2013/12/27 | 投稿者: pdo


今年のNHK紅白歌合戦は、「あまちゃん」の能年玲奈を宣伝大使に起用して、毎日番組宣伝スポットを流している。

30秒の短いコーナーで、能年が毎日一言紅白にちなんだフレーズを発する。

なかなか面白い試みだと思うし、何より毎日能年玲奈が見れるのが嬉しい。

それはそれとして、大晦日にNHKの紅白歌合戦を見るというのが日本人としての正しい過ごし方みたいなイメージが醸し出されたのはいつ頃からになるのだろうか。

視聴率が50%を超えるのが当たり前で、40%だと低いと言われる。NHKの担当者は、毎年何か目玉企画を作ることで視聴者の「紅白離れ」を食い止めようとしている。

今年の目玉企画は、何といっても「あまちゃん」だろう。能年玲奈と橋本愛の「潮騒のメモリーズ」が紅白のステージで実現するのか、小泉今日子や薬師丸ひろ子がステージで「潮騒のメモリー」を歌うのかどうかに、多くの人が注目している。

つい先日公表されたところによると、宮藤官九郎が書き下ろしたミニ芝居を「あまちゃん」のキャストが演じるコーナーが設けられるのだという。小泉今日子や薬師丸ひろ子や橋本愛も出演するというから、これはかなり期待できる。

紅白のミニコントや小芝居は、大抵は舞台裏のバタバタした事情が透けて見えて本番では「寒い」ことになるパターンが多いのだが、今回はどうなるのだろうか。

話は変わるが、「あまちゃん」が終わった後、主要キャストがそれぞれどんな仕事をしているかに注目してみるのもなかなか興味深い。

単純に一番仕事量が増えたのは、若春子を演じた有村架純ではないだろうか。CMにも引っ張りだこで、ドラマなどの仕事も多数入っている。「あまちゃん」で得た好感度をそのまま生かしているという意味では、最も成功している女優かもしれない。

橋本愛は、NHKBSの連続ドラマ「ハードナッツ」で主人公の「難波くるみ」を演じたのが記憶に新しい。これは、これまで橋本愛が見せて来たクールな演技とは違って、コミカルな新境地を開くものだった。本人も、能年玲奈の影響があったこを認めているようだ。ただ、プライベートで不安定な部分が報じられたりして、女優としてのイメージにややマイナスになっている面がある。

能年玲奈は、「あまちゃん」の前に決まっていたという「ホットロード実写版」を撮影しているというニュースが入って来たくらいで、今年の前半に驚異的な大ブレイクを果たした割には、そんなに目立った活躍をしたという印象はない。しかしマスコミの注目度は抜群で、ブログを更新する度に芸能ニュースでトップ記事になるなど、「あまロス」ならぬ「能年ロス」の症状がファンの間に出てきているようだ。

