十年後(桜薫る番外編) 2.約束の場所

2011/4/22  12:18 | 投稿者: おるん

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◇◆◇2.約束の場所

夕食を軽く済ませて自室に戻る。
もう少ししたら、桜が帰宅するはずだ。

誕生日プレゼント…エンゲージリング。

彼女はどんな反応をするだろうか?
床に寝転がってリングをケースから出し、光にかざしてみる。
キラリと石が光る。
昼間渡すつもりだった指輪。
まぁ、夜のほうが人は少ないし、ロマンチックかもしれない。

携帯が鳴る。メールだ。
「今から帰るね。」

指輪をケースに仕舞い、鞄に入れる。
鞄を背負って家を出て、自転車に乗る。
彼女の部屋までたどり着いたところで、再び携帯が鳴った。
「ゴメン、ちょっと忘れ物したから遅くなる。」

「…ったく。いつまでたってもそそっかしいな…。」
彼女の部屋の前でいつまでも待っている訳にも行かず、かといって、勝手に部屋に上がりこむのもどうかと思う。
結局、駅前のコンビニで時間を潰すことにした。
雑誌を立ち読みしていると、背中を叩かれた。
「草間君。」
見覚えのない女性。いぶかしげに見ると、こう話し出した。
「ほら、前に会ったでしょ?ファミレスで。サクラと大学で一緒だった…。」
「あぁ!こんばんは。」
「サクラは一緒じゃないの?」
「え?あぁ、友達と一緒に食事すると言っていたから。」
「サクラ、それ来なかったよ?」
「え!?」
「今日は彼氏と約束あるからって…。」
「なっ…!う、コホン。いや、実家に一旦戻ってからだった。もうすぐこっちに来るんだ。」
「??ホントに?」
「あ、ああ。…君も余り遅くまで出歩かずに早く帰ったほうがいい。」
「うーん。…わかった…またね。」

桜の友達が店の奥に移動したのを見届けると、読んでいた雑誌を元に戻して店を飛び出した。
アイツ、何をやっているんだ!?
すぐさま自転車にまたがり、彼女の家まで戻る。
部屋のインターホンを押してみても反応がない。持っていた合鍵で部屋に入る。
部屋の明かりも消えていて、やはり人の気配はない。
上がり込んで部屋の明かりを点けて見渡す。
「やっぱりまだ帰っていないか…。」
朝、寝坊したのか、ベッドが少し乱れていたが、特に変わった様子もない。
電話を掛けてみたが、一向に繋がらない。
ああ、もう!!
彼女の部屋を後にして、また自転車にまたがる。

彼女が行きそうなところ…。
カフェや本屋、雑貨屋、ケーキ屋…。いくつか回ってみたものの、何処にも居なかった。
「何処に居るんだ…。」
途方に暮れて、しばし空を仰いでいたその時、携帯が鳴った。
「今日は私の誕生日だったよね?忘れてたよ。」
桜からのメール。

もしかして!?あのバカ!!!

自転車であの場所に向かう。
必死に漕いだ。運動不足が祟って、脚が思うように動かない。
ヨレヨレになりながら、約束の場所にたどり着いた。

まだ咲いていない桜の木の下に彼女が立っていた。

自転車をガチャンと乗り捨てて、彼女の元に突き進んでいく。
薄暗い公園。人影もほとんどない。
それでも彼女の周りがほのかに光っているように見えた。
彼女が風になびいた髪を押さえながら、こちらを向いた。

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1.約束の日
3.約束の言葉>
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2011/5/5  6:08

投稿者:おるん

>紫さん
ありがとうございます。
友達と約束してたけどドタキャン。
桜ちゃんが何をしていたかは最後にわかりますよ(^^)
昨日はスッカリ忘れていた、10年前のことを思い出したんです。

2011/5/2  22:14

投稿者:紫

あれ?桜ちゃんは友達と会うと言っていて、もしかして違うところに行っていたの?
一体どこに行っていたんだろう?
それが次回のお話で明かされるのかな?

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