昨日ある高3男子生徒がぼくに質問してきた。
「先生、漢文で読めるときと読めないときの差が激しいのですが…。どうしたらいいでしょう」
おそらく世間一般の予備校講師なら「もう一度句形の確認をしよう。それから、授業の復習をしっかり」などとアドバイスするはずである。ほとんど訳に立たないアドバイスを。それを聞いた生徒は安心してそれで終わり。何も実行に移されることはない。
ぼくは彼にひと言だけ言った。
「自分で考えろ」
これまでにすべての句形を教えた。さらに確認テストも何度も行った。おまけに彼のグループには週に一度のペースでセンター試験の解説も行っている。漢文が読めるようになるには、実は根底に古文の力が必要であるが、この1年半みっちり古文のエッセンスも教えてきた。岡山の私学をふくめ、ぼくが教えている生徒の中で特に漢文を苦手とする者はいない。
ぼくが彼ならば、今までうまく読めなかった漢文を集めて、徹底的に分析するだろう。しかも具体的に、何が足りなかったのかを明確にしながら。その後、弱点を補っていくだろう。それも具体的に、徹底的に。そして、自分の分析と対策が正しいかどうかを検証するために4〜5題問題を解くだろう。
国語という教科は面白いもので、いわゆる自立した知能を持つ者はそれほど勉強しなくても本番で高得点を取ってくる。逆に、自立していない、甘えん坊は、誰が何を教えてもさほど成績は上がらない。塾や予備校に通っておきながら、センター試験で200点中100点を切る生徒は非常に多い。
おそらく彼はぼくに具体的な解決策を求めたのではないだろう。自分の不安を聞いてほしかったのだろう。これが高1生や高2生ならぼくも話を聞くと思うが、センター試験まで後100日を切った今、口にする言葉ではない。そんな甘えたことを口にするから高得点が取れないのだ。異論もあるだろうが、少なくともぼくはそう思う。
最後に一つ。「では、これから質問してはいけないのですか」という低レベルなことにはならないように。