留学中の高校1年生の女の子が「ケータイ小説」を貸してくれた。
「読んでみますか?」と。
まず驚いたのが、横書きでしかも赤い文字。
へぇー、変わってるねー。これが新しいスタイルなんやねーと読み出す。
中高生にすっごい人気なんでしょ?こういうケータイ小説が。
ケータイで読むんでしょ。
その人気のある小説のいくつかが本になった。
これは爆発的にうれて、ドラマや映画にもなった小説だという。
読んだ感想。
...ひどいね、これは。
これを小説を呼ぶのは、小説家に失礼だ。
まず文章が下手すぎてだんだん腹が立ってくる。
うまい文章って独特のリズムがあって、そのリズムにのれると心地よい。
いい文章には余韻がある。行間からただよってくる雰囲気がある。
この話には全くそれがない。
登場人物がペラペラすぎて、どういう性格なのかも全くわからない。
主人公はどんな生活の中でどんなことを考えているのかも全くわからない。レイプ、いじめ、自殺など衝撃的なことばかりが次々と起こり、主人公はその都度悲しみにおぼれ、それをいろんな男友達になぐさめてもらい、なぐさめてもらっているうちにセックスする。
なんじゃ、こりゃああああ!
これを中学生が読むのか。この話を読んで泣くのか。
180万部も売れてるのか。
男子がこっそり読むエロ本のほうが、直接エッチなだけまだわかりやすくていい。
これを小説とうたって、この本を読んで「感動した」と思っている女の子がたくさんいることは空恐ろしい。
公衆便所に書いてある卑猥な落書きのほうがまだウィットに富んでるものがあるぞ。
これを読んでなんだかため息が出てしまった。
これは娘には読ませたくないなあ。
これが簡単に読めてしまう携帯インターネット。こわいな。
もっとエロチックでもっとせつない恋愛小説たくさんあるのに。
私が、もっとええ本貸したるわ。
こんなん読まんときー。
週末に、何冊か貸してあげよう。とびっきりの恋愛小説を。
それを読んでもやっぱりケータイ小説のほうがいいと思うなら、「こんな本、便所の落書き以下」と言った私の暴言とりけすよ。
後日、雑誌で読んだ。
ケータイ小説だけは読まない!とこのかたちを嫌がっている若い子も多いらしい。
”こういうものを小説と呼ぶなと怒っている中高年層も多い”だって。
まさに私のことではないか。
でも、やっぱり私は思う。
ケータイ小説も読んでもいいけど、もっといい小説も読んだほうがいい。
若いときに読む本って、大事やで。人生の方向を決めるときに読んだ本が影響することってあると思う。
絵本のほうがもっとせつなくて泣けるやつあるねんで。
写楽に絵本を読んでやっていて、涙してしまうことがある。
このあいだ、写楽とはじめてカフェで二人でお茶したとき、小さい声で本を読んでやっていたら、不覚にも泣いてしまった。
泣かされた本は、これ。

フランダースの犬。
くー、不覚。
ホットチョコレート飲んでる3歳児に「かあちゃん、泣かないでー。」と頭なでられてしまった。
フランダースの犬、読むたびに泣いてしまう。
ネルロという男の子が正直でいい子なのに、最後は死んでしまう。犬と一緒に。
かわいそうすぎる。
「マッチ売りの少女」「おにとあかんぼう」「みにくいあひるの子」もやばい。
昔はフランダースの犬やマッチ売りの少女では泣かなかったのに。
がんばってる子どもがかわいそうな目にあう話は、...あかん、泣けてくる。
ケータイ小説よりもフランダースの犬のほうが、私にとってはよっぽど涙する本である。
嗚呼、パトラッシェー。

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