2009/10/31 | 投稿者: pdo

音響が世界最高クラスという触れ込みの,「立川シネマ・ツー」で This Is It の2回目を観てきた。

音はさすがに良かった。ただ個人的には新宿ピカデリーとそんなに差は感じなかった。

2回目は内容が頭に入っているので少し客観的に見れた。

冷静になってみると,不謹慎な言い方だが,この映画がこのタイミングで全世界で公開されたことは,マイケルにとってよかったのではないかと感じた。

ツアーが実現していれば,確かに世界最高のステージになったと思う。しかし,それはロンドンで実際に目にした人にしか体験できなかっただろう。仮にライブ映像が作品化されたとしても1年くらい後になっただろう。その結果,彼の素晴らしい才能を実感できる人々の絶対数は限られたものになったはずだし,全世界で同時に話題になることもなかっただろう。

しかしこうしてリハとはいえ映画化されたことで,世界中の何百万の人々が,同時に,実際にライブに行くよりも気軽に,まるでライブの聴衆のような立場で,マイケルの神々しいまでのオーラを目に焼き付けることができた。

この映画によって,マイケルについての不当なイメージはほぼ払拭されるはずだ。これまで無責任なゴシップを垂れ流してきたワイドショーのコメンテーターたちも,公に自分の誤りを認めざるを得なくなっている。

加えて,これは憶測にすぎないが,いくら超人的な才能の持ち主とはいっても,医者が付きっきりの状況下にあったマイケルが,実際に50公演のハードスケジュールをこなすことができたかどうか,僕には確信が持てない。

もしマイケルがツアーを全うできず,途中でステージを降りるようなことがあれば,不当な中傷の嵐が再び彼を襲ったに違いない。

それから,この映画の構成の巧みさについて。

実際のセットリストでは,マイケルは「アース・ソング」を最後の曲にして,地球環境保護を訴えるメッセージで締めくくる予定だったようだ。

それはそれで素晴らしいのだが,この映画では,そのあとに「ビリー・ジーン」を持ってくることで,メッセージ性を強め過ぎずエンターテイメントの枠内に収めることに成功している。映画としてはこのやり方が正解だし,観客のニーズにも応えている。その一方で,世界に対するマイケルの真摯な思いも薄められることなく伝わってくる。

誤解しないでほしい。決して,決して,この時期にマイケルが亡くなって良かったなどと言っているのではない。マイケルを覆う暗黒の雲を振り払うために,彼自身の生命を代償にしなければならなかったほど悲劇的で残酷な現実には,深く憤らざるをえない。

せめて,マイケルの死(敢えて「殉死」といいたい)が,新たな希望につながってほしいと願うのみだ。

PS:最後に挿入される「ヒューマン・ネイチャー」のワンシーンは,この作品の,この上ない<余韻>をもたらしている,素晴らしい演出だ。最高の映像作品だった。オルテガGJ!

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2009/10/29 | 投稿者: pdo

マイケルのラスト・ショーになるはずだったThis is itツアーのリハーサルの模様を映画化した

This Is It

を新宿ピカデリーで観てきた。

20年前に同じ場所で見たプリンスの「サイン・オブ・ザ・タイムス」を観た時以来の感動を覚えた。

とても50歳とは思えない。とても薬に依存しないと身体がもたない病人には見えない。

とてもこの直後に死んでしまう人だとは思えない。

全身からエネルギーがみなぎっている。人間離れしたダンスは20年前より研ぎ澄まされている。美しすぎる歌声には全盛期といってよい艶がある。

こんなに素晴らしいパフォーマーがもうこの世にいないなんて,悲しすぎる。

でもその悲しさを補って余りあるくらい良い映像と音楽だった。

ロンドンに行かなければ見ることができなかったライブをこうして全世界で見られることになったのを感謝すべきなのかもしれない。

とにかく今は言葉がない。

不世出のシンガー・アンド・ダンサーの冥福を祈ります。

彼の遺志を誰かが受け継がないといけない。
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