理想とされる便の水分量は
“70〜80%”ですが、80〜90%になると
「軟便」、90%を超えると
「下痢便」の状態となります・・・。
1か月以上続いている・・・。
3週間以上続く“下痢”を
「慢性下痢」と定義する。
この2歳馬の臨床症状は・・・
“水様性の下痢” “発熱症状なし” “食欲正常”
“腸蠕動音正常” “疝痛症状なし”
“体重増加なし(2歳馬なのに・・・)”
血液検査所見は・・・
T.P. 6.2g/dl A/G 1.14 GOT 725IU/l GPT 25IU/l
Na 141mEq/l K 3.5mEq/l cl 113mEq/l
WBC 7,000/μl RBC 855万/μl
Ht 35.5%
“ばんば”達の下痢・軟便といったら、まず思いつくのが
“Carbohydrate Overload”である。
所謂、
“濃厚飼料の食わせ過ぎ!!”
早速、濃厚飼料の量を減らして見たが・・・
“改善なし”
続いて、
“虫下し”をかけてみた・・・
“改善なし”
止瀉薬として、
「パーロンK」
(成分は【
クレオソート:腸管運動正常化タイプの止瀉薬。腸の蠕動運動を正常化し、腸管内の水分分泌を抑制、水分吸収を促進】
【
アクリノール:腸内殺菌剤】
【
ケイ酸アルミニウム:胃粘膜保護】)
を投与してみたが・・・
“効果なし”
この期間、乱れた腸内細菌叢のバランスを整えるために乳酸菌製剤も与えているのだが・・・(整腸剤は下痢の症状を改善するものではないので、止瀉薬と併用)
なんて病気なんだろう?
こんな病気も考えた・・・
Infiltrative Bowel Disease(浸潤性腸管疾患)??
消化管の粘膜・粘膜下に多量の正常な・または腫瘍性の好酸球、リンパ球、マクロファージ、形質細胞、好塩基球が浸潤する病気。
「Current Therapy in EQUINE MEDICINE 5・6」には4つのタイプのIBDが紹介されている。
肉芽腫性腸炎(Granulomatous Enteritis) :特徴的な臨床病理所見として低蛋白血症と貧血。組織学的に人間のクローン病に似ていると言われている。
リンパ性-形質細胞性腸炎(Lymphocytic-Plasmacytic Enterocolitis) :体重減少!!が主訴。または下痢・疝痛症状。
全身多発性上皮親和性好酸球症(Multisystem Eosinophilic Epitheliotropic Disease) :腸管だけでなく他の臓器にも好酸球が浸潤。落葉状天疱瘡のような皮膚炎が見られる。)
特発性局所性好酸球性腸炎(Idiopathic Focal Eosinophilic Enterocolitis) :主訴は疝痛症状。下痢の症状はない・・・
低蛋白血症、疝痛症状や皮膚炎が認められないこの子は違う。
胃カメラを覗いたら・・・。
潰瘍はあった。しかし、もっと気になったのは12時間以上絶食しているのに、胃内容物が排出されていない。
人間で言う
“機能性胃腸症”ということもあるのかな?
でも、下痢の症状はないはず・・・。
獣医の先生方、私にヒントをください。答えこみで・・・

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