十年後(桜薫る番外編) そのほかの人たち

2011/7/22  0:35 | 投稿者: おるん

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◇◆◇そのほかの人たち

高校卒業から十年。白薔薇学園から封書が届いた。
差出人は綾川司。
「前略。お久しぶりです。綾川です。お元気ですか?
あなたたちが白薔薇学園高校を卒業して、十年が経ちました。
折角ですから、110期生の同窓会など企画しませんか?
場所は講堂や食堂を使うのも良いと思います。
(と言うのも、中学校を新設することとなり、学校側が寄付金集めに躍起になっているのです。
ですから、私もこうして人を集めてくれそうな人にお手紙など書いています。
大人数でも学校施設を借りることも今なら容易でしょう。)
あなたたちの元気な姿を拝見できるのを楽しみにしています。草々。」

同窓会。
高校時代はそれなりに楽しかったが、そんなに仲が良い人間も多くはなかった。
母校が嫌いという訳ではないが、寄付金集めをしてやる程の義理も無い。
大体、俺だってこれから彼女と結婚するに当たって忙しいのに。

今日は朝から桜が家に来ていて、新居に引っ越すための準備と称して、俺の部屋の荷物の整理をしていた。
「なあ、桜。高校の同窓会、行くか?」
「え?何それ?そんな連絡、私のところに来てないよ?」
「行く?」
「そりゃ、あるなら行きたいかな…。」
「そうか…。じゃあ、やるか。」
「??どういうこと?」
「これ。こんなものが綾川から届いた。」
「綾川君??」
「いいや、兄貴の方。学校の封筒だろう?」
そういって封筒を桜に手渡す。
「薫君、幹事に抜擢されちゃったのね。」
「そういうことみたいだな。俺に何ができるっていうんだ。こっちの都合も考えずに…。」
「まぁまぁ、そう言わずに。同窓生名簿ってきっと学校にあるんでしょ?学校から発送してもらえばすぐだよ。」
「明日にでも行ってみるか?」
「うん!」

翌日、学校に電話をし、綾川先生が居ることを確認してから学校を訪ねた。
「綾川先生。」
「草間君、お久しぶりです。谷本さんも一緒でしたか。元気そうで何より。」
「お陰様で。同窓会についてですが。」
「はいはい。とりあえず、国語準備室にでも行きましょうか。」
先生から来客用カードを手渡され、それを首に掛けて校内に入った。
「十年振り…。なんか校舎が綺麗になってる!ほら、見て!!」
桜がきょろきょろと校内を見回し、あちこち指を差していた。
「去年、補修工事をしたんですよ。…おや?あなた達、結婚したんですか?」
綾川先生が桜の左手の婚約指輪を見て、あっと目を大きくした。
「…お陰様で。俺達、夏に入籍するんです。」
「そうですか!それはそれは、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。先生は…独身なんですか?」
桜が満面の笑みでお礼を言って、聞きにくい事をそのままズバリ聞いた。
「…ええ。残念ながら、良いご縁がなくてね…。」
流石の綾川もこれには困ったようだった。
「先生、綾川君は元気なんですか?」
「あぁ、竜士君も元気にしていますよ。仕事が忙しそうで、家でもあまり顔を合わせないですけどね。」
「そうなんですか…。」
「あ、でも、同窓会にはきっと来ると思いますよ。あなた達が幹事なら間違いなく。」
そうして辿り着いた国語準備室のドアを先生が開けた。
「はい、どうぞ。入ってください。」

あの忌々しい国語準備室。
綾川にとっては大したことではなかったかもしれないが、俺にとっては未だに屈辱的な記憶が残る。
あれから十年。大人になった俺達は、キスなんかよりももっと色んな事をしたし、たかがキスなのだが、されどキスな訳で。
「薫君、どうしたの?眉間に皺が寄ってるよ?」
「ん?あぁ、いや、なんでもないんだ。」
先生が部屋の奥でなにやらガサガサしている。
「今、コーヒーを入れますから…。そこに適当に座ってください。あ、これが今年のカレンダーです。これを見て日程を考えましょう。」
そうして、当時よりは新しくなった事務椅子に腰掛け、机の上のカレンダーを見た。

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十年後1.約束の日
十年後そのほかの人たち
十年後そのほかの人たち2>
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2011/7/31  10:11

投稿者:おるん

>紫さん
お久しぶりです。ありがとうございます☆

今回は同窓会ネタです。
同級生達のその後が少しずつ出てきます。
なかなか書く時間がなくて禁断症状w
昼休みに会社で完全書き下ろし状態でしたw

最後のオチは自分でも「あーこうなっちゃったか」と想定してなかった所に落ちちゃいましたw

どうぞお楽しみに。

2011/7/30  9:15

投稿者:紫

あっ!10年後のお話ができてる!www
先生は独身なんですね。
バスケ姉と結婚しなかったのかなぁ・・・。
これから、みんながどうなっているのか読んでいくのが楽しみです♪

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