桜薫る 5.悩殺

2010/8/11  13:32 | 投稿者: おるん

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注)本文中にある名称は実在の物・人・団体とはなんら関係ありません。
 ウェブカレはリンクシンク社のSNSサービス名です。
 小説内には一部ウェブカレのイベントに近い箇所があります。
 小説内には一部ウェブカレのイベントの内容を引用した箇所があります。(ネタバレ注意)
 小説内の設定は必ずしもウェブカレ公式設定と同じではありません。
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◇◆◇5.悩殺


桜が生徒会室へ来るようになって一週間ほど経った。
彼女もだいぶ学校と生徒会に慣れたようで、俺と居るのも自然になってきた気がする。
放課後、毎年恒例のクラス応援旗を作るということで、各クラスの有志が屋上で作業している。
桜は生徒会の手伝いをしているので、こっちの作業はやらないだろうと思っていたが、友達に誘われて断れなくなったらしい。
備品の補充を口実に、屋上へ様子を見に行くことにした。

屋上に上がると、少し風が吹いて心地良い。もうすぐ十月だというのに、暑くてまだまだ汗ばむ。
持ってきたペンキの缶と新しい刷毛を置き、桜の姿を探す。
桜の友達の女子生徒と相葉が見えた。あの辺りに居るのか…。
2-Bのメンバーが作業している所へ近づく。どうやら、男子二名女子三名で作業しているらしい。
「桜ちゃん、こっちも色塗って〜。」
相葉が言う。同じクラスだからか、それともコイツのキャラなのか、既に桜と名前で呼んでいるのが羨ましい。
「うん。ここ塗ったらね〜。」
しゃがんで作業している桜の背中を見つけた。
「谷本…。」
ペンキの刷毛を持った桜が立ち上がってこちらに振り返った。
「なっ…!」
「??会長、どうしたの?そんなに驚いて。」
「お、驚いてなどいない!」
そうは言ったものの、彼女の出で立ちに驚いた。
ストレートセミロングの栗色の髪は上に纏められてうなじが見えている。
カッターのボタンを第二ボタンまで外し、ネクタイも緩められていた。袖も肩まで捲り上げられていて、裾はスカートから出されていた。
靴下も脱いでいるし、スカートもいつもよりも20cmは短いのではなかろうか。
露出しすぎだろう?目の遣り場に困る。
「君っ!ちょっと来たまえ!」
刷毛を取り上げてペンキの缶に入れ、彼女の手を取って校舎の中に入る。
まだキョトンとした彼女に言う。
「なんだ、その格好!?」
「え?だって暑いし。」
本人は至って平静。お構いなしだ。
「体操服に着替えれば良いだろう?」
「今日は持ってきてないんだもん。」
「大体その胸元とスカート!中が見えるだろう!」
こんなこと、俺が言うのもどうかと思うが。恥ずかしいぞ。
「大丈夫だよ。スパッツ穿いてるから。それに見る方が悪いんじゃない。」
「男っていうヤツは見てしまうんだ!」
俺だけじゃない、多分。どうしても目がソコに行く。相葉は可愛らしいが、アイツも男だぞ!?
「ちょっとくらい見られても平気だもん。」
苦しい。胸が締め付けられる思いだ。自分の胸の部分の服を左手で掴む。
「バカ……俺が平気じゃないんだ。他のヤツなんかに見せたくない。」
「え!?」
「く、くどい。二度は言わないぞ。」
多分、彼女は驚いた顔をしたんだろうが、俺は彼女を直視できなかった。耳まで赤いと思う。
「ごめんなさい…。」
謝る彼女の胸元に目を落とし手を伸ばした。嫌がるかと思ったのだが、彼女は微動だにしなかった。そっとカッターのボタンを留めて、ネクタイを締めてやる。
彼女が自分で袖とスカートを元に戻す。
「じゃあ作業に戻るね。」
「ああ。終わったら生徒会室に。」
「うん。」
桜のヤツ、俺を試してるのか?まったく、困ったヤツだ。


◇◆◇


生徒会室に戻り、プログラムの版下を完成させる。先生の最終確認が済めば、後は輪転機にかけるだけだ。
入場門などの飾りに使う紙花を少し作っておくか…。
しばらくして、桜がやってきた。
「遅くなってすみません。」
息を切らせながら部屋に入ってくる。一般教室棟の屋上からここまで走ってきたみたいだ。
「お疲れ様。」
「うん…。み、みんなは?」
心なしか、目が泳いでるような気がする。
「あぁ、みんな体育倉庫に行って、榎本さんと中手川は体育祭で使う大道具のチェックで、結城さんと安田は小道具のチェックをしている。」
「私も体育倉庫に行ってくればいいかな?」
「ん?そうだな…、もう終わる頃だと思うから、ここで一緒にコレ、作ってくれないか?」
手に持った紙花を見せる。
「これ、草間君が作ったの?」
「そうだが?」
「なんか意外!似合わないよ。」
あははと笑って、いつもの調子に戻った。
「確かに男には似合わないかもな。…いいから、コレ作って。」
「はーい。」
俺の向かいに座って、紙花を作り始める。
小さい手で花紙をとって、蛇腹に折っている。額に汗をかいて、いかにも一生懸命といった風だ。
しばらく見ていても、一向に息が戻らない…。
もしかして、さっき、ネクタイを締めすぎたか?流石にクーラーをつけていないこの部屋では上までボタンを留めてネクタイを締めていては暑いだろう。
「…暑くないか?」
「ん?ちょっと暑いけど、平気だよ。」
「そうか…。」
自分がしたことながら、厳しすぎたと申し訳なく思う。
「桜…、ちょっとくらい、ボタン、外してもいいぞ。大目に見てやる。」
作業の手を止め、キョトンとした顔で俺を見る。
「…草間君…、私のこと…。」
はっ、と気がついて手で口を押さえる。思わず桜と名前で呼んでしまった。
「い、いや、その。…すまない。」
「ううん、いいよ。桜で。…じゃあ、暑いからボタン外そ。」
微笑んだ彼女はネクタイを緩めて、第一ボタンを外した。そしてまた、紙花を作り始めた。
彼女の首筋が気になる。冷静で居られない。俺、どうかしてる。


◇◆◇


その日の夜、夢に見た。彼女を。
白いカッターの前開きから彼女の白い肌が見えている。
細い首筋、柔らかそうな二の腕が、スカートから覗く太ももが、男の俺にはない曲線美を作り出している。
シャツに微かに透ける下着の線が堪らない。服の上からでも分かる細腰に触りたいと思う。
シャツの肩に手を掛け、抱き寄せる。
「…桜…、そばに、いてくれない…か…。」
自分の寝言で驚いて飛び起きる。
「〜〜〜!!!」
頭を抱えて、声にならない声を上げた。
だ、ダメだ。桜に完全に悩殺されている。
明日、彼女に会ったら、それこそ取り乱してしまいそうだ。
こんなこと、今まで生きてきた十七年間で初めてかもしれない。
「ね、眠れない…。」
こんなときは何をすれば眠れるか?
無理に寝ようとするとダメだと何かで読んだな。何か気が紛れることを考えてみるとするか…。
よし、じゃぁ、チョコレートだ。チョコレートは甘過ぎず苦過ぎない匙加減が重要だな。もし今食べるとしたら、トリュフチョコか、クランチもいいな…。オランジェットも捨てがたい…。
チョコレートのお陰でその後グッスリ眠ったが、少しばかり寝坊した。
さらに運良く、家を出る時間が遅くなったので、彼女に会わずに済んだ。


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1.出会い
<4.生徒会のお手伝い 6.ライバル達>
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2010/8/21  18:21

投稿者:おるん

>紫さん

ありがとうございます。
会長、かわいいですよね。
ウチの会長君はツンが少なくてデレばかりなので、ある意味物足りないかもしれませんが。。。
(他の人には愛想よくないけど、彼女にはデレなので…。)

イベント自体は私の自作です。^^;
(プレミアムユーザーだと見れる)ドリームイベントにアップしてありますので、
本家の背景や立ち絵で見ることができますよ。^^

2010/8/21  11:20

投稿者:紫

この会長、可愛いですね♪
イベントが元だからかもしれませんが、今までの中で一番、本家の会長のキャラに近いような気がします。
うなじとか腕を見るだけでドキドキしちゃう...思春期ならではですよね。

2010/8/11  13:34

投稿者:おるん

ドリームイベントの元ネタです。
悶々とする薫君がかわいいなぁ。*^^*

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