2009/10/28

知的幸福の技術  

・「知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語」
著者:橘玲
出版:幻冬舎文庫

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「幸福」という意味では、本書が基本的に主張しているのは、
「経済的に安定し、そのことによって自由を獲得することが前提となる。ただ億万長者になるような必要はないし、億万長者が幸せとは限らない」
といった感じだろうか。
この主張そのものは、別にラディカルなものではないだろう。

ただその「経済的安定」を得るために何をすべきか(あるいは何をすべきでないか)、「自由」を獲得するとはどういうことか。

ここら辺を具体的に語るとき、著者は経済的合理性を徹底する。
つまり著者はバリバリのリバタリアンであるわけだ。
その視点から描かれる「幸福論」はひどくシニカルな印象になる。
そして著者が語る「事実」。
それはある意味「むき出し」の印象があり、それをそのまま受け取ることに、僕は居心地の悪さを感じてしまう。

まあねぇ。
言ってることは間違ってないとは思うよ。
「経済的合理性」を徹底すれば、確かにこういうことかもしれない。
でもその末に僕が思うのは、
「経済的合理性を徹底したところで、僕は生きていけそうもないな」
ってこと。
例えば著者は健保の民営化を主張するが、そのモデルである米国の現状を思うと、「ちょっとなぁ」って感じになっちゃうのだ。

とは言え、何もかもを規制し、コントロールできないことも確か。
年金に関する著者の主張などは、耳に痛いが、避けて通れない「事実」という気がする。
そういう意味では、求められるのはこの間のどこかってところかなと思う。
スッキリとはしない。
しかしそれが政治であり、人生ってもんだろう。

解説で小幡績氏が著者の文章を「潔い」と評している。
僕も同じ印象を持った。
著者が語る潔いが居心地の悪い話は、しかし非常に刺激的である。
賛同するにせよ、否定するにせよ、一つの「見方」として、こういう考え方を知ることは非常に意味のあることだと思う。

なかなか面白いよ。





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