2018/10/2  15:23

高校1年生女子に重要なお知らせ―公費によるHPVワクチン接種についてー  産婦人科診療

子宮頸がんの原因はHPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)であることがわかり、
子宮頸がんは定期的な検診で早期発見できるばかりか、
HPVワクチンで「ある程度」予防できるようになってきました。

2013年4月にこのHPVワクチンが定期接種化され、
小学6年から高校1年生の女子に公費(自己負担0円)で接種できるようになり、
「さあ、これからの女性は子宮頸がんで命を失うリスクが下がるぞ!」
「子宮頸がん検診を受ける間隔も安心して広げることができるかも?」
と期待してきたことは、このブログにもこれまで書いてきました。

例)2013年5月22日のブログ 


ところが、定期接種されると同時期に、
HPVワクチン接種後に体調不良を起こした方のことがテレビ等で報道され、
「副反応ではないか」という懸念が持たれたことから、
たった2ヶ月後、2013年6月に厚生労働省から「積極的な接種勧奨を差し控える」という通知が出ました。

あれから、もう5年以上の年月が過ぎました。

この5年の間に、様々な検証がなされ、
「副反応」とされる様々な症状は、思春期女子に起こりやすい症状で、
ワクチン接種を受けていてもいなくても、
同程度に起こっているという研究成果が複数発表されています。

また、副反応に対する懸念のために「接種勧奨を差し控える」という対応を取っている国は日本のみ。

本当に異常な状態が続いています。

日本で使われているHPVワクチンは、
HPVのうち特にリスクの高い16,18型の感染を抑えるもので、
16,18型だけを予防する「サーバリックス」と、
16,18型に加え、尖圭コンジローマの原因になる6,11型も予防できる「ガーダシル」の
2種類のみ。

海外では既に「ガーダシル9」と言って、上記のガーダシルが予防する4種に加え、
31、33、45、52、58型の計9種を予防できるものも発売され、
主流になっているのですが、厚生労働省はそれさえも認可を見送っています。
(日本での認可申請は2015年7月に行われていますが、既に3年塩漬け)

また、HPVは子宮頸がんのみならず、肛門癌や中咽頭癌など
他部位のがんの原因にもなることから、男子にも公費で接種する国が増えてきています。

そんな中、いつ大手を振ってワクチン接種をお勧めするか、
国(厚生労働省)の動きをずっと見守ってきましたが、
なかなか再開される気配がないのが非常に残念です。

ただ、「積極的な勧奨はしない」とされていても、
「定期接種から外された」わけではなく、
ご本人と保護者でよく考えて、納得して打ってくださいね、というもので、
各自治体に申請すれば、今でも無料で接種を受けることができます。

当院の所在する東京都中央区のHPVワクチンについての案内HPをご覧ください。

【必要部分を抜粋】
対象者;区内在住の小学校6年生から高校1年生相当の年齢までの女性
    (高校1年生の年度末まで、6か月以内に3回接種してください。)
接種費用;無料
対象ワクチン;子宮頸がん予防ワクチン(国内承認ワクチンに限る)

現在、接種の積極的な勧奨を差し控えているため、予診票等の送付は行っておりません。
接種を希望される方は、中央区保健所・日本橋保健センター月島保健センターで予診票等を交付しますので、母子健康手帳をご持参のうえご来所ください。
(抜粋ここまで)

高校1年の年度末までに3回接種を完了、ということは、
1回目を10月中に打たなければ完了できません。



「どうしたらいいのか、専門家と相談して決めたい」

という中央区民の方がいらっしゃいましたら、
まずは上記の区の窓口で申請をお済ませのうえ、受診予約をお取りください。


接種すべきか、見送るか、ご自身で(親御さんも含めて)判断していただけるよう、
できるだけわかりやすく説明させていただきます。


2013年当時、小学6年、中学1年だった女子たちの中では、
「ある程度、見解がまとまって積極的な勧奨が再開されるのを待つ」
と決断した人も多かったのですが、
彼女たちももう高校2,3年になり、定期接種の対象年齢を外れてしまいました。

将来積極的な接種勧奨が再開されたときに、この方々にも公費で保証がされるかどうかは
今のところ不明確です。
また、その間に性交経験があれば、ワクチンの効果が薄れてしまいます。

このワクチンは、半年の間に3回の接種が標準とされ、
自費で接種すると、合計5万円くらいかかってしまうものです。

せっかくなので、公費負担の間に考えたい、という方。
是非、ご検討ください。

※東京都中央区以外にお住まいの方は、
 「〇〇市・町・区、子宮頸がんワクチン」
 で検索を書けると、各自治体のHPはヒットし、要項が載っていると思われます。
 そこに載っているワクチン実施医療機関に問い合わせされることをお勧めします。


【追記】
半年間に3回接種が必要、と書きましたが、
米国疾病予防管理センター(CDC)のガーダシル®9接種に関する現行の推奨は以下の通りです。
・11〜12歳の小児は、HPVワクチン接種を6〜12カ月間隔で、2回受けるべきです。
 (この2回接種の間隔が5カ月未満の場合、3回目の接種が必要)
・HPVワクチン接種に対する推奨事項については、将来変更される可能性があります。
・HPVワクチンは26歳までの女性と21歳までの男性に対して推奨されます。
・15歳以上で初回接種を受ける場合は、6カ月の間に3回接種を受ける必要があります。
・HPVワクチンの有効な一連の接種を終えた人は追加接種を受ける必要はありません。
※参考サイト https://www.cancerit.jp/38616.html
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