今年の紅白は、「あまちゃん」大ブレイクの締めくくりとして能年玲奈にふさわしい舞台になるだろう。来年はさらなる新展開を期待したい。

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2013/12/16 | 投稿者: pdo

玉置浩二は、山下達郎によれば「日本で最も過小評価されているミュージシャン」らしい。

僕は「安全地帯」のことは「ワインレッドの心」を聞いたことがある位で、玉置浩二のソロ活動については何も知らなかった。

最近、ふとしたきっかけで彼が1993年に発表したソロアルバム『カリント工場の煙突の上に』という作品を聞いて、いいと思った。

素直にいい曲が揃っている。中でも『西棟午前六時半』という曲は出色だ。
こんなに繊細で美しい曲が書ける人だとは知らなかった。

彼はほんの短い間、精神科の病院に入院していたことがあって、その時の体験がベースになっている。

寄り添うように歌っている女性の声は、当時妻であった薬師丸ひろ子らしい。



西棟午前六時半

作詞作曲 玉置浩二


「グーテンモーガン」(おはよう) ゲンさんがつぶやく

トタン屋根の上で スズメたちの合唱

元気なかけ声で ラジオ体操始まる

露に濡れた 朝顔と話すマモル はしゃいでる


洗面器 はじける太陽

いつかあの海へ

舟を漕ぎ出そう

舟を いいね きっと



アルマイトの食器に ロールパンふたつ

そして赤や黄色の 山盛りの錠剤

おたまじゃくしの行軍 駐車場の水たまり

想い出の丘には猫を追いかける 裸足の友達が遊んでる



西棟午前六時半

いつまでここに いるのだろうか

欠けた心のまま

欠けた体のまま

それでも 楽しそうに笑う朝



西棟午前六時半

洗面器 はじける太陽

いつかあの海へ

舟を漕ぎ出そう

いつか だから もっと




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2013/12/14 | 投稿者: pdo

ブルース・スプリングスティーンが1982年に発表したアルバム『ネブラスカ』より。

『明日なき暴走』や『リバー』といった傑作ロックンロール・アルバムを発表して押しも押されもせぬアメリカン・ロックンロール・スーパースターへの道を驀進していた彼が、突然自宅でアコースティック・ギター1本で録音した、デモテープをそのまま発表したようなこの作品は、その歌詞の暗さもあって衝撃を与えた。

最近明らかになった話では、このころスプリングスティーンは個人的問題とパブリックイメージとのギャップから精神的危機になり、うつ病で医者に通っていたという。

歌詞はどれもアメリカの低所得者労働階級のどん詰まりの状況や彼らの自暴自棄の犯罪を扱ったもので、自分の父親との関係を扱ったトラウマ的な曲もある。

最近のライブで、軽快なロックンロール・ナンバーとして蘇っている『ジョニー99』は、あたかも見事な短編小説を読んだかのようなドラマチックな印象を与える。

スプリングスティーンはこのアルバムの楽曲を作るにあたって「曲に登場するキャラクターの思いををリスナーに伝えたかった。リスナーをキャラクターのイマジネーションの中に連れて行きたかった」と語っている。



Johnny99 / Bruce Springsteen

マウワー(ニュージャージー州の都市)の自動車工場がその月の終わりに閉鎖された
ラルフは仕事を探したが何も見つからなかった
タンカレーとワインでしこたま酔っぱらって家路についた
その夜警備員を撃ち殺して今では「ジョニー99番」と呼ばれている

赤信号でも誰も止まらないような町外れで
ジョニーは銃を振り回して 自分の頭にぶっ放すぞと息巻いていた
非番の巡査が後ろから奴を捕まえて
「クラブ・チップトップ」の前でジョニー99番に手錠をかけた

公選弁護人がつけられたが判事は非情なジョン・ブラウン
彼は法廷にやって来てジョニーを見下ろした
証拠は明らか この犯罪にふさわしい刑を宣告する
懲役98年とあと1年 それでジョニー99番

法廷は騒然としジョニーの彼女は強制的に退去させられた
彼の母親は立ち上がって叫んだ 「判事様どうか息子を取り上げないで」
「では息子よ 最後に言っておきたいことはあるか
 永久に牢屋に閉じ込められる前に」

「判事さん 俺には借金があった 正直者には到底支払えないほどの
 銀行は担保に入いれた俺の家を取り上げようとしていた
 俺は自分が無実だなんて言っちゃいません
 でも俺が銃を手にしたのにはたくさんの理由があった」

「判事さん 俺みたいな奴はきっと死んだ方がいい
 頭の中で考えていることのために人を死刑にできるのなら
 判事さん もう一度判決を考え直してくれませんかね
 俺の頭を刈って 処刑場に連れて行ってくれませんか」







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2013/12/13 | 投稿者: pdo


昨夜放映された『独身貴族』第10話を見て、このドラマは北川景子という女優をどれだけ美しく撮ることができるかに挑戦しているのだなと感じた。

それはそれでいい。
北川景子の表情はとても魅力的に映っている。
ファンとしては嬉しいし満足だ。

しかし1本のドラマとして、これが彼女の代表作になりうるかと考えると、ちょっと寂しい出来のような気がする。

ストーリーの大筋はよいのだが、登場人物の台詞や展開に唐突で不自然な所が多い。

たくさんありすぎるので一例だけ挙げるに留めるが、第9話の終わりに、ゆきが自分の気持ちに気付いて号泣する場面がある。そこに至る過程が大切なのだが、見せ方が粗い。特に、直前の事故のくだりは完全に不要。守が立ち去って行く姿をゆきが見かけるだけで十分だった。

