悲しいママは悲しい子供を作る。
ねえママまだ気付かない?
きっと死ぬまで分からないままかもしれないね。
ずっとママが好きだったから、
ママに認めて欲しかったから、
ずぅっと仕舞いこんでいた心に気付かず過ごした。
全然気付かなかったんだ。
まさか そんな弱い子じゃないって信じていたんだ。
ママの事、こんなにも好きだったなんて事も知らなかったんだ
あかちゃんだった頃。
びっくりするでしょう 覚えているんだよ。
いつも抱っこしてくれて、オムツも替えてくれたでしょう?
ウンチする度恐れおののいて、
必死に蒸しタオルで綺麗にしたでしょう?
シッカロールが気持ちよくて、オムツが気持ち悪くって・・・
いつだってママは一生懸命だったよね。

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パパのことはあまり覚えていないんだ。
ただママの方がいいのに
パパに抱っこされなきゃならないの。
ママは言ったよね
「パパに抱っこしてもらおうね」

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ママがパパとさようならして
二人で電車に乗ったよね。
よくわからなかったけどママは泣いていた
悲しそうだった。ママが悲しいとわたしも悲しい。

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ママはお仕事。
いつも一緒だったのにお仕事。
初めての保育園。絶対に嫌だった。
離れたくなかった。
理解なんて出来なかった。
寂しかった。悲しかった。いっぱい泣いた。
困らせた。ごめんねママ

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ママが迎えに来るのをいつも待ってた。
ママが遅いと悲しかった。
いつの頃からか
おばあちゃんが迎えに来ること多くなった。
優しいおばあちゃんは大好き。
わがままいっぱい言った。おんぶしたまま帰ったり
帰り道に遊んでと駄々こねた。
ごめんねおばあちゃん。
でもね ホントはママの方が良かったんだ。

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わたしの保育園の為
おばあちゃんは自転車に乗る練習をした。
毎日毎日転んでは頑張った。
ママは自転車に乗れないおばあちゃんを笑った。
おばあちゃんも笑った。
ママがお仕事に行ってからも練習した。
おばあちゃんは泣いた。

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たくさん遊んでくれたおばあちゃん。
「きれい」と言うと喜んだ。
「きれいなんて言われた事ないわ」
否定するけど、とても嬉しそうな顔をした。
おばあちゃんが嬉しいとわたしも嬉しい。
可愛いお洋服をたくさん作ってくれた。
お花の名前をたくさん教えてくれた。

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おばあちゃん家のそばに引っ越した。
ママと二人暮らし。
毎日来てくれる おばあちゃん
「今日の夕飯何にしようか?」
引っ越したって三人でご飯食べようよ。
何だかママはいつも怒っている。
ママが怒るとわたしも怒る。
ママは悲しい顔をするからわたしも悲しい。
ママはお仕事嫌い?
疲れてる?
わたしはもっと一緒にいたい
遊んで…
ママは旅行に連れて行ってくれた。
だけど だけど駄々こねた。
毎晩 毎晩 寝る前に本を読んでくれた。
ありがとう

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ママの恋人は優しかった。
遊んでくれた。一緒にキャンプも行った。
テントは怖かったけど、とってもとっても楽しかった
お友達も出来た。たくさん笑った。
きれい好きのママも笑った。テントなのに大丈夫?
おじちゃんのこと好きなんだね。
お土産で買った木で出来たカレンダー。
玄関に置いてある。月を替えないと曜日が合わない。
ねえママどうして最近会わないの?
もう会えないの?

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仲良しのお友達。
いつも一緒に遊んだ。
おしゃべりしたり、本を読んだり、
学校で遊んで帰る時も遊んだ。
かまきりを殺した。
怖い夢を見た。かまきりがわたしを襲う。
ごめんなさい。

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何もない日曜日。ママは疲れているから寝てる。
わたしは起きて欲しいから起す。
「もう少し」
寂しいよ。雨戸が閉まっているから暗いよ。
もう朝だよ。
そうだった
旅行に行った時、文鳥がつがいで死んだ。
暗いままにしていたから死んだんだ。
なんで人間は死なないの?

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ママとお出かけは嬉しい。
バーベキュー?とっても楽しみだよ。
声の大きなおじちゃんがわたしに近寄る。
言葉遣いが怖いよ、男の人は何だか怖い。
すいとんをお椀に入れて私に手渡す手の力強さ。
そばで笑うママ。
ママのお友達の中で一番怖い。
好き嫌いの多いわたしは食べなかった。
「うまいぞ 食え」
いやだよおじちゃん怖いもん。
ごめんね、受け入れることできなくて

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いつも本を読んでくれるママ。
いつも手を繋いで寝てくれた。
ふと気付くといないママ。隣の部屋のふすまが閉まってる
寂しいよ ママを呼ぶ。ママは誰かと話した。
それから少しして、慌ててママはふすまを開けた。
廊下に人影が見える。ママはお風呂に入るところだと言った。
寝る前に一緒に入ったじゃん。何しているの?わたしが廊下に行こうとしたら
「廊下におばけがいるかもしれない」とママが言う。
ホント?
違う。ママは嘘を付いている。
もう小学生になったんだよ。嘘だと分かるよ。でも怖い。
手を繋いでよママ

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ママと電車に乗った。
乗った事のない色のバスに乗った。
丘の上でバスを降りた。
「ねえどこに行くの?」
「すぐ帰るから」
「いや だから…どこに行くの?」
知らないお家に着いた。
鍵を出し、開けるママ。
動揺と混乱…ママは何しているの?ここはどこ?その鍵は何?
汚い部屋。本が散らばり、布団が敷きっぱなしだ。わたしは立ち尽くす。
ママは布団を剥いだり、本をめくったり 忙しそうにしている。
泥棒? 違う 何しているの?
何も取らないで鍵を閉め、来た道を帰る。
「誰にも言っては駄目よ」
どうして?悪いことしたんじゃないよね? ねえママ?

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今日もママに本を読んでもらう。
夢の中に生きるバクのおはなし。
夢の中でしか生きられない。
蛍光灯が2本付いている。蛍光灯を見ながら聞くわたし
「ママ結婚していい?」
「えっ?誰と?」
「バーベキューのおじちゃんと」
どうして あの怖いおじちゃんなんだろう?
あの人じゃない方が良いのにな…
結婚したらママはお仕事辞めてイライラしなくなる。
一緒にいる事もできる。
学校から帰ってきたらおばあちゃんじゃなくって
ママが居る。怒られない良い子でいられるかな?
パパは欲しいけどあのおじちゃんは…
言いかけた時
ママは涙を流した。
「結婚したいの?」
「うん」
ママはおじちゃんが好きなんだ。
ママが好きなら わたしも好き
「いいよ」
ママは抱きしめてくれた。
喜ぶママを見るとわたしも嬉しくなる。

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