皆さんも良くご存じの「北山杉」は、杉の樹種を言っているのではなく、京都府の北山地方で産出される杉材の事を称してそう呼んでいるのです。北山地方は、数寄屋建築によく使われる磨き丸太や絞り丸太に代表される様ないわゆる「小径木」を主に育てている杉材の産地です。
皆さんも山間部にドライブなど行かれた時に、人工的に植林され、整然並んでいる杉山をご覧になることがあると思いますが、実は、山に植林される前の苗木は畑で作られているのです。後姿の男性の右横に植えられているのが杉の苗木です。はじめこの杉畑?を見たときなんか変な感じがしました。普段目にしている建材としての杉材のイメージはやっぱり大きいイメージがありますので、なすびやしそが育っているその横に杉が育っているなんて???という感じです。
北山地方では、この様に平地に挿し木をして苗を育てます。写真の杉苗で二年目、高さが50センチ程に育っております。この苗を今度は山に移植して、枝打ちや間伐などの手入れをし、細く長く育て上げると50年後に美しい北山杉が誕生するのです。
昔は自然の中で偶然にしか出来なかった「天然絞り」の杉丸太は、希少価値がありますので値段も非常に高いものでした。でも、この様に畑で苗木を作る様になってからは、天然絞りの遺伝子を持った種木を挿し木することによって、数多く人工的に「天絞」(てんしぼ)を作ることができる様になりましたので、「天然絞り」といっても今は、びっくりするほどの値段ではなくなりました。