ゆきと同居している親友も、ゆきのあのような心の叫び(本当は守が好き)を聞かされながら、その後の態度があっさりしすぎている。守の花嫁が逃げたと聞いて、もっと気を揉んでもいい。そもそも花嫁が結婚式の当日に逃げ出すという脚本自体があまりにご都合主義すぎて笑う気も起きない。

第10話でいえば、翌日の朝イチが締切のデッドラインであるにもかかわらず、ゆきは進と一緒に東京タワーに上り、その後に映画まで見る。このあたりの呑気さは、伊藤英明主演の映画『海猿』で、緊急事態が迫る中でヒーローとヒロインが悠然と愛を語り合っている不自然さに通じるものがある。

たぶん主演が草なぎ剛と北川景子でなかったら、とても見れたものではなかったろう。逆に言えば、二人のファン以外の人が見たら、ちょっと耐えられない出来なんじゃないかという気がする。

ただし第8話はよかった(それでも注文をつけたい部分はあるが)。

いつも思うのだが、日本では(日本に限ったことかどうかは知らないが)、いい役者はいても作品に恵まれないというパターンが多い。原節子だって今の時代に生まれていたら凡庸な女優で終わってしまったかもしれない。

繰り返すが、このドラマの北川景子の演技はとてもいいと思う。草なぎ剛も好演している。基本的に僕の見る草なぎ剛はどんな作品でもなかなかの演技をしている。この人のいいのは、声がよくて台詞が聞き取り易いところだ。佇まいもわりと様になっている。

僕は北川景子の映画は観に行ったことがないし、写真集もDVDも買わないライトなファン(そして若干面倒臭いファン)にすぎないが、彼女にはこれから本当にいい作品にめぐりあってほしいと思う。

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2013/12/3 | 投稿者: pdo


BSで昨夜『ローマの休日』を放送していた。

もうあらゆることが語り尽くされていると思うが、シナリオの巧みさに改めて感心する。

夜→昼→夜 の場面展開。

最初の夜と次の夜の台詞や二人の様子の対比。

語られない台詞や描かれない場面が何よりも雄弁に語る(行間を読ませる)構成が優れている。

例えば、ずぶ濡れになってジョーのアパートに戻ったアンとジョーの間に何があったのか?をその後の台詞から推察させるところ。

ジョーがアンに
Everything ruined?
(服は)全部だめになってしまったかい?(王女としての未練はすっかりなくなったかい)
と声をかけ、

アンが
"No...they'll be dry in a minute"
いいえ、服はすぐに乾くわ(いいえ、今夜のことは一時のことにすぎません)
と答える。

続けてジョーが
Suits you. You should always wear my clothes
似合っているよ。君はいつも僕の服を着るべきだよ
と言うと、

アンが
Seems I do
そのようね

と言う。

ジョーの求愛をアンが一生懸命はぐらかす様子が台詞の微妙なニュアンスに表されている。

アンは、宮殿に戻った後、

Were I not completely aware of my duty to my family and my country, I would not have come tonight. Or indeed ever again.

私が王家と祖国への私の義務を完全に自覚していなければ、私は今夜ここに戻ることはなかったでしょう。実際、永久に戻ることはなかったでしょう。

と侍従の前で言う。このときの台詞とそれまでの台詞の対比。

最後の記者会見の席で、アン王女の台詞

I have every faith in it-as I have faith in relations between people.
私は諸国家の友好関係を信じています―人と人との間の関係を信じているように

に対して、ジョーが

May I say we believe that Your Highness's faith will not be unjustified.
殿下の信頼は不当なものではないと信じております

と記者席から答える。

unjustified というのは、「根拠のない」ということだから、裏を返せば、「貴女の信頼は(抽象的なものではなく、私との関係という確かな)根拠を持っています」ということ。


脚本を書いたダルトン・トランボは、レッド・パージ(赤狩り)のためにアメリカ映画界から追放され、イアン・マクレラン・ハンターという偽名を使って「ローマの休日」を書いた。ハンターはトランボの友人で、名義貸しに協力したという。

多くの同僚たちと赤狩り裁判を体験したトランボの過去に照らせば、有名な「真実の口」のエピソードも味わいを増す。



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