小学校三年生の下の子が持ってきた社会科のワークプリントを見て、思わず声を出して笑ってしまった。
タイトルは、「町たんけん」。
商店街や交番、消防署、工場などの点在する町並みのイラストがカラーで描かれている。
そして設問は、
「あなたの学校の近くには、この絵のなかの何がありますか」
というもの。
下の子の答えは……「ありません」のひと言。
友だち同士で丸つけをしたとかで、赤鉛筆で力強く「○」がつけられている。
そうだよね、ここは田舎だもの。
かろうじて商店はあっても商店街はないし、住民有志による消防団屯所はあっても消防署はない。精米所はあるけど、うーむ、あれは工場と言えるのだろうか?
子どもなりに考えた結果が、「ありません」の答えだったに違いない。
ワークを作っているのは東京の出版社なのだろうが、さりげなく「麦畑」とか「用水路」を描き込んだ「田舎バージョン」があってもいいと思った。
そんなことを話しながら、下の子とそのワークプリントを眺めていて、私がひとつだけ回答を見つけた。
「あっ、信号ならあるじゃない!」
「あ、ほんとだ。信号って書けばよかった」
しかし信号だけじゃ、やっぱりちょっと寂しいような……。