2005/3/5  22:04 | 投稿者: Author

 今日の私の診療は午前診のみだったので、終わった後久しぶりにまだお日様が上っている時間に街をぶらぶらすることが出来ました。
 で、春らしいお花が意外と安くで店先に並んでいたので買ってきて部屋に飾ってみました。一気に春がきたような・・・やっぱりいいですね。東京に出てきてもうすぐ半年。そういえば花を飾る余裕もなかったような・・・。大事ですね、こういうの。ちょっと反省しました。
 切り花を買ってきて飾るときにいつも思い出すのはおばあちゃんのこと。私はかなりの「おばあちゃんっ子」で、子供の頃はよく祖母の家(歩いて15分くらい?)に遊びに行っていました。祖母はお花が好きで床の間と仏様の前にはいつも綺麗なお花が飾ってあり、お花を生けるときには「水あげ」の仕方をいつも教えてくれました。「長さを切りそろえるときには、断面が斜めになるように切ると、吸い上げる表面積が大きくなる」とか「浸透圧の関係で、切り口には塩やホウ酸をつけておくと水をしっかり吸って長持ちする」とか・・・。一つひとつの動作に無駄がなく、すべてに意味があり、その根拠を教えてくれました。私のものの考え方には、おばあちゃんの影響が多大にあるんだろうなあ・・・なんてことを花を生けるたびに思い出します。
 医者になりたかった祖母は女性であるがために反対され、江夏家に嫁ぎました。戦争で早くに旦那さん(祖父)を亡くしながらも、8人の子供を立派に育て上げた人でした。「自分に気性も体格も似ているから」と、私のことをとにかくかわいがってくれました。私が医学部に入った時、誰よりも喜んでくれた彼女は、その年の暮れ、突然亡くなってしまいました。あの冬からもう15年。今の私を見たらなんて言うのかな?都城弁ばりばりで、「あんたはよくがんばいやったね〜」ってにこにこふくよかな笑顔を見せてくれるでしょうか?・・・きっとどこかで見守ってくれてますよね。
 大好きなおばあちゃんを思い出すためにも、お花を買っていけるくらいの余裕はなくしちゃいけないと思いました。

 写真は、今日飾ったお花。後ろにあるのは私の大好きなピカソの絵、「Maternity」。国立米子医療センターの授乳室にも飾ってもらってますか?
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2005/3/5  0:55 | 投稿者: Author

 今、テレビのニュースでかなり気になる話題がありました。
 現在開催中の国会で、自民党のある女性議員が、実際に使われている性教育の教科書に問題があると、それらの教科書のコピーを提示して全国的な性教育の実態調査を求めたというもの。それを見た首相の言葉は・・・「私たちの世代は性教育など受けていませんが、このような知識は自然に身に付くもので、教育として教えるものではない」ですって。
 きちんと教育されないまま、「男性本位」の知識が横行しているがために、つらい思いをしたり、困って産婦人科に駆け込んでいる女性がこんなにいることに気づいていないんでしょうか?その女性議員も、同じ女性として「弱者」の声に気づかないのでしょうか?
 首相の世代はもちろん、「男女平等」という教育を受けた私の世代でさえも、性的な話になると急に「女性は受け身」という考え方になってしまう人が本当に多くて驚きます。外来でも「排卵日を知らない」どころが「自分の月経を覚えていない」大人がたくさんいて、正直、頭を抱えています。女性には性的な決定権がないと教育されてきたのか、避妊を男性任せにしてしまい、傷ついている女性がたくさんいるのです。
 私の世代よりさらに氾濫する性情報の中にいる今の若者たちはどうなるのでしょうか?特にそれらの性情報のほとんどは「男性の視線」で語られているものです。例えばアダルトビデオでは、妊娠のメカニズムはもちろん、避妊の仕方や、性感染症の恐怖など負の情報は語られる訳がありませんから、望まない妊娠で女性の心や体がどれだけ傷つくのか(もちろん妊娠させた男性も傷つかない筈はないのですが)、性的に服従を強いられる女性の屈辱感など、それによって傷つく人がいることなど全く描かれていません。それなのに、アダルトビデオはまるで「セックスのマニュアル」のように捉えられている現状。「ビデオのように扱われてすべての女性が喜ぶのか、傷つかないのか?」答えは「NO!」でしょう。
 どの知識が正しく、どの知識が間違っているのかをきちんと教えて、自分で情報を取捨選択する力をつけてあげなければ、望まない妊娠や性感染症はもちろん、「援助交際」などという一見綺麗な言葉で飾られた性犯罪の被害者・加害者が増えることは目に見えています。
 正しいこと、本当のことが書いてある教科書を見て、「どぎつい」とか「まるでポルノ」とかいう感想は、きっと「そういう先入観」で見ているから出てくるものだと思います。テレビの報道では「行き過ぎ」と断定していましたが、そう感じるかどうかは情報を受け取る人の感性の問題なので、視聴者の感想を誘導するような報道の仕方にも問題があるのではないでしょうか?
 少なくとも、若者の性の現状に危機感を感じて、頑張っている全国の学校の先生方や、もちろん私たち産婦人科医師は、「知識こそが身を守る」ということを確信しています。いわれのない「性教育バッシング」に負けず、「傷つく前に必要な情報を過不足なく伝える」のが私の使命だと思っています。
 毎日の外来で、一人一人に正しい性情報を個人授業する日々は、これからも当分続きそうですね・・・。
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