最近、暴力事件の報道が多い。その中で目を引くのは、公務員とか公務員に準ずるような人達の事件である。例えば、広島の少年院での法務教官による収容少年への暴行事件がある。4人の教官が少年同士を殴らせようとしたり、全裸で抱き合わせたりするなど矯正教育を逸脱した行為を繰り返していたそうな。昨年11月から暴行が増加、内容もエスカレートしていて、「誰が見ても虐待と言えるもので、極めて悪質だ」として、特別公務員暴行陵虐容疑でさらに調べを進めると言う。これは、少年院と言ういわば密室で、教官と言う権力者が、立場の弱い少年を虐待していた事件であり、許される事ではない。
また、千葉県松戸市では、新規採用の訓練中の新人消防士に1万回の腕立て伏せなどのしごきをしたとして、市消防局は先日、幹部ら11人を減給などの処分にしたと発表した。余程のしごきだったと見えて、訓練に参加した消防士10人のうち5人が相次いで退職する事態となったと言う。松戸市消防局によると、訓練は2005年度に採用された消防士10人に06年3月から約2か月間、市消防訓練センターで行われた。指導職員が、「訓練中にヘルメットを外した」と新人にコンクリート上で約1時間正座させたり、「代わりはいくらでもいる」「ぶっ殺してやる」などの暴言を吐いたりした。さらに、訓練中に「ここを辞めろ」と強要された新人は、休日に呼び出され、腕立て伏せ1万回を命じられた。800回以上続け、力尽きたと言う。消防局長は「パワーハラスメントやいじめがあったと受け止められても仕方がない。」と謝罪したが、旧軍隊を連想させるこうした扱きは、上下関係の厳しい部署で、おきやすい。
立場の弱い者への暴行事件も、しばしば起きる。ホームレスの男性を鉄パイプで襲い、重傷を負わせたとして、警視庁や小松川署は、傷害と暴力行為法違反(集団的暴行)容疑で、江戸川区の区立中学3年の男子生徒及び同級生ら4人を補導した。生徒達は容疑を認め、「追い掛けてくるのが面白かった」と説明。昨年11月からホームレスに石を投げるなどし、この男性も4、5回襲ったという。この男性被害者は、脳挫傷などの重傷を負って入院した。「弱い者苛め」の悪質な生徒達は、近くの高速高架下で寝ていた男性にコンクリート片を投げ、追い掛けてくると、「死ね」「生きている価値がない」などと言いながら角材をぶつけ、顔に消火器を噴き付けるなど30分間にわたり暴行したこともあるとか。多分こうした生徒達も、何らかの鬱憤を抱え込んでいたのだろう。
鬱憤と言えば、つい昨日の2日午後10時半ごろ、神奈川県鎌倉市のJR東海道線の大船駅下りホームで男性会社員2人が口論し、東京-小田原行き快速列車に接触し、2人は頭部を強打し、即死したと言う事件があった。新聞によれば、ホームで口論していたのは、横浜市在住の会社員(42)と同県藤沢市の会社員(54)であるらしい。下車しようとして、両者の肩がぶつかり合い、口論から掴み合いの喧嘩になったとか。飲酒していた形跡もある、と言う。それにしても、分別盛りのよい大人が、何と言う「愚かさ」だろう。人生の最も充実した時期、職場で家庭で、頼りにされている人が、一時の怒りに任せて命までも落としてしまう。「すみません」と笑顔で応対すれば、何のことはない。私など、直ぐに謝ってしまう。良いとか悪いとかの問題ではない。それが平穏無事の秘訣なのだ。

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