。


ひまわり/坂田明
(『ひまわり』より)

これは坂田明(もちろん山下洋輔トリオのサックス奏者と同一人物)による「ド演歌サックス」とでも呼ぶべきものかもしれない。2004年にチェルノブイリ被害者支援のために録音されたという背景込みで初めて聞いたときは思わず泣いた。


Just Friends/チャーリー・パーカー
(『コンプリート・ヴァーヴ・マスター・テイクス』より)

この曲はパーカーがストリングスと共演した「パーカー・ウィズ・ストリングス」というアルバムからのヒット曲らしい。パーカーの曲はほとんどが3分以内で、後のモダン・ジャズと違って、ダラダラと(失礼)10分もアドリブを続けるような曲は一つもない。短いアドリブの中にものすごい密度で極上のフレーズが入っていて、驚嘆しているうちに曲が終わる。


Isfahan/デューク・エリントン
(『東洋組曲』より)

Isfahan/菊地成孔
(『CHANSONS EXTRAITES DE DEGUSTATION A JAZZ』より)

オリジナルも菊地成孔によるカヴァーもどちらも素晴らしい演奏で、続けて聴くとさらに味わいが増すような気がする。


MABO/African Works
(『アフリカン・ドラム・ベスト』より)

電子音楽のようにも聞こえるが、純粋なアコースティック楽器のみの演奏。深夜にこれをループして聴いているだけでディープにトリップしそう。


Carol Ann/Soft Machine
(『Seven』より)

前のアフリカンディープトリップミュージックに続けてこれを聴くと「今この瞬間宇宙にただ一人」感がしみじみと味わえるような気がする(あくまで個人の感想です。本製品の効果を保証するものではありません。)


'Tis Autumn/スタン・ゲッツ
(『Stan Getz Plays』より)

スタン・ゲッツはどれを聞いても同じように素晴らしい。「こんな風にサックスが吹けるなら誰もが彼のように演奏するだろう」とはジョン・コルトレーンの談。


Mirror Balls/Date Course Pentagon Royal Garden
(『Alter War In Tokyo』より)

菊地成孔のバンドの中で最もエッジの効いた音楽を追及しているのがこのDCPRGだろう。ポリリズムの混沌からグルーヴを生み出す名演が多い中で、この曲はスライ・ストーンのフレーズを下敷きにしたポップなダンスナンバー。懐かしさも感じる。パーティーの締めに相応しい。

0

2015/11/4 | 投稿者: pdo

10/15以降に聴いたCD

※11/30追記

『スポーツ』東京事変
『きみのためにつよくなりたい』サンボマスター
『カウボーイ・ビバップ・サウンドトラック』
『山下洋輔トリオ』(1973)
『10 Minutes Older』菊地成孔/コンボピアノ
『大発見』東京事変
『スタン・ゲッツ・アット・ストーリーヴィル』
『Return To Forever』チック・コリア
『どこにもないランド』藤本敦夫
『Touches & Velvets』南博
『Dub Orbits』Dub Sextet
『Vendome, la sick Kaiseki』Spank Happy
『大人』東京事変
『Karaoke Jack』石野卓球
『Walkin'』東京スカパラダイス・オーケストラ
『フライングソーサー』クレイジーケンバンド
『ミドル・アンド・メロウ・オブ・クレイジーケンバンド』
『ひこうき雲』荒井由美
『死刑台のエレベーター』マイルス・デイビス
『ノタシオンほか』ブーレーズ
『バカラック・ミーツ・ビートルズ』筒美京平
『スモール・トーク』スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン
『ロンリー・ウーマン』大友良英とニュー・ジャズ・トリオ
『Oldies But Goodies』クレイジーケンバンド
『零』クレイジーケンバンド
『GALAXY』クレイジーケンバンド
『The Complete In A Silent Way Sessions』マイルス・デイビス
『Computer House of Mode』Spank Happy
『Musical From Chaos』Date Course Pentagon Royal Garden
『Musical From Chaos2』Date Course Pentagon Royal Garden
『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』
『メランコリア』中島ノブユキ
『スキッツォフリーニア』ウェイン・ショーター
『God Says I Can't Dance』ティポグラフィカ
『マイルス・フロム・インディア』
『大停電の夜に オリジナル・サウンドトラック』菊地成孔
『20人格』坂田明
『パッサカイユ』中島ノブユキ
『Speak No Evil』ウェイン・ショーター
『A Tribute To Jack Johnson』マイルス・デイビス
『Someday My Prince Will Come』マイルス・デイビス
『ひまわり』坂田明
『オレンジ・エクスプレス』渡辺貞夫
『cure jazz reunion』UA&菊地成孔
『エトセトラ』ウェイン・ショーター
『極東組曲』デューク・エリントン
『Water Babies』マイルス・デイビス
『オーネット・オン・テナー』オーネット・コールマン
『コンプリート・ヴァーヴ・マスター・テイクス』チャーリー・パーカー
『フランツ・カフカの南アメリカ』dCprG
『Lupin The Jazz』大野雄二トリオ
『キアズマ』山下洋輔トリオ
『Mr.Happiness/Slipped Out』日野皓正
『カレイドスコープ』ミッキー吉野、渡辺香津美ほか
『世紀の転換』オーネット・コールマン
『カリフォルニア・シャワー』渡辺貞夫
『ヘッドハンターズ』ハービー・ハンコック
『トリオ・バイ・トリオ・プラス・ワン』山下洋輔、大野雄二ほか
『タローズ・ムード』日野皓正
『サイエンス・フィクション』オーネット・コールマン
『スーパー・ノヴァ』ウェイン・ショーター
『Whipped Cream & Other Delights』ハーブ・アルパート,ティファナ・ブラス
『キリンジ3』
『アフリカン・ドラム・ベスト』
『シャンソン・エクストレット・ドゥ・デギュスタシオン・ア・ジャズ』菊地成孔
『ぼちぼち行こか』上田正樹と有山淳司
『The End of Legal Fiction』濱瀬元彦 E.L.F Ensemble&菊地成孔
『Out To Lunch』大友良英 ニュー・ジャズ・オーケストラ
『記憶喪失学』菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
『ジャズ・ボーカル・スーパーエディション』
『BEST:1989-1997』東京スカパラダイス・オーケストラ
『Nothin' But Jazz』Makoto Kuriya
『チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル VOL.1』
『チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル VOL.2』
『Africa en America Musica de 19 Paises by Various Artists』


読んだ本

『笑うな』筒井康隆
『最後の喫煙者』筒井康隆
『おれに関する噂』筒井康隆
『風雲ジャズ帖』山下洋輔
『至高の日本ジャズ全史』相倉久人
『レクイエムの名手』菊地成孔
『時事ネタ嫌い』菊地成孔
『サイコロジカル・ボディ・ブルース』菊地成孔
『毒血と薔薇―コルトレーンに捧ぐ』平岡正明
『人間コク宝 まんが道』吉田豪
『いま集合的無意識を、』神林長平
『アフォーダンス入門』佐々木正人
『ウィトゲンシュタイン入門』永井均
『石川くん』枡野浩一
『教養としてのプロレス』プチ鹿島
『愛と幻想のファシズム』村上龍
『持ってゆく歌、置いてゆく歌―不良たちの文学と音楽』大谷能生
0




AutoPage最新お知らせ