前回の続きですが、それに関する私の
旅の思い出をちょっとお話しさせて頂きます。
私が今まで旅行した
81か国の中で
あんな個性的な国はありませんでした!
だって、
すごい地味〜 なんです。
何が!?
ピザが
はぁ〜!?
ピザ屋さんはたくさんあるんですよ。
でもどのお店を覗いてもピザの上には
超シンプルに
オニオンだけとか、
ツナとか
キノコだけしかのってないんです。
ね!
ジミでしょう〜!?
ピザの上にはベーコンとかハムやソーセージなどの
赤みがないと
盛り上がらないじゃないですか〜!
それでも、
この国にも
ちゃんとピザがあるんだ!という感動はありました。
もしかして経済的にとても
貧しい国!?
ってわけじゃないです。
でもピザがあるのは実は自然なことでした。
超閉鎖的なイメージがあったのですが、実は
超国際的な国なのですから。
だって
日本以外のあらゆる国々からの移民を受け入れて成り立っている国なんですから。
そんなに日本人がお嫌い!?
ってわけじゃないです。
3回も日本語で話しかけられましたよ!
実はあの国には
ピザの上にはベーコンをのせてはいけない!
という
オキテがあるんです。
国中でそれを守っています。
もっと正確に言えば、
乳製品と肉類を一緒に食べてはいけないのです。
それが
ユダヤ教の戒律だから。
はい、その国は
イスラエルでした。
肉と言っても
豚はイスラム教と同じく
ご法度。
牛肉の場合は
血抜きして宗教的な手続きを経た肉でないとダメです。
日本からの移民がいなかったのは、日本人のユダヤ人(ユダヤ教徒)がいなかったから。
イスラエルの旅行はなんとも印象深いことばかりでしたが、こんなこともありました。
数人の子供達が日本のパンみたいな、
柔らかいコッペパンにハムを挟んだサンドイッチを食べているのを見かけました。多分牛肉のハムでしょうけど。
「あれ美味しいのかな!? パサパサじゃないのかな!?」
って思って、買ってみたら
けっこう美味しかったんです!!
それに
懐かしかったんです。柔らかいパンとサンドイッチのお味が。
でも、
肉類にバターはダメじゃない!
って思いきや
なんと
マーガリンでした!!
そうか〜
マーガリンなら乳製品じゃないからいいんだよね〜!!
不思議な喜びと安心感。
その印象がもう強烈で、忘れようったってムリです。
肉料理といっしょに食べるパンも
バター入りはダメです。一緒に食べなくても肉料理の
食後のデザートのスイーツもバター入りや生クリーム乗せはダメ、コーヒーに
ミルクを入れるのもダメ。(6〜7時間後ならOk)だそうです。
だからパリのユダヤ人街、マレ地区には
ユダヤ教徒用のパン屋さん、お菓子屋さんが何軒かあって、全て
マーガリンで製造されています。そこのチーズケーキが好きで何度か買いました。
普通のパン屋さんのパンは普通はバターが使われますが、
普通のクロワッサンはマーガリンでしたよね〜
あれはきっと
ユダヤ教徒用かもしれませんね。本来は。
ところで
ユダヤ教の食に関する戒律はまだまだあります。
ウロコのない魚もダメなんです。
え!?
ウロコのない魚!?
イカやタコやエビのことです。(エビの殻はウロコと解釈して食べる人もいるらしい)。その他、
カニや貝類もダメ。
フランスは
ユダヤ系の人々がとにかく多い国ですが、その中で
敬虔なユダヤ教徒はそんなに多くはない様に思います。
ユダヤ系のフランス人の友達は何人かいますが、
全員ユダヤ教を信仰してませんし、豚肉を普通に食べたりしてます。抵抗があって食べれない人もいますが。ご両親はユダヤ教徒だったりもしますので、その場合は色々あったりするみたいですが、意外に自由です。
我が家の近くにはユダヤ教の教会、
シナゴークがあるので比較的ユダヤ教徒が多い地域なのですが、近所のフランス人の友達が同じアパルトマンの建物に住む敬虔なユダヤ教徒のことを呆れ顔で話してくれました。
ユダヤ教徒は
安息日の土曜日は
労働をしてはいけないそうなんですが、
電気も一切使わないそうなんです
。冬でも暖房も使わないし、冷蔵庫の電源も切る。電話もスマホもパソコンも使わないとか。
エレベーターも使えないのですが、
他人にボタンを押してもらって乗るのはOk。
友達の話だと、そのユダヤ教徒はある日(土曜日)、建物の入り口のドアの前にずっと立っていたのです。なぜ中に入らないのかな!?って思ったら
コードボタンを押すことが出来なかったので、住民の誰かが来るのを待っていたとか。
「信じられないでしょう〜!?」と私に言う彼女は、同じフランス人のそのユダヤ教徒より外国人である私の方がずっと同じ感覚を持っている近い存在に感じているんだと、妙に私は嬉しい気分になりました。
敬虔なユダヤ教徒は毎週土曜日、家の中で何をしているのかと言えば、
家族との談笑か、祈りか、読書か勉強だそうです。
ロウソクの灯りで。
ユダヤ人賢くなるわけですね〜
でも人によって戒律に対する厳格さは違うので、電気を使って料理をする人もいるそうですが。
そんな、文明を拒否した世界と現実を行き来する様な特殊な生き方をする敬虔なユダヤ教徒達はしばしば
差別の対象になってしまいます。ユダヤ教徒と知り合って自宅に招待したいと思っても、
「何を出して良いかわからないし、面倒だから招くのやめるわ。」
ってことになってます。一緒にフレンチやイタリアン(中華でも)のレストランに行っても彼らが食べれるものはかなり限られています。子供達もユダヤ教徒校に通わせる場合が多いです。給食の問題もあるので。
一緒に食卓を囲めないって致命的です!!
