数週間前にNHKで放送していた『立花隆 最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える』を見て、思ったこと。
カナダの脳神経外科医アンドレ・ロザーノ氏によると、脳内のCg25という場所は悲しいときに活性化する“悲しみの中枢”であり、ここの異常が鬱病の原因だという。そして、ここに電気刺激を行なうと、鬱病患者の11人中8人の症状が改善されたという。
私は、強迫神経症だとか鬱病だとか精神分裂病だとか、脳の機能が異常になっている場合には、心理療法よりも第一に脳に働きかけるのが合理的だと思っている。向精神薬は、たしかに副作用などいろいろ問題もあるのだと思うが、基本的には「脳の問題は脳にアプローチする」という方向で医学が進歩すべきだと思っている。
かつて私は、精神分裂病や鬱病なども心理療法で解消できるように臨床心理学が発達すべきであると考えていたが、そこまで精神科医に対抗意識をむき出しにする必要はないし、心理学はもっと意識の領域でやるべきことがあると思うのである。深層心理学は、精通していると非常に便利だと思う。だが、無意識の大体の流れがわかっていれば、あとはその流れの異常は薬などによって正常化させればいいのではないかと思うのである。どの程度流れが正常になっているかで、意識が使えるエネルギーは変わってくるので、クライエントの意識を相手にする場合に大いに参考になるはずである。
無意識の流れが異常だと、心的エネルギーはそれに対する防衛に消費されるはずである。無意識へのそのような防衛障壁がうち立てられていればこそ、意識は正常に働ける。だが、無意識を理解し操作するために下手にその障壁に穴を開けてしまうと、新たに意識側に障壁を作らなければならず、意識生活が狭められてしまう。とくに強迫神経症は、まさにそのような抑圧防壁の崩れによって生活世界がますます狭められていく状況なのではあるまいか。
心理療法をしてかえって悪くなることも十分にあるわけで、まあストレスやトラウマなどで障壁に穴が開いてしまった場合は仕方がないが、それ以外では無意識を下手に掘り起こそうなどとしないほうがいいのではないかとも思うのである。自分の無意識を自己責任で掘り起こすのはその人の勝手だが、心理療法の名のもとに他人の無意識を掘り起こすのはおそろしい。
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南カリフォルニア大学のセオドア・バーガー教授(神経工学)は、脳の海馬の電気信号パターンを解析してIC回路のチップを作り、やがてはパソコンに保存したり交換することも考えているそうである。
私はたとえ自分の記憶能力が低下して、かりにそんなチップを使うはめになっても、絶対にパソコンには保存しないね。いろいろな学問的な記憶情報に混じって、どんなプライベートな記憶が入っているかわかったもんじゃないからね。(大汗)
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