日本を代表する輸出産業の不振が報じられている。日本は、電化製品とか、自動車製造で、世界に冠たる優れた輸出製品があった。製品が優れているから、当然、人気も高く、よく売れた。欧州の製品が沈滞し、アメリカ産業にも翳りが見える中で、今までよく経済界を支え、国民の生活向上にも、大きく貢献してきた。その花形産業界が、ここに来て可笑しくなっていると言うのだ。
例えば、パナソニックは、この3月期の連結純損益の赤字が、過去最大となる7000億円超に拡大する見通し。ソニーは、3月期連結決算の業績予想を下方修正し、税引き後利益が2200億円の赤字になると発表した。シャープも、3月期の連結業績予想を下方修正した。税引き後利益は、昨年10月時点の60億円の黒字予想から、2900億円の赤字に転落する見通し、というのだ。
これらの要因は、勿論、第1は「円高」だろう。対ドルでは、1ドルが90円なら利益が出、80円でぎりぎり、70円台では赤字になると言う。政府の必死の介入によって、70円台前半から、辛うじて後半78円くらいまで円安になっているが、輸出品が想定外の高値となり、売れなくなっているのだ。日銀も世界各国と協調して通貨の安定を図りたいらしいが、何よりも、日本の産業界の事を、もっと考えるべきだろう。
ウオン安に乗じて、韓国製品の輸出額が急増していると言う。おまけに,最近韓国の電化製品や自動車が、目覚しい品質向上を成し遂げたと言う。テレビの大型化、自動車の燃料効率向上、加えて日本の製品と比べて割安感があるそうな。どんどん日本製が食われているのだ。現在テレビ映像の世界でも、韓国映画や韓国POPSが、花盛りだ。何故か。安く輸入でき、且つ、美しいし、面白いからだ。
日本は、元来、資源に乏しい。だから、創意工夫で、「ハイブリッド」技術とか、液晶ディスプレイとか、LEDとかの先端技術で、優れた製品を作ってきたのだ。「有機EL」も、日本人学者の発見、応用技術である。しかし、その先端技術は、素早く外国に応用転化され、日本独自の技術として、守り抜くことが出来なかった。政府や学会、産業界の怠慢としか言いようがない。
業績不振のソニーは、先日、50型以上の家庭用大型有機ELテレビを発売する方針を明らかにした。ソニーは、一度撤退した有機ELテレビで再び巻き返しをはかると言うのだ。有機ELテレビは、パネルの素材が自ら光を放ち、液晶よりも画質が良く、消費電力も少ない。パネル素材は薄くてもよく、丸く巻いても画面が乱れないとか。 韓国のサムスン電子とLG電子は、55型の大型有機ELテレビを、年内に売り出す方針とか。これに対し、ソニー新社長の平井氏は、発売時期は明言しなかったが、「ソニーらしさに応える商品を出すのが重要だ」と言っている。まだ、製造コストは高いが、将来的には「有機ELテレビ」時代が来るだろう。
また、三菱ケミカルホールディングスは、太陽光で発電する新型の外壁材を来年中に発売する、と発表した。 屋根などに設置場所が限られるパネル型と異なり、日当たりがよいマンションなどの壁面として使える。新たに開発したのは、現在使われているシリコン半導体の代わりに、石油などから作る有機物の半導体を使う有機太陽電池で、現在のパネル型太陽電池より薄くて軽い。光のエネルギーを電力に変換する効率も約11%で、実用化できる水準に達している。発電能力は1平方メートルあたり80ワット程度で、現在使われている一般的なパネル型(変換効率14〜15%)の6〜7割程度の発電ができる。有機太陽電池は重いガラスの基板を使う現在の太陽電池より製造も容易で、生産コストはパネル型の10分の1程度に抑えることもできるという。夢のような技術が次々に開発されている。こうした技術力を生かして、衰退しつつある日本産業界を復活させて欲しいものだ。

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