IF 12.入学

2015/10/12  5:41 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆12.入学◆◇◆

いよいよ高校生になった。
真新しい制服に身を包みつつも、互いに学ランとセーラー服なのであまり変わり映えもせず、顔を見合わせて笑った。

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入学式の日は親と一緒に登校したので会えなかったけど、翌日からは途中まで一緒に登校するようになった。
私の学校の方が始業時刻が早いので、あっちゃんに合わせてもらっている。

「クラス、ローマ数字とアルファベットやねん。高I-Gやって。
それから、礼拝ってのがあってな、毎日聖書読んで、聖歌歌うねん。
クラブも案外盛んで、私、吹奏楽部に入ろかなって。」
「へぇ…。俺んとこは仏教やからな。あ、でも、聖歌みたいなやつあるで。」
「へぇ!そうなんや!男子校やから、みんな声低いんやろなぁ。」
「…そやな、そっちは女子校か…いい匂いしそう…。」
「いい匂いって!あっちゃん、エッチやわ!」
「あほ!そんなんちゃうわ!」
「あはは。で、あっちゃんはクラブ入るん?友達できた?」
「クラブは多分入らへんわ。勉強する時間減るし。友達はまあまあかな。まだ1週間も経ってないからな。」
「そっか…。そうやんな、まだ1週間経ってないもんな。私も友達はまだやし…。」
「……。」

◇◆◇

毎日、圭子に合わせて家を出るから、少し早めに学校に着く。
その時間に小説を読んだり、チャート式の問題を解いたりする。
今はまだ、クラブや補講もないから、放課後も待ち合わせをして一緒に下校したりする。

圭子は物凄くよく喋る。
女子は大抵そんなものかもしれないが、それでも毎日、下らないことばかり、よく話題が尽きないなと思う。
表情がクルクル変わって、学校での出来事を色々話す。
今はお互いに高校生活が新鮮だからこうして聞いていても、そんなに嫌じゃなくて、むしろ必死に喋る圭子が可愛いと思ったりもするけど。
そのうちに慣れてきたら、圭子はこんなに色々話してくれるだろうか?
俺は毎日、下らない日常の出来事を聞いてやれるだろうか?
それよりもっと怖いのは、会う時間がどんどん短くなること。
桜泉の吹奏楽部。関西の強豪だって聞いた。
入部したら、放課後は会えない。朝や土日もどうなるかわからない。
クラブに入るなって言えたらどれだけ楽だろう?
でも、あれだけ楽しみにしているのを彼氏だからといって止めさせるのもなぁ。

◇◆◇

女子校に入って、クラスメイトとも少し馴染んできて雑談をする。そう、大抵は恋バナだ。
彼氏がいるか?と言う話で、私は一番最後に聞かれた。

「幼馴染みの彼氏がいて、上町高校に行ってるよ。」
「ええ!?村井さん、彼氏おるん?」
「うん、まぁ…。同い年の幼馴染みやし、腐れ縁みたいなものかもしれんけど…。」

露骨に意外な顔をされて、ちょっとムカつく。
どうせ私は美人じゃないですよ。
でも女は顔じゃないからねー!
見てくればかりで寄ってくるような男なんかろくでもないんだからね!

「で、で、どんな感じなん?写真は?」
「え?ふ、普通やって。写真…こ、これ…。」
「きゃー!!可愛い!優しそうな彼氏やなぁ!」
「ありがと…。」
「で、もうキスとかエッチとかしたん?」
「エッチ!?そんなんまだやって!キスはしたけど…。」
「いいなぁ、彼氏!!今度紹介してよ!彼氏に友達連れてきてもらって!」
「一応言うとくけど、期待せんといてなー。彼、そういうの多分嫌がるから。」

あっちゃんが嫌がるのもあるけど、私が嫌だ。
私より可愛い子ばかりなのに、あっちゃんが心変わりしちゃったら、そんなの耐えられない。
私はあっちゃんとずっと一緒にいて、結婚して、子供も産んで、死ぬまで一緒がいい。


-続く-

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1.序章
11.デート
13.部活
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