2014/1/22 | 投稿者: pdo

このところプライベート(というか仕事)で落ち着かず何かをじっくり見たり読んだりする気分ではなかったのだが、何かの拍子に、今は亡き中島らもの『ガダラの豚』という3巻ものの小説を読んでみた。

新興宗教や超能力、アフリカの呪術などを扱った長編小説で、メディア批判みたいな視点も盛り込みつつ、アフリカ旅行記のようでもあり、ミステリーのようでもあり、最後に物語は劇的なクライマックスを迎える。

単純にエンターテイメント小説として面白いので、興味のある方は読んでいただくとして、自分は中島らもといえば「灘中卒、明るい悩み相談室、ラモチチ、ヤ○中、破滅的な最期」という印象しか持たなかったので、彼にこんなにしっかりした文章が書けるんだというのが一番の驚きだった(失礼!)。

もっと長生きしてほしかった貴重な才能だった。
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2014/1/8 | 投稿者: pdo


年末年始はいろんなことがあったような気がするが、日本ポップス界の巨星が突然逝ってしまったという事件が一番ショックだった。

自分は大瀧詠一よりは一つ下の山下達郎の世代の音楽に強いシンパシーを持つ者だが、彼が「はっぴいえんど」で日本のロックを完成させ、「A Long Vacation」で日本のポップスを完成させたという誰にも否定できない功績には最大限の敬意を持っているつもりだ。

山下達郎らの世代にとってのビートルズ(ビーチボーイズ)が、大瀧詠一にとってのプレスリーだった。たぶんもっと下の世代にとってのプリンスやマイケル・ジャクソンがそうであるように。

先に書いたように、大瀧詠一は、日本のロックやポップスを「開始した」のではなく、「完成させた」のだ。プレスリーがロックンロールを完成させ、ビートルズがロックを完成させたように。山下達郎やその下の世代は、大瀧詠一の世代が完成させた日本の大衆音楽の一つの形式(フォルム)をさらに洗練させた「にすぎない」のだと敢えて言おう。

僕はあの日からずっと「ナイアガラ・トライアングル」というアルバムを繰り返し聞いている。これは各世代にせいぜい数人現れるかどうかの才能が共同して創った稀有な作品である。

大瀧詠一を失ったことの意味を語るのにふさわしい人は確実にふさわしい言葉を残すだろうから、何も知らない自分は今はただご冥福を祈りたい。

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