人間の欲望は限りない…

2009/11/26  4:08 | 投稿者: akikoenat

明日(というか、もう今日)、朝にはいよいよ新しいクリニックの不動産契約。
それが済んだら、乳腺エコーを受けに病院に行き、
その後にはいつもの開業準備の打ち合わせ。

そして夜には、前から学会発表したりしてた「レボノルゲストレル付加子宮内避妊システム(ミレーナ)」の勉強会でお話させていただくことになっており、またこんなギリギリまでデータまとめとパワポ作りをしておりました。

一段落ついて、さあ寝ようかとしてたところで、携帯のテロップニュースが目に入り、胸がザワザワして寝付けなくなってしまいました。

代理母出産をされた女性が、記者会見をされたんですね。

ニュースによると、子宮の病気?で一歳のときに妊孕能を失った方で、実のお母様の子宮を借りて出産、赤ちゃんに恵まれたそう。
「子供に恵まれない女性の希望のために法整備」を望んでの勇気ある会見、というのが、大方のマスコミのムードでしょうか?
一般人の過半数が代理母に賛成しているとのアンケート結果も添えられて。

もちろん、子供さんに恵まれたご家族の幸せに水を差すつもりはさらさらありませんが、私は、これだけは絶対に賛成できません!

産婦人科医師として、妊娠・出産のリスクを十二分に理解した立場として、
たとえ実の母親だろうが、ましてや他人に、どんなに高額の報酬と引き換えにしてもが、そのリスクを負わせるなんて、ありえないルール違反だと思うからです。
今回はたまたま代理母をされたお母様にも赤ちゃんにも異常がなかったから結果オーライ!なんてものではありません。

自分自身も不妊の苦しみ(そんな大袈裟なものではない?)を味わっている途中の私でも、法律で代理母を認めるなんて、絶対に賛成できません!

生物として生まれてきたからには、子孫を残すのは最低限の権利で、子供に恵まれないことは「かわいそう」と思われがちですが、それはあまりにも短絡的過ぎると思います。

歴史上の偉人と呼ばれる人の中にも、実子に恵まれなかった人なんてたくさんいますが、その人たちが不幸だなんて誰も思わないし、逆に、母が私によく言う
「持たん子には泣かん」
という言葉ではないですが、子供に恵まれた人がみんな幸福になれる訳でもないでしょう。

何が幸せかって、自分の置かれた環境に感謝して、そのなかで精一杯自分の力を伸ばしていくことなのではないのかなあ…。

「もしかして、私は神様から子育ての苦労を免除された選ばれた存在なのかも?」
なんて、アホなことを思いつつ、ないものねだりをしても幸せにはなれないなぁ…って、ようやく自分の中で踏ん切りがついたところだったので、余計に胸がザワザワしてしまうのでしょう。

科学が進歩して、世の中が便利になると、なんでも手に入るような錯覚を覚えますが、その陰で大切なものもたくさん失われています。
私は、もちろん医学も含めた科学は、どんなに進歩しても踏み入れてはいけない領域があると信じています。
何故なら人の欲望には限りがないからです。
「欲しいものが手に入れられないとき、それをどう受け入れ、どう生きるのか?」
そこに人間としての真価が問われるのだと思います。
代理母を認めたからといって、すべてのカップルに子供が授かる訳ではありません。
不妊に悩む女性たちのために起こすべき行動は、もっと違うところにあるでしょう!
と、声を大にして私は言いたいのです!
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