先日、ボブ&コリーンに会いにいった。
いつものように夕飯をごちそうになってワインをたくさん飲ませてもらって、泊めてもらった。
お二人には5人子供がいるが、4番目の娘さんアンジェラと夫のトニー、息子のジェイクくん(ボブ&コリーンの孫12歳)もきていた。そして、ジェイクくんの同じ歳の友人マシューくんも。
コリーンの家庭だけでなく、ニュージーランドでは一般的なことかもしれないが、大人がお酒を飲むような家族の集まりやディナーの場には、子供は参加させない。
子供は別にご飯を食べることになっている。
写楽は今まで小さかったので、母から離れられず特別に一緒の食卓につかせてもらっていたが、この日から子供チームとして、ジェイクやマシューと一緒に、大人たちとは別にご飯を食べた。
余談であるが、写楽にはそれがうれしかったようで、「かあちゃん、むこういって!」と嬉々としてジェイクたちと一緒にラウンジで食べていた。
この日のメニューはビーフキャセロールと温野菜とマッシュポテト。
キャセロールというのは、柔らかいお肉がたくさんはいったビーフシチューみたいなもの。おいしそうだ。
大人が食べ始める前に、写楽を含めた子供3人が自分の欲しいぶんだけを皿にとって、ラウンジに行った。
子供達が食べ終わって、お皿を戻しにダイニングにやってきたとき。
コリーンが声を荒げた。
マシューの皿に、ビーフキャセロールが残っていたのをみつけたからだ。
食べきれなかったのであろうか、口に合わなかったのか、かなりマシューは残していた。
「これ、残したのは誰?」といつも優しいコリーンが大きな声で聞いた。
「ぼくです。」とマシュー、困った顔。
「Oh!You are Noughty boy!」とものすごく怒られていた。
Noughty(ノーティ)というのは、行儀が悪いとか、下品だという意味。
「自分で食べられる量をとったくせに、残すなんもってのほかだ!」と。
マシューは「ごめんなさい」と言った。
そうなんや。
自分でとったものを残すことは、ここまで行儀の悪いことになるのか。
ニュージーランドでは、およばれすると、大皿に盛った料理を自分の皿に欲しいだけ、とりわけて食べるディナー形式が多いが、みんな皿にソースさえ残らないぐらいに、自分でとったものはきれいに残さず食べる。
みんな行儀ええなあと感心していたが、それは、小さい頃からしつけられるかなり厳しいマナーなのだなと再認識した。
日本ではバイキングスタイルの食事は、たくさんとりすぎて食べきれなかったり、まだ皿に残っているのに次をとりにいったりする。ニュージーランド人がみたらびっくりするだろう。
また、日本の居酒屋での「とりあえず...」と、たーくさん注文して食べ散らかして最後には残すという自分のしてきたことを思って、「すんません」という気持ちになってしまった。
大人としてのマナーを、小さい頃から、厳しくしつけられるのだ。
コリーンがきつく注意したのも、自分の孫でなく一緒にきていた孫の友人に対してである。
他人の子だから言わないとかでなく、マナー違反をしたら誰でも関係なく、注意を与え、大人として子供を社会全体でしつけていこうというスタイルなのかもしれない。
自分も気をつけなければいけないと思ったし、写楽にもちゃんとこういうマナーを教えないといけない。
ニュージーランドでは、お酒のつまみみたいなものは、フィンガーフードと呼ばれ手でつまんで食べてもいいことになっている。
チップス(ポテトフライ)や魚の揚げ物しかり。
スモークサーモンなども、クラッカーなどにのせて手で食べる。
同窓会があったとき、日本の居酒屋で、私がフライを手でつまんで口にいれると、同級生に「手で食べるなんて!かわってないわー」と笑われた。
かわってないわーが余分であるが、そうか、手で食べてはいけなかったのだと思い出した。
話に夢中になって、帰ろうという段になると、フライや刺身などたくさんの料理が残っていた。
もったいなくて胸が痛くなった。
でも自分もお腹一杯でこれ以上食べられない。
持って帰りますという勇気が出なかった。
何が行儀の悪いことなのか、その基準が日本とニュージーランドでは違うようだ。国によって違うのかもしれない。
最近の日本の基準は、グローバルスタンダードからちょっとずれてきているような気がしてならない。
先週末、写楽と河童と3人で外に夕食を食べに行った。
雰囲気のいいレストランにはもちろん行けないが、子供もウェルカムとうたっているファミレスのようなカジュアルバーに行った。
写楽にフィッシュ&チップスをとってやり、大人はメインのステーキ1つとパンとポークリブをシェアすることになった。
で、でかい!
ビーフステーキ。付け合せのポテトだけでも、じゃがいも3〜4個分ある。
ポークスペアリブ。まるでキャンプファイアーのたきぎ。
これ、子供用フィッシュ&チップス。ものすごいボリューム。写楽ポテト3〜4本食べられただけ。
これにパンも頼んでしまった。前に食べた時に、ガーリックハーブバターがおいしかったから。
「おいしいねー、いいねーこの店」と機嫌よく食べていたが、だんだん私も河童も無言になってしまった。
多い、多すぎる。
また、ポテトを揚げたやつやリブなど脂っこいものばかり頼んでしまったうえに、ステーキにもポテトややまのようについてきたので、だんだん食べられなくなってきた。
写楽用のチップスとあと1品ぐらいにして、3人でわけたらちょうどよかった。
もったいないと思い、なんとかがんばってお肉は食べたが、ポテトとパンを残してしまった。
嗚呼、すまぬ!
これからはもっと考えて注文して、残さないようにしないと。
食べ物を残すことで、こんなに胸がつぶれるぐらいに後悔するようになってしまった。
このうちの一品が、お刺身や海鮮サラダかマグロのやまかけなどあっさりしたものだったら、きっと全部食べられていたな。
チップスに負けた。ポテトに負けた。
ああ、じゃがいもに負けた〜。