昨日、衆院では、「臓器移植改正法(A案)」が、賛成多数で、可決された。他にB案、C案、D案とあったが、最初のA案の採決で、決まってしまったわけである。新聞では、良く分からなかったので、インターネットで各案を調べてみた。しかし、残念ながら、法律的な言い回しが多く、難しい表現で、はっきりとした違いは分からない。例えば、可決されたA案の核心部分は、以下の通りである。
「死亡した者が生存中に臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該臓器の摘出について書面により承諾しているときに、医師は、当該臓器を移植術に使用するために死体から摘出することができることとするとともに、移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思を書面により表示している者又は表示しようとする者は、その意思の表示に併せて、親族に対し当該臓器を優先的に提供する意思を書面により表示することができる」
これが新聞解説だと「『脳死は人の死』と定め、子供からの提供にも道を開く」ものだそうだ。従来は、臓器を提供する要件として、本人が生前に書面で意思表示し、家族が同意することを義務付けている。また、15歳未満は民法の遺言能力がないとして、提供を認めていないのだ。要するに年齢条件等を外し、臓器移植がより広く普及するよう、立法化したということらしい。
東大医学部出身の和田氏は、そのブログ「テレビで言えないホントの話」の中で、「多くの移植待ちの子供をもつ親たちが大喜びしているようだ。もちろん、この中の何人かは救われるだろう。しかし、みんなが救われるような幻想をふりまくのはどうかと思う。」と述べ、「実際、現時点でも脳死心移植は多い年で年間10例。とてもではないが、希望においついていない。そこで、子供にもドナーになってもらおうということだろうが、交通事故も減り、海外のように銃による犯罪の少ないこの国で、まず子供が脳死になることがきわめて少ないだろう。その上、脳死というのは体も温かいし、心臓も動いている。事故か何かでそんな状態になった子供を移植のために提供できる親がどれだけいるのだろう。」と疑問を呈している。
それよりも、今回の採決で画期的なことは、政党による「規制・拘束」を外した為、与党、野党を問わず、各人が、自分の裁量で投票した事である。今朝の「朝日」朝刊には、衆院全議員のA案への「○×」が、載っている。驚いた事に、自民党も民主党も公明党も、党首と幹事長、代表と幹事長の判断が異なっている。「投票総数430、賛成263、反対167」。 賛成したのは自民党が、67%の202人、民主党は37%の41人、公明党は39%の12人、だそうだ。社民党は全員が反対に回った。問題が「人の死」に関わる微妙なものだけに、参院での、更なる慎重審議が、望まれる。

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