前回の続き
プロヴァンス地方には
「フランスでもっとも美しい村」に選出されている、実際美しい村々がありますが、選ばれないことをむしろ誇っているかのような
こんな素朴でひっそりした村、
ラコスト(
Lacoste)を訪れました。
その丘の上にはこれまた
ひっそりしたお城がありました。
廃墟みたいなお城ですが、
崩れていない部分もあって、部屋もいくつか残っていました。
このイタリア製(たしか)の金庫はなかなかのお値打ちものだそうです。
これはなんか
不気味・・・
ところで、城主はどんなお方だったのでしょう!?
ここの城主は
貴族であり、有名な小説家でもありました。
窓から素晴らしい景色や庶民の貧しい暮らしを眺めながら、執筆活動に励んでらしたのかしら!?と思いきや、違うんです!!
実際は
貧しい庶民も羨まない様な人生だったのです。
この城での生活は僅かな期間で、他は
フランス革命が勃発したとされている
バスティーユ牢獄で11年
マリー・アントワネットが処刑直前まで監禁されていた
コンシェルジュリーで1ヶ月、
ほとんど刑務所だった
ビセートル病院で3年
サンラザール監獄で1年
シャラトン精神病院で13年
で、
さらに我が町、パリ郊外のヴァンセンヌ市が誇る
ヴァンセンヌ城にもいたことがあるそうです!
牢獄だった頃に。
と言う凄まじい経歴を持っている貴族、
マルキ・ド・サド公爵でした。
おもな罪状は
虐待と放蕩。性的な犯罪です。
他人に苦痛を与えて喜びを覚える
サディズムという言葉の語源になっている人物でした。
サドの小説のほとんどは
獄中で執筆されたものだそうです。
背徳的、反宗教的なものが多く、長いこと評価されませんでした。
ところで、サドには
家族がいました。妻と2人の息子と1人の娘です。
妻は
20年も夫の出獄を待っていたそうです!
ということに興味を覚えて生み出された作品(戯曲)があります。
フランスでも人気な
日本人の、
三島由紀夫による
「サド公爵夫人」です。
実は私はよく知らなかったのですが、面白そうですね。
サドの小説(こちらも良く知らないのですが)は人間のネガティヴな部分をポジティブに捉えた?みたいな印象があって、その当時(18世紀)の退廃的な世の中を描写したという点では価値があるのかもしれませんが、読むのはちょっと・・ですが、
興味はあります。
でも
三島由紀夫の作品は次元が違う!
ってイメージです。
因みにこの城の
現在の城主は有名デザイナー
ピエール・カルダン氏だそうです。
サドがお好き!?
なんでしょうね〜
次は遠くに見える
あの村に行きます。
来ました。
ボニュー(
Bonnieux)という村です。ここも「フランスの美しい村」には入ってません。
先ほどの
ラコステの村が見えます。
サド侯爵のお城が見えます。いえ、ピエール・カルダンでした。
こんな畑に来ました。
左右は何の畑!?
ラベンダーです!
この辺は所々に
ラベンダー畑がありました。
着きました! あのお家に。
前はラベンダー畑でした。
レストランでした。コロナ対策か、屋外しかお客を入れてませんでした。
プロヴァンス・サラダ。 ヒマワリの種がいい感じ!
牛フィレ肉とマシュポテト。
地方は量が半端じゃない〜!!
ですが、肉が意外に柔らかいのと、このクラシックさに満足しました。
私の好きな
カフェグルマン
数種のスイーツにコーヒーが付いています。
ところで、
今回の
民宿(シャンブル・ドット)はこちらです。
プール付きだそうですよ!!
それにしては
こじんまりしてますね。
前回よりちょっとだけお高いです。
私たちのお部屋はこの階段の上だそうです。
こちらです!
前回の宿より狭いけど、悪くないかな。
キッチンが付いてます。なんか落ち着きます。
外の
テラスからの景色です。
ところで
プールは!?
ありました!!
トラディショナルに
コーヒーにパン、フルーツ、パンケーキ・・・
甘いものばかりで、今どき珍しい朝食です。
私は朝食は
甘いものはなくても良い派ですが、
美味しかったし、たまには良いかな。
また、
朝食は宿主のマダムとお話ししながら。
というこれまた珍しいパターン。
部屋は二部屋だけで今回は私たちだけでした。
マダムはフランスの北東部ロレーヌ地方出身だそうですが、プロヴァンス地方がとっても気にいっているようです。でも、
フランスはどの地方もそれぞれの美しさ、美味しいもの魅力があって、どこを旅しても楽しいですね。
って私が本当にそう思うことを言ってくれました。
この宿って
こんな素敵な町の近くだったのです。
美しい川のある風景で、
でも他にもありそうな普通とも言える川ですが、
この右には!
こんなフツーでもない
岩山があって、
あの中は彫られていて
、覗くと
仏像かマリア像が安置されていそうな
雰囲気ですが、
どなたもいません。あの凹みは彫られてもいません。
これはまったくの
ナチュラル岩なんだそうです。
スィストロン(
Sisteron)という町でした。
ここは人口が2000人以上なので「
美しい村〜」には選出されませんが、
フランスには
美しい村々、町々は無数にあります。
南仏はこんな、
岩がむき出しになっている丘が多くて、そこが日本とちょっと違いますね。
良〜く見ると向こうにまた
ラベンダー畑が見えます。
でも、もう
プロヴァンス地方ともお別れ。
次の目的地に向かいます。
次回に続く