オリーブってマズイって以前、私は思ってました。
美味しいオリーブに日本で出会わなかった為だと思います。
だからその印象がずっと尾を引いて、こちらでもしばらく、オリーブには見向きもしませんでした。それでもフランスではよく、食前酒のつまみとしてオリーブが出されるので、空腹にマズイものなしとはいいますが、その手でやられ、徐々にオリーブへの誤解を解くこととなり、今では、なくてはならない存在になりました。あんまり酸っぱくも、塩辛くもない、歯ごたえのあるグリーンオリーブは時に感動するほどの美味しさです。
ということで、つまみ用はグリーンオリーブに軍配が上がりますが、ブラックオリーブの方は調味料として素晴らしいです。料理に深みを与え、味を引き締めます。フランスでは煮込み料理やサラダなどで大活躍です。アンチョビーや卵やバターとも合い、パスタ料理にも重宝します。
オリーブは栄養価が高く(特にブラックは)、抗酸化作用のあるポリフェノールを含み、生活習慣病や老化を防ぎます。また、ビタミンD、カルシウムなどミネラルをバランスよく含み、さらに胃腸関係のトラブルも解消します。ブラックオリーブは料理に使う場合は出来るだけ液体に漬かっていないものにして下さい。場合によってはペースト状になっているものでもいいかもしれません。日本では手に入りにくそうですが、蓋を開けてからでもけっこう長持ちするので、ぜひ一度お求め下さい。
ブラックオリーブの魅力を熟知しているのがフランスではスペインの一部も含むバスク地方です。バスク料理の決め手はトマト、パプリカ、唐辛子、ブラックオリーブです。それで今回は南仏の伝統的な家庭料理、ラタトゥーユをバスク風で作るレシピをご紹介します。オリーブ手に入らなければ、なしで作ってみて(それでも美味)後日違いを確認してもいいかもしれません。
ラタトゥーユは個々の野菜が形を残しつつ、溶け合うくらいに煮込むことが大事です。熱くても冷たくても美味しいですし、ちょっと濃いめの味付けにして、焼いた鶏や魚のソースにしてもいけます。又、卵を加えてオムレツを作るのもいいアイデアです。
バスク風ラタトゥーユ
材料(2人分)
パプリカ(赤) 100g
パプリカ(グリーン) 100g
ナス 100g
玉ねぎ 100g
トマト(缶詰、汁も含めて) 200g
ブラックオリーブ 8〜10個
白ワイン(なければ水) 100cc
ローリエ(あれば) 少々
一味唐辛子 少々
オリーブオイル 適量
塩、こしょう 適量
作り方
1、 パプリカ、ナス、玉ねぎ、オリーブはそれぞれ適当に細かく切ります。
2、 なべにオリーブオイルを熱し、最初に玉ねぎを入れて透き通るまで炒めたら、パプリカ、ナスを加えてしんなりするまで炒めす。
3、 トマト、オリーブ、ローリエ、白ワインを加えて、20分ほど、トマトを細かくしながら水分がなくなりかけるまで煮込み、一味、塩、こしょうで味を整え、大さじ1杯のオリーブオイルを加え、良く混ぜ、火を止めて蓋をして冷まします。
* 暖めなおすか、冷やして召し上がれ。
* ニンニクを加えても美味しいです。
* 生のトマトを使う場合はトマトピューレかトマトジュースを加えた方が良いです。
前回の「ブルガリア風きゅうりサラダ」の写真、レストランで撮ったものだったので、変えてみました。一応見てみて下さい!