議案第57号 南あわじ市の事務所の位置を設定する条例の一部を改正する条例制定についての反対討論
新庁舎建設については、市民の間で本当に合意ができているのでしょうか。庁舎建設の是非を問う住民投票条例制定直接請求署名が9700筆余集められています。この署名は、必ずしも建設反対のみを求めるものではなく、建設賛成の方からも多くの署名が集まっています。住民投票条例制定運動を敵視したり、補助金などの交付を取引材料として署名をやめさせたり等の動きも一部見られるなど民主主義の根幹を揺るがすような事態も生まれています。署名に応じた方からも、圧力を気にしてその取り下げを申し出た方もおられました。南あわじ市の市政のあり方を、あるいは行政サービスの内容を大きく変える新庁舎建設問題は、住民投票にふさわしいテーマであると考える市民の皆さんの運動は様々な妨害的行為や圧力を跳ね返して大きな到達点を築いたものと高く評価するものであります。
こうした運動がその最終局面に入ったそのときに、4年7ヶ月の猶予があると認識しながら、あえて急ぎ分庁舎廃止、そして新庁舎の事務所の位置の変更を今決める必要がなぜあるのか、良識ある市民からは強く批判が出されています。市民の勇気ある運動に挑戦するかのような執行部の姿勢は、庁舎建設の議論のその始まりから大変な問題点をはらんでいたことが明らかになりました。
これまで、私は幾度となく「庁舎等公共施設整備検討委員会」の議事録を公開するよう求めてきました。市民に対する誘導ではなく、新庁舎建設について多方面からその必要性あるいは、デメリットが本当に審議をされたのか、住民参加と情報公開が今や常識となっている時代に市の行く末を左右する新庁舎建設に関して決定的な役割を果たすと思われる「委員会」の開議記録が公開されないなどと言うことは、決してあってはならないこととの思いで強く公開を求めてきました。
しかしながら、市長の姿勢は公開すると「意見の中立性」が失われ「不要な混乱」が起こることから、非公開を「委員会への申し合わせ」としているので公開しないとの態度でした。市民からも公開を強く求められていましたが、同様の理由で非公開との判断に対し、情報公開審査会への異議申し立てが行われ、その結果、市長に対して、公開するよう指導が行われたのです。このような当たり前のことが、大変な労力と時間の消費によってでしか実現しないとは大変残念です。
情報公開審査会によって、市長の判断が誤りであったことが明確になりました。市長の間違った判断、対応、最初のボタンの掛け違いが、何か隠していることがあるのではないか、市民をだまそうとしているのではないか、と多くの市民の疑問や猜疑心を生むきっかけになったことを自覚していただきたいと思います。
執行部の内部議論もまだ煮詰まっていないのではないでしょうか。事業費二五億円はそれ以上にならないと断言する一方、「もっとお金が増えてもいいから、瓦をつかえというようなここでの相談をしていくつもり」との矛盾した見解も表明されています。土地取得についてもまだ定まったものでなく用地費も不透明であり、「素人が作った二五億円の事業費」が動かないとすれば、その予算の総額にあわしつけるような建設になって、免震構造や、南あわじ市らしいデザイン、グリーン、エコ設計、ユニバーサルデザインなどの盛りだくさんの初期イメージが中途半端なものとなり、結局当初想定の目的が果たせないような建物になるのではないかとの懸念も生まれています。
人形会館の例を見れば専門の世界的権威を持った建築士の設計が予算を遙かに超えるものとなったという事例をみれば、なおその懸念はふくれていきます。
また、合併後の新市建設計画では、分庁舎を充実させ、パソコンなどのネットワークで市民サービスを低下させないと市民に約束していたにも関わらず、車と足を使っての市民交流センターでの書類の翌日交付、事前に電話で予約という現在のネットワーク環境とはかけ離れた前時代への後退であるにも関わらずサービスの低下を防げた、今まで以上のサービスができるとするその感覚は、いったいどこから来るのか、市民不在、公約違反のそしりを免れないものと考えます。
また議会にあっては特別委員会での議論が始まったところであり、住民投票条例の本請求を待つことのどこに不都合があるのか、市民に対して説得力ある説明が何もなされていない以上、このような条例を認めるわけにはまいりません。
ご賛同よろしくお願いします。