私が夫と結婚したのは14年前だった。
14年って改めて思うと結構長い。
現在は小4と小1の娘が二人いる。
最初はそれでも普通の夫婦でいた私と夫の関係が
おかしくなったのは6年前のある事件がきっかけだった。
夫の人間関係のトラブルが原因で、ある日相手が夫の留守
中に自宅にどなりこみにきた。
夫が留守なので、連絡をとってこちらから連絡すると告げる
と、相手は自宅のドアを物でたたき、ノブをガチャガチャ
ならし、わめきちらした。
夫にすぐ連絡すると夫は友人と飲んでいて、「ほっとけ」
と言った。
だけど、それは夜9時すぎに始まり、1時間ちかく続いた。
相手が興奮して尋常な状態じゃなかったので、こわくて
インターホンで対応していたが、さすがに近所にも迷惑だと
思い、警察を呼ぶことにした。
夫は友人と飲んでいたが、いいかげん帰ってきてもらった。
警察がきて、相手が帰ってからも一晩中無言電話がひっきり
なしにかかってきて、次の日には子供に対して脅迫めいた
電話もあった。
相手が帰ってから、夫からは謝りの言葉はなかった。
私は本当に怖かったのに。
次の日から、子供を連れて実家に帰ったが、相手が同じマン
ションの住人だったので、とりあえずそこは引っ越すことに
して、引越し先を探すため、二週間くらいしてから下の娘だけ
連れて自宅に戻った。
だけど、自宅近くの駅に着くあたりからその怖い思いがよみ
が
えってきて、めまいがした。
最初は気のせいかと思った。
夫が迎えにきて車に乗ったが、自宅が近づくにつれ、さらに
強くなった。
マンションに着き、エレベーターに乗り、降りたとき、
足が震えて一歩も前に出られなくなっていた。
夫は先にすたすた歩いていってしまった。
怖いのと悲しいのとで涙がぽろぽろこぼれた。
しばらくすると、エレベーターホールまで夫が戻ってきたが、
私の腕をわしづかみにして、自宅まで引っ張っていき、私を
玄関まで入れると、
「そんなにいやなら帰ってこなくていいよ」と言った。
耳を疑ったが、夫は平然として自分の部屋に向かい、
私は私のなかで何かががらがらと崩れていくのを感じた。
私が感じた恐怖だとかは、もしかしたらその場にいなかった
からわからないのかもしれないけど、その言葉がでてくる
ことが理解できなかった。
本当にその時私はまだ恐怖に震えていた。
自宅に入っても、その時のことが思い出されて本当に怖くて、
私は台所で下の娘を抱いてうずくまることしかできなかった。
それから3〜4時間くらいしてからだろうか、話そうとすると
言葉が思うように話せなくなってしまった。
簡単にいうと、どもりがある状態で、今までそういう状態にな
ったことは一度もないので、早く病院に行ったら早く治るかも
しれないし、なにより、どうしたら早く治るのかが知りたかった
ので、夫に病院に行きたいと伝えると、
「そうなったのは(私が)弱いからだ、病院に行ったってしょう
がない、自分で乗り越えろ」という返事が返ってきた。
私は返す言葉も思いつかなかった。
一番力になってほしかった。
頼っちゃいけないんだって思った。
絶望感でいっぱいになった。
つづく

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