2015/6/30 | 投稿者: pdo


ブルースの次はジャズに走っている。

Bill Evansあたりの耳触りの良いものから入って、最近はマイルス・デイヴィス。

学生の頃にジョン・コルトレーンやエリック・ドルフィーは聴いていたが、なぜかマイルスはスルーしていた。

当時リアルタイムで知っていたマイルスは、「帝王」というイメージばかりが先行して、実際にやっている音楽は中途半端でたいしたことがない(失礼!)という印象があったためかもしれない。

プリンスと共演しようとしたり、マイケル・ジャクソンやシンティ・ローパーの曲をカバーしたり、やけにポップスに阿っているような気がしていた。

と、散々失礼な前口上を叩いた上で言うと、やはり50年代〜70年代(一時引退するまで)のマイルスは凄い(当たり前だが)。

マイルスの凄さについてはもう語り尽くされているはずなので、今更何を付け加えることもないのだが、正直、自分はまだ「何だかわからないけど凄い」という段階で、明確に言語化できるところまで至っていない。

というわけでこのブログはしばらくマイルスについての記事ばかりになる恐れがあるので、能年玲奈ファンとか北川景子ファンとか鳥居みゆきファンの人はしばらく覗かなくていいかもしれません(元々読んでいる人なんて誰もいないか)。

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タグ: Miles

2015/6/25 | 投稿者: pdo

何か目先の変わったものが読みたいと思い、たまたま目についた『ここは退屈迎えに来て』という変わったタイトルの本を買って帰った。

読み始めると、面白くて、夜更けまでかけて一気に読んでしまった。

1980年生まれの作者が、地方都市出身の同世代の女性の内面外面の生活を、きびきびした文体でリアルに切り取っている。女性心理についてまったく洞察力のない自分には、とても興味深い描写の連続だった。

逆に、男の目線からも、似たような物語が書けるのではないかと思った。しかしその作品は、この見事な『ここは退屈迎えに来て』のような傑作に並ぶものになるとはどうしても思えない。

オムニバス短編小説の形式になっているので、登場人物を現実の女優に見立てて色々と想像すると楽しい。

そんなことを考えていると、もう一つの作品のことが思い浮かんだ。

この小説と同じ年に映画化された『桐島、部活やめるってよ』だ。

タイトルの秀逸性という意味では『ここは退屈迎えに来て』に引けを取らないし、映画自体もなかなかの傑作だった。

橋本愛や松岡茉優が、いい演技を見せていた。



あり余る時間を持て余しているであろう能年玲奈という女優に、この『ここは退屈迎えに来て』という小説を勧めてみたいな、とふと思った。

読書家の彼女は、あるいはもう読んでいるかもしれないし、そのタイトルはもしかしたら彼女自身の今の心境とリエゾンするかもしれないけれど。


いい青春小説を読んだ。


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2015/6/23 | 投稿者: pdo


小説『火花』が芥川賞の候補作品になって話題のピース又吉。

移動時間の暇つぶしのつもりで買った『東京百景』というエッセイ集を読んでとても面白かった。

『火花』の方は、文芸誌に掲載された頃に一読したときにはそんなに感銘は受けなかった。

この人は短い作品、それもショートショート的なものの方が向いているのかもしれない。

鳥居みゆきの小説を読んだときにも感じたのだが、お笑いの人が小説を書くと、文体にネタ帳みたいな感覚が紛れ込んできて、集中力を削がれる時がある。又吉の作品にもそういう部分を感じなくもないが、これはこういう新しい世代の文体なのだと思うとそれはそれで新鮮味がある。

とにかく、ページごとに吹き出してしまうユーモラスな表現が散りばめられていて、なおかつ太宰的な自意識過剰性とシニカルなペーソスを含んだ表現力には才能を感じる。

『火花』はやや文学調を意識し過ぎみたいなところがあるので、もっとシンプルに書けば相当面白いものが書けるのではないかと思った。

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タグ: 又吉直樹

2015/6/4 | 投稿者: pdo

少し話題になっているのを耳にしたことがある映画『セッション』(原題 WHIPLASH)というのを観に行ってきた。

一言でまとめると、「スポ根ジャズもの」というジャンルに属する映画(どんなジャンルだよ)。

この映画に関しては、ジャズ・ミュージシャンで評論家の菊地成孔氏と映画評論家町山智浩氏との間で起こった論争を先に読んでいたので、そういう観点からも興味深く見た。
(興味のある人はご自分でお調べになってみて下さい。長文の応酬なので全部読むのは相当に疲れます)

率直に言って、自分はそこまで熱量を持って論じるに値するほどの映画とは思わない。ただジャズ・ミュージシャンの人がこれを見て酷いと怒る理由はよく分かったし、いかに「音楽的に」間違っているかを力説したくなる理由もわかる。

いい映画かどうかは別にしても、凄い映画だとは思った。もっとも、凄いというのは、作品としての深みとか完成度のことではなく、マンガ的な凄さだ。

あまり書くとネタバレになるので控えるが、たとえば自分は、主役の二人(教師と生徒)の関係性にリアリティを感じなかった。でもストーリーを追いかけるのに支障があるほどではない。

ハードルを高く設定せずに見に行けば、きっと面白かったと思える、そんな映画だ。

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