名曲、「あの素晴らしい愛をもう一度」の作曲者、加藤和彦氏(62)が、今月17日、長野県軽井沢町のホテルで首をつって死亡しているのが見つかった。自殺と見られ、遺書も2通見つかっていると言う。前妻でソプラノ歌手、中丸三千繪さんは、“最後の妻”として、ありし日の加藤氏を偲んだ。
加藤氏は2番目の妻で、作詞家の安井かずみさんと94年に死別後、翌年の暮れに中丸と3度目の結婚。熱愛の末、結ばれたが、2000年に離婚した。5年間、夫婦として生活を送った中丸さんは、「たぶん、あんな優しい男性は世界中を探してもいません。形だけの優しさではなくて…。たとえば、彼が家にいない時、私が帰ってくると、部屋の中に『おかえりなさい』などと書かれたメモ用紙が何枚も張ってあるんです。」などと述懐。恋愛時代、イタリア・ミラノを拠点に活動していた中丸さんとの電話代に月70万円も費やしたとか。
加藤氏と言えば、1968年、ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーとして、最初のシングル「帰って来たヨッパライ」が大ヒット。「おらは死んじまっただ」と言う出だしで、独特なメロディーと歌い方が魅力だった。素人集団ながら、ミリオンセラーとなる大流行となった。ソロ転向後も、北山修と連名の「あの素晴しい愛をもう一度」が大ヒットしたのである。「帰ってきたヨッパライ」をYou Tubeから聞いてみよう。
http://www.youtube.com/watch?v=6-O24msoOac
また、「あの素晴らしい愛をもう一度」も、加藤氏が実際歌っている「動画」で、聞いてみよう。「ウクレレ」を奏でながら歌っているのが、加藤氏だ。
http://www.youtube.com/watch?v=PJBabEc22gk&feature=related
北山修氏の作詞が、失われたものへの愛惜を歌っていて、聴く人の胸を打つ。
自殺の引き金を引いたのは、「うつ病」だと報じられている。「うつ病」をインターネットで検索してみると、『うつ病の症状は、基本的に[1]うつ気分、[2]生命活力の減退による意欲・行動の障害、[3]悲観的な思考障害、[4]種々の身体症状の4つの症状群に分けることができる。』とある。加藤氏の場合、このどれに該当したのだろうか。報道によれば、氏は、入院中の母親の介護に疲れていると漏らしたこともあったと言う。また、最近、連絡を取った別の人の話では、加藤氏は精神的に不安定な状態で、「音楽を書けない」と悩んでいたと言う。
家庭的に離婚を繰り返し、必ずしも恵まれなかった芸術家。一時期、世間的に大成功を収めたフォーク歌手。ブームが去って忘れられようとしている音楽プロデューサー。才能の枯渇に戦く作曲家。その為身体的にも心理的にも種々の変調を来たしていた優しい人。多分それぞれが複合的に加藤氏を襲ったのだろう。惜しんでも余りがある。『あの素晴らしい歌をもう一度』と言いたい。

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