2014/9/7  21:20 | 投稿者: 江夏 亜希子

これまで避妊リングとして使われてきた「レボノルゲストレル放出避妊システム(LNG−IUS)『ミレーナ52r』」が、ついに、過多月経の治療薬として、保険承認されました!!
(2014年9月2日より)

それに伴い、挿入費用は保険3割負担で1万円前後になります。
(保険診療は、初・再診料、併用したエコーや挿入手技・処置料、指導・管理料、夜間診療加算などが個々に加わってきますので、正確な金額はここに書けませんが、目安としてこのくらいになります。)

これまで、当院では挿入時68000円(診察料、エコーなどの検査料、手技料など込)でしたので、これは助かりますね〜。

過多月経があり、OC(低用量ピル)/LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)を使ってきたアラフォーの方、また副作用が出た、前兆のある片頭痛や喫煙などのリスクがあってOC/LEPが使いづらかった方には大きな福音になりますね。

実は、今年の初めころから「保険が通るらしい」という話で、時期を待っている状態でしたので、当院に通院されている方にはずいぶんお待たせしてしまいました!


例の血栓騒ぎ(詳細はこちらこちらをお読みくださいね)以来、特にアラフォー前後の低用量ピルユーザーの方に対して、
積極的に黄体ホルモン療法への切替をお勧めしております。

OC/LEPの成分は、エストロゲン(エチニルエストラジオール)+プロゲスチンで、
血栓を起こしやすくする原因はこのエストロゲンにあります。
(上記ブログに記載がありますが、エストロゲンは女性のからだを守る一環として、月経や妊娠出産時の血液を止血させやすくする、という役割を持ちます。)

エストロゲンは子宮内膜を厚くする、いわば「アクセル」のようなもの、
プロゲステロンは、その子宮内膜をキープする、いわば「ブレーキ」のようなものなので、
「それならブレーキだけ踏んどけば?」
というのが、黄体ホルモン療法の考え方。

OC/LEPに含まれるエストロゲンは、脳からの卵胞発育(排卵の準備)を抑制するため、自身の卵巣からの排卵やエストロゲン分泌を止めてしまいますが、
黄体ホルモン療法は、子宮内膜をキープするブレーキを踏んでいる状態なので、自身の卵巣からの卵胞発育とエストロゲン分泌は起こりますが、内膜が厚くならず、いわば「煎餅布団」のような状態+おりものが黄体期状になるので、高い避妊効果を得られます。
そのかわり、卵胞発育が止まらないため、まれに卵巣機能性嚢胞(卵胞が破裂せずに残って腫れてしまう)が起こったり、内膜が薄い分不正出血を起こしやすい、というのが問題点になります。

ミレーナは、子宮内に、5年間かけて黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を放出させる小さな装具(従来、避妊リングと呼ばれていたもの)を置いておくというものです。
5年間入れっぱなし(毎日内服しなくていい)でよく、子宮周りにしかホルモンの影響はないと考えられるので、嘔気などの全身的な副作用はほとんどありません。
問題があるとすると、挿入時の痛み(子宮体がん検診程度で、痛みの強い人でも10分ほど鎮痛剤を飲んで横になれば収まります)、卵巣の腫れ、不正出血といったところでしょうか?
よほど問題がない場合、不正出血は最初の数ヶ月はダラダラ少量の出血が続く人が多いですが、半年も経つと月に2〜3日少量の出血があるのみ、2割程度は無月経になる、と言われています。

月経痛(月経困難症)に対しては、今のところ保険適応がありませんが、現在審議中とのこと。
認められたらまたお知らせしますね。

今回、保険適応になったことに伴いミレーナの仕入れ値が大幅に低下したことを受け、
避妊目的などで自費で挿入する場合の金額も改訂いたします。
(診察料、指導料、超音波検査、器具料、処方等込)
  初回挿入時                旧¥68000 → 新¥50000
  入替え(当院で挿入した方のみ)      旧¥65000 → 新¥45000
  再挿入(当院で挿入し、自然脱落した場合) 旧¥40000 → 新¥30000


なお、子宮内膜近くに筋腫がある方、子宮腺筋症で子宮が大きく腫大している方(目安としては前後径7p以上)には、自費でも保険でも挿入できません。
その場合は、他の治療法を提案いたします。

黄体ホルモン療法としては、
子宮内膜症と診断されている方には、内服薬のジエノゲスト(ディナゲスト)、
内膜症の診断はされていない、または高価なので使いづらい、という方にはノルエチステロン(ノアルテン)をお勧めすることが多いです。
そのほか、偽閉経療法(GnRHアゴニスト)や止血剤など、また手術など、
その方に合った方法をご提案します。

ご興味のある方はお気軽にご相談くださいね!

※ミレーナをすでに挿入中の方のための情報サイト https://www.mirena.jp/index.html




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