人と人を繋ぐのは食事です。
食卓を共にした回数が増えるほど仲良くなる。
そんな気がします。でもそれが難しいんです。ユダヤ教徒とは。イスラム教徒以上に。
ユダヤの神様は何をお考えだったか?知りませんが、
食の戒律って
他教徒と交わらせない為につくられたのでしょうか?ユダヤの血脈を守るため?
って思ってしまいます。
それでも、ユダヤ教徒も、イスラム教徒もヒンズー教徒もみんな仲良く一緒に食することが出来る
救世主的な肉があるんです。
それが、
鶏肉です!!
ケンタッキーやりますね〜!
ところで、数年前、体調が悪い時お世話になった女医さんに私は妙なことを言われました。
「あなたは日本人なんだし、もっとご飯を食べなさい。パンなんか食べなくても良いですよ!健康にはお米が1番!乳製品もコレステロールが高いから良くないです。」
と。
常識的なことなのかもしれませんが、フランス人がおかしなことを言うな〜って思ったのですが、
その時、
「あっそういえばこの方はユダヤ人だった」と気づいたのです。
お名前
(苗字)でわかるんです。
フランスにはユダヤ系のお医者様はとっても多いんです。もちろんユダヤ教徒だとは限りませんが。
そのお医者様方(皆が皆でないにしても)が患者さん達に
パンよりご飯を勧めちゃうのかしら!?
そうだとしたら・・
和食ブームを盛り立ててきたのは
アニメだとか、
純粋に健康食志向だと思っていましたが、
ユダヤ人もいた!!
って気づいたのです。
きっとそうに違いありません!!
夫がいる店にもユダヤ人はよく来られる様で、初めての方は
「イカ、タコ、エビは抜いて下さいね」とおっしゃっるそうです。
イスラム教徒の方もよく来られるそうです。
ユダヤ人が多教徒と食事を共にしなきゃならない時、
「日本料理にしませんか!!」
って言いそうです!
そう言えば、フランスに無数にある日本料理店の多くは日本人じゃないアジア人の経営で、日本人から見れば、
ちょっと違う・・といったものが多いのですが、まぁそれは置いといて、
その多くの店にあるのは
スシ(あんまりエビ、タコ、イカはない)、焼き鳥、焼き餃子です。乳製品はないし、パンもない。
全部ユダヤ人Okじゃないですか〜!!
もちろんイスラム教徒も。
でも餃子が問題!?
ご心配なく。餃子は
アジノモトの冷凍鶏餃子ってほとんど決まってます。
アジノモトやりますね〜
そう言えば、実は
ユダヤ人経営の日本料理店もフランスには少なくないのです!
この傾向は
フランスに限ったことではないと思いますし、今
イスラエルでも和食の人気はかなりのものだとか。
日本料理って、実は
超閉鎖的なユダヤ教徒さえも魅了し、世界中の人たちを繋ぐきっと世界で最強の料理だったのです!!
分断された人と人を繋ぐのは
文化の力です。
もっとも日常的で、もっとも多くの人が親しめる文化
それが
料理なんですね!!
とあらためて感動しました。
長くなりましたが、
最後まで読んで下さってありがとうございました。
巨大スーパー、
オーシャンの
ユダヤ食品コーナーです。
菓子類はほとんどがマーガリン入りだけど、バターもありました。バター食べれないわけではないですから。
因みに
日本食コーナー。
長い米があったりして、イイカゲンです(笑
スシコーナーは最も安くて人気なサーモンとアボガドしかなかったです。マグロもちょっとあるのかな?