2016/2/13  0:03

お受験  こえなきこえ

 最近は子どもの受験に親がついていくようになった。ある記事では、これは過保護というより、新しい進化した親子関係なのだという。一緒に受験し、子どもを応援するということのようだ。う〜ん、そんなもんかねぇ。30年ぐらい前は、大学の入学式に親は来るな!みたいなことを言う人もいたんだが。親の過干渉や過保護な子育ての結果、子どもたちが自分で決められないようになっていると言われていた。当時はそうだろうと思っていたが、この決められない子どもたちは、私たちの世代のことである。しかし、同世代を見渡すと、いまはすっかり社会を支えているわけで、当時の評論家のいうことも自分の勝手な印象に基づいた非科学的なものだったと思う。

 で、かくいう私も受験会場にまでついていく・・・。

 2年前の息子のときは大雪であった。あくまで併願で、前日の下見などはしたくないと言っていたので、過保護だなと思いつつも、当日連れていくことにした。今は保護者控室も用意されているのだが、会場に着いたら私はさっさと帰った。さすがに、帰りは迷っても時間に余裕があるのだから、何とかなるだろうから。お昼には自宅で私はゆっくりしていた。
 が、しかし、雪はどんどんひどくなる。テレビは特別態勢で各局雪のことばかり。夕方、試験が終わったころを見計らって息子に電話すると、今駅についてこれから総武線に乗るところだという。電車は動いているということなので安心していた。息子も髪の毛切ってからかえるとか、のんびりしたことを言っていた。

 それでも雪はどんどんひどくなり、TXがストップしているというニュースが入ってくる…。息子も7時ぐらいには秋葉原についたのだが、そこで足止めである。再度電話すると、「お金持ってるから大丈夫だよ」とこれまたのんびりした声。いくら持っているか尋ねると、2000円…。田舎の高校生の金銭感覚はそんなもんだよね。わが家は小遣いあげてなかったし(女王様の管轄事項で私には権限無し、悪しからず)。しかし、2000円なら飯は食える!
 だが、雪降る中、電車も動かない、所持金もないでは大変なので、とにかくマックに入って暖を取れるようにしろと息子には指示した。さあ、ここからが大変である。電車が動かないとなると、夜泊まれるところが必要だが、近辺のホテルはどこも満員である。ネットで予約など役に立たないので、とにかく片っ端から電話するがどこもだめ。カプセルもだめ・・・。大雪の中行き場のない息子の姿は、脳内ではフランダースの犬のネロに変換されている(本当!)。やっぱり、受験会場で待っているべきだったかと後悔しつつも後の祭り・・・。大雪なので車で迎えに行くことも不可能である(ちなみにうちはノーマルタイヤ)。

 息子にはとにかく24時間開いている店に入るように指示するが、どこが24時間開いているかは現地の息子にはわからないので、こちらで調べるしかない。24時間開いているマックが都内なら普通にあるだろうと高をくくっていたが、深夜は窓口販売だけみたいなところが多く、愕然とする。雪に埋もれるネロの姿が脳内から離れないそのときに、「私もう寝るね」と女王様は素っ気ない・・・。あんた心配じゃないのか、と怒りがわいてくるがそんな怒ってる場合じゃない。いろいろと検索すると、ファミレスが24時間というか早朝5時まで開いている店を発見。そこへ移動するように連絡し、電車が動きそうになったら連絡するから、その店で待つように指示した。夜中の11時過ぎには、その店に着いたと連絡あったので、とりあえず朝までは暖が取れるし、そのうち電車が走るだろうと思い、少し安心することができた。

 だが、12時過ぎに衝撃的な電話がくる。店を追い出されたという。深夜に高校生は置いておけないと言われたという。さすがに驚いた。大雪で帰れない人も多いときに、未成年を外に追い出すというその感覚があり得ない。なるほど、マニュアルにはそう書いてあるのだろう、店の者はその指示通りに従っただけなのだろう、だけどあり得ないのではないかい?秋葉原の某ガストで起きた実話である。たいそうご立派なよくできたマニュアルと、忠実な店長であられますなぁ。

 が、さすがに打つ手はない。幸い、TXの駅は地下深いので、そんなには寒くなかったらしい。他にも行くあてのない人もたくさんいるから大丈夫だという。もともと息子は鈍かったのだが、それが幸いした。
 夜中の1時ごろに電話があり、なんか電車が走るらしいというアナウンスがあったという。乗り損なったら大変だから、駅のホームにいるよう指示して、私はひたすら情報収集に努める。震災の時もそうだっただが、いろいろな人がツイートしてくれるので、現地の情報がリアルに入ってくるのはありがたい。が、もはやすることはないので布団に入るが、さすがに眠れない・・・。女王様はすやすやと静かに寝息を立てているのだが、興奮してるのか、珍走団の爆音のように聞こえる(本当)。

 結局、5時過ぎに息子は帰ってきた。TXはものすごく混んでいて、そしてとてもゆっくりだったという。それでも、一本は走らせるという関係者の努力はとてもありがたかった。某ガストの店長とは(以下略)。
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2016/2/10  0:00

センター試験  こえなきこえ

 今年はセンター試験の監督業務が回ってきた。慣れてしまえば何ともないようで、これは結構重労働であり、できればしたくない仕事の一つであることは否めない。全国一斉に行うために関係者一同神経を使うのだ。
 が、今年は娘が受験生なので、お役御免だと高をくくっていたら回ってきたのでさすがに驚いた。監督マニュアルのような機密資料(?)を受験生の目に触れることにもなりかねない。かつては、試験問題に訂正があるという事実(訂正の中身ではなく、単に訂正があるという事実)を某掲示板に書き込んだ輩がいて大問題になり、その掲示板は閉鎖に追い込まれているぐらいなのだ。ましてや、スマホで問題を写して転送などということを我が子可愛さにしてしまったら大学としては管理責任が問われるのではないか?と言うことを口実に業務を逃れようとしたが、どうも本校では問題ないということらしい・・・。前任校では考えられない・・・。

 もっともそんなことをする勇気もなく、もとい不正を許さない正義感からしっかり業務を遂行する。一番重要なのは試験時間の厳正な確保である。長かったり、短かったりしたら新聞に載ってしまうのでこれはかなり神経を使う。昔は、みんなで一斉に時計を合わせて監督業務を行ったが、最近は電波時計という便利なものがあり、それに従っていればよいので楽になった、と思っていたら事件は起きた!
 試験開始時刻が近づくと、時計をにらめっこである。57,58,59秒と過ぎ、開始時刻になったのにチャイムが鳴らない・・・。うそぉーと声なき大きな声を心であげながら、どうするどうする、と頭はぐるぐる回転する(この間0.5秒)。と、2秒ほど遅れて開始のチャイム。機械の起動の関係か、まあこれぐらいなら許容範囲であろう。

 さて、電波時計はきちんと電波を受信していればアンテナのマークが点灯するのだが、さっきまでは点灯していたマークがあろうことか試験中に消えている・・・。電波受信のボタンを押すと、山奥の会場のためか受信できない恐れがある・・・。もし、ボタンを押して時計自体がリセットされたらそれこそ万事休すだから、そのままにしておく。時計自体は時を刻んでいるから、自分の腕時計も頼りにすればこの難局を乗り切れそうだと判断した。が、腕時計は1000円@ヨドバシカメラなのでかなり心許ないのだが。これがどれだけ心臓がバクバクすることか、この仕事をしたものにしかわからないだろう。

 で、新たな電波時計を持ってきてもらうことにした。新しく来た時計は2秒遅かったが、チャイムと合ってるし、この時計を基準にしようと思い、前からあった時計は混乱を避けるため伏せておいた。
 試験終了10分前には、その旨のアナウンスをすることになっているので、その準備をしているときに、何気なく伏せておいた前の時計と新しい時計の両方を見てみると、げげぇぇー、本当に声が出そうになった。2秒遅かったはずの時計が3秒ほど早まっている!どちらかの時計が5秒早くなったか(遅くなったか)していることになる。電波時計を持ち込んでいる受験生も最近は多いので、さすがに5秒の差はあってはならない・・・。
 しかし、針の時計ならいざ知らず、デジタルの時計で刻む秒が早くなったり、遅くなったりするのか?電池がなければ、液晶が消えるだけだと思うのだが、一体どうなっているのか・・・。
 結局、1000円の腕時計を頼りに業務を行うことになる。幸い腕時計とチャイムはピッタリ一致し、試験時間はしっかり確保された。やれやれ。

 で、帰宅すると、前任校で受験した娘が、監督の人がおっちょこちょいで「試験時間は残り9分です」とか、明らかに10分前に言うの忘れていただろうみたいなことが結構あったらしい。他人のことを笑えるわけではないが、国立だったらしっかりやってもらいたいなぁ(←他人事)。
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2014/12/11  15:04

俺の解散  こえなきこえ

 選挙である。こんな解散の仕方あるかいというのが自然だが、権力者が自分の権力を強めるために行動するのは当たり前だから、解散を認めている憲法がおかしいという方が筋なんだろうと思う。政治システムとして、衆院の解散を認めたために、戦後一貫して政権が安定せず、ポピュリズムになってしまった。
 
 個人的には、なんかあると、すぐに「民意を問え」というマスコミ報道や政治家の言説にはうんざりしていたが、今回ばかりはあまりそういう声は聞こえてこなかったように思う。大体、「民意を問う」て正しい判断ができるというのなら、天動説は正しいというかつての民意をどうとらえるつもりなんだろう。

 そんなことはともかく、どこかに投票しなければならないわけだが、うーん、困った。どうしよう。ということで、政党相性診断をやってみる:

 http://senkyo.yahoo.co.jp/match/

 で、結果はというと、
クリックすると元のサイズで表示します

 うーん…、悩ましい。投票しなくてもいい、ということですな。入れる人がいないなら、自分が出るか!(絶対ない、ありえない、考えたくもない)

 ちなみに、投票へ行こうみたいなことが言われるが、私は必ずしも無理していかなくてもいいのではないかとなんとなく思っている。なんとなく、と言うと頼りないが、選べない人に無理やり選ばせた結果が望ましいとはとても言えないからで、このあたりは深い議論があると思う。低い投票率で安倍政権が「信任」された方が、高い投票率で信任されるよりましだという見方もあると思うし。もっとも、無関心が良いというつもりはないけれど、国民が選挙に熱く関心を持ち過ぎているのもどうかとも思う。このあたりは難しい。
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2012/4/10  21:21

吉田あつしさんの思い出  こえなきこえ

 もう4年もほったらかしていたが、ホームページなどを改装した。といっても内容に大きく変化があったわけではない。昔のこえなきこえもまとめて残すことにした。昔書いたものを読み返すと、高校生になった息子がまだ小学生のころの話があり、懐かしい。あんなにかわいかったのに、いまは大人になる一歩手前で何かと口答えしてくる年齢になった。髪も白いものが目立つようになった。

 私と同じ時期に着任した吉田あつしさんが亡くなられたのは今も信じられない。なにかと大変な時でもいつも楽観的に励ましてくれたのに。あまりにも急なことだったから最後にお話ししたのがいつだったか全く思い出せない。
 昨年の日本経済学会の開催の面倒なことをすべて抱え込んでくれたおかげで、私は楽をさせてもらったが、こんなことになるのならもっとお手伝いするんだったと思っても後の祭りである。あれは近畿大学で学会があった4年前、吉田さんが私を引き止め、「大変だ。筑波で学会やってくれと言われたよ」と言われたのをはっきり覚えている。「うちは経済学部がないから無理ですよ。(経済学部をつくることに)みんな反対だったじゃないですか。断ってください。絶対無理です」と、私がつれなく答えると、「いや、それはできない。そんなことしたら、筑波大の評判が落ちてしまう」と悩ましい顔をされていた。学会の開催は持ち回りだから、学会の理事会で頼まれたら普通断れないことは分かっていたし、結局やらざるを得ないだろうとも思っていたが、吉田さんがいるからすっかり安心していた。

 筑波大での学会が無事終わって、最後にみんなで集まって一言話されたときに、「学会の開催もやればできるんだ、とわかったと思います。みなさんもこれからいろいろなことがあるだろうけれど、やればでいるという今回の経験を活かして頑張ってほしい」というようなことを話していた。解放感に満ちたお顔をされていたが、これも忘れることはないだろうな。

 延び延びになってしまったのだが、12月に忘年会をかねて学会の打ち上げをワインバーでした。あれが食事をした最後になった。みんな忙しくて、1時間遅れぐらいでそろったのだが、おいしそうにワインを飲んだ。お酒も入ってくると、それぞれの身の振り方みたいな話になったが、大学冬の時代、景気のいい話はない。みんなのんびりしてられないという感じで、「○○大学は勝ち組」「僕はいろいろと考えている」と吉田さんも先々のことを描いておられた。具体的な話はなかったけれど、だれもこんなことになるとは思わなかっただろう。日程がなかなか決まらなかったけれど、打ち上げをすることができたのは、ささやかだけれども、よかったと今になって思う。あのとき食事をしていなければ、本当に最後がいつだったか思い出せなかっただろうから。

 私が筑波大に着任する際に、労を取ってくれた太田先生が昨年12月に亡くなられたと聞いて、セミナーの後に連れて行ってくれたうなぎ屋で一人しみじみしたけれど、あのワインバーで飲むときは、いつも吉田さんを思い出すような気がする。
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