IF 14.すれ違い

2015/10/12  5:49 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆14.すれ違い◆◇◆

あれから圭子とはなかなか会えない。
会えてもクタクタになって帰ってくる圭子と一言二言言葉を交わすのが精一杯。
グッタリしている圭子を見るのも辛いというか。

会えなくて募る想いを紛らわせるために、学校行事運営の有志を買って出た。
高校では勉強だけすればいいと思っていて、特別仲の良い友達を作ったり、こういった行事への積極的な参加をする気はなかったのだけれども。

クラスメイトと一緒に作業しているうちに、打ち解けてきて、高校生活も結構楽しくなってきた。

「津川、お前、彼女とか居ったりする?」
「え?あぁ…、まぁ、そうやな。」
「居るん!?」
「…一応。彼女っつっても、幼馴染やし、彼女も忙しくてほとんど会ってへんねんけど。」
「そうなんや!どんな子?かわいい?」
「え…、いや、一般的には不細工の部類に入ると思うけど…、こう、なんかほっとけへんっていうか。」
「へぇー!おまえ、なかなかやるな!」
「……。」
「どこの学校の子?」
「…桜泉。」
「おおおー!ご近所さん!じゃあ彼女、真面目なお嬢さんなんやな!」
「…お嬢さんではないと思うけどな。そんなに真面目でもないと思うけど。」
「今度、彼女に友達紹介してもらってや!」
「…まぁ、一応聞いとくけど…。」

◇◆◇

ある日、行事の準備で天王寺まで買出しに行くことになった。

桃谷駅のホームに上がると、向かいのホームに桜泉の生徒がたくさん居た。
放課後だから当然といえば当然。
部活に行っていて、ここには居ないであろう圭子を、思わず探してしまう。

楽器と思しきケースを持った桜泉の生徒がちらほら居る。

(吹奏楽部か?)

ほぼ桜泉の生徒しか居ない中に、明清の男子生徒も混じっている。
そいつらの中にも楽器と思しきケースを持っているヤツがいるが、明清は玉造のはずだ。

「あっ!」
「どうした?津川?」
「い、いや、なんでもない。」

向かい側のホームに背を向けて、電車が来るのを待つ。

圭子が居た!
明清の男子生徒と一緒に並んで、なにやら笑顔で話していた。
男の方は荷物をほとんど持っていないようで、圭子の楽器ケースを持ってやろうとしているようだ。
吹奏楽部の合同練習か何かなんだろうけど、男子校のヤツらと一緒に練習をするなんて話は聞いてなかった。

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部活なんだから仕方がないけど!

中学の時は男友達も居なくて、最初は俺と話すだけでも顔を真っ赤にしてうつむいて、まともに話も出来なかったのに。
最近は、家の前で会っても疲れていて、微笑む表情にも力がなかったりするのに。

(なんだよ、ちゃんと笑ってるやん。他の男とならそんな顔すんのかよ。)

普通に考えたら愛想笑いなんだろうけど、無性に腹が立つ。
あれだけたくさん人が居るところだったし、部活の移動っぽかったから、浮気ではないだろう。
それでも、俺の知らない圭子がいると思うと、浮気されたみたいでショックだ。

「津川、もしかして、向こう側に彼女居るん?」
「っ!!…居らんよ。」
「いやー、怪しいなぁ。なぁ、どの子?」
「あほ!俺は時刻表見たかっただけや!…もし居ったとしても教えへんわ!」

◇◆◇

(…今日もクラブ、疲れたなぁ…。)

薄暗い路地をトボトボ歩く。
あっちゃん、今日も会えるかな?
いつも家の前で待ってくれてるから悪いなって思うけど、やっぱり凄く嬉しい。
たまにはクラブが休みになったらいいのに。
そしたらもっと長い時間あっちゃんと一緒に居れるのに。

家の前に着いたけど、あっちゃんは居なかった。

(あれ?いつもの時間よりちょっと早いからかな?)

もう少し待ってみるか、とあっちゃんの家の門の脇にある電柱にもたれて街灯の灯りで単語帳なんかを眺めてみる。

しばらく待っても出てこない。

あっちゃん、もう晩御飯の時間なのかなぁ。
今日、明清で練習したこと話そうと思ったのに。
男子校って初めて入ったから新鮮やったけど、上町も似たような感じなのか聞いてみようと思ったのに。

「…あっちゃん、おやすみ。」

そう呟いて家に帰った。


-続く-

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1.序章
13.部活
15.期末テスト
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