留学コーディネートを仕事としている。
個人留学のお世話の他に、グループでの短期留学の企画実施とパストラルケア(現地ケア)も行っている。
例えば、今年の8月に日本のある高校対象に企画した研修はこんな感じ。
【ニュージーランド到着1日目】
オークランド空港からロトルアまでバスで移動。途中、巨大アイスクリームの店に寄ってランチ。ロトルアの高校に到着したら、ホームステイ先のホストファミリーと顔合わせ。それぞれのホームステイ先へ。
【2日目】
高校で、マオリの伝統にのっとった歓迎の儀式。午前中英語研修。ホストファミリーの持たせてくれたランチを食べた後は、午後の体育の授業に参加。現地高校生とバスケットボール対戦。
【3日目】
午前中英語研修。午後ロトルア市内観光へ。オヒネムツ教会、ガバメントガーデン見学の後自由行動。夕方から、ダックツアーに参加し、水陸両用車で湖へ。
【4日目】
1・2時限英語研修。高校で植樹やガーデンのメンテナンスなどボランティアワーク。午後はポリネシアンスパへ。
【5日目】
土曜日。タウランガへ日帰り旅行。海岸を馬で歩くすばらしい乗馬を体験。
【6日目】
日曜日。それぞれのホストファミリーと一緒に過ごす。
【7日目】
1・2時限英語研修。3・4時限マオリ文化授業。午後は、ロトルア市役所が行う町の美化活動に参加。ごみ拾いのボランティアのあと、市長さんとお茶会。
【8日目】
午前英語研修。午後Te Puiaへ。マオリコンサートと間欠泉見学。
【9日目】
午前英語研修。午後レインボースプリングスとゴンドラ&リュージュ。
【10日目】
終日、ファームでの労働体験。
【11日目】
午前中英語研修。午後フェアウェルパーティ。今日でホストファミリーとはお別れ。
【12日目】
バスでオークランドへ。スカイタワーにのぼったあと自由行動。みんなで夕食。
【13日目】
朝の飛行機で日本へ向けて出発。
かなり盛りだくさん。できるだけたくさんニュージーランドの文化に触れて、ニュージーランドの人々と話し、ボランティアの仕事をすることで、観光だけでは得られない何かを学んで欲しい。
来年はどんな子たちがくるのだろう。
言葉が通じなかったり、ご飯が口に合わなかったり、自分の思い通りにならなかったり、そういう経験も必要なのではないかと思う。
通じない言葉を屈指してなんとか自分の意志を伝えられた喜びを感じた時、いつも自分の好きなおいしい食事を用意してくれたり身の回りの世話をしてくれる家族に対する感謝の気持ちが生まれた時、自分の思い通りにならないはがゆさからがんばろうという前向きな気持ちになれた時、「きてよかった」と生徒さんが思うだろう。
何かを自分でやりとげたという気持ちになってくれればいい。そのために、安全面には細心の注意を払う。
ボランティアや体験授業をはじめ、すべてのアクティビティに同行するが、生徒さんに対してすべてをやってあげるわけではない。そこが旅行の添乗員さんやガイドさんとは異なるところだと思う。私たちの仕事は、サービス業であるけれども教育だと思っているから。
「自分で聞いてごらん。」「このように言ってみたら。」というアドバイスはするが、自分の力でまずやってみることを推奨する。
そのほうが良い思い出ができる。
私が直接交渉したり質問するほうが早いのだが、生徒さんにやってもらう。
私はