2009/9/14

幸福の方程式  

・「幸福の方程式 新しい消費のカタチを探る」
著者:山田昌弘、電通チームハピネス
出版:ディスカバー携書

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何かスピリチュアルっぽい題名だが(笑)、著者の一人「山田昌弘」氏は、「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」などの新たな視点で社会を分析してきた有名な社会学者。
本書は「幸福」について、哲学や宗教、思想的な視点ではなく、「消費」という切り口から分析し、現代における「幸福のあり方」、そこから見えてくる、今後の「消費」と「幸福」の関係を論じた作品である。

本書では、「幸福」と「消費」の関係を、ポーランドの社会学者ジグムント・バウマンの考えに基づいて整理している。

<一人当たりGDPが一定水準に満たない場合は「不幸」だが、
それが一定水準を超えると、一人当たりGDPと幸福度の間に関係はみられなくなる>(P.21)
<幸福を生み出すと期待される商品を買い、消費することが、
近代社会の幸福の基本である>(P.25)
<近代社会における貧困というのは、「買い続けることができなくなった状態である」>(P.25)

そこから日本の戦後を、
戦後から80年ごろ=「家族消費の時代」
80年以降=「ブランド消費の時代」
と分類、更にバブル崩壊後の現代はこれも行き詰まり、新たな「幸福のストーリー」が求められていると整理する。

その新たなストーリーを「幸福の五つの鍵=時間密度、手ごたえ度、自尊心、承認、裁量の自由」から、
「自分を極める物語」
「社会に貢献する物語」
「人間関係のなかにある物語」
として分析し、さらに今後の「幸福」のあり方として、その向こうに「究極の消費としての仕事」という考え方を提示している。
(ものすごい駆け足だけど)

この分析のところが物凄く刺激的。
以前読んだ「シンプル族の反乱」にも通じるところがある内容なんだけど、こっちのほうが「構図」としては頭に入りやすく、色々と考えさせられた。

一方で「究極の消費としての仕事」ってのはどーかなーとも思っている。
いや「仕事」がそういうもの(あるいはその可能性があるもの)なのは凄く納得感があるよ。
しかしそういう「仕事」のあり方が、社会においてメインストリームとなりえるのか?
現在の雇用情勢を考えると、結構厳しいように思うんだよね。
(またそういう考え方が、「現状維持」「現状追認」に使われちゃうような気もする。
「派遣社員でも充実して仕事をするようにすればいいのだ」
とかね)
勿論、そうあるように社会が変革されていけば一番いいんだが・・・。

まあともかくも刺激的な作品であることは間違いない。
薄いけど、内容のボリュームはあるよ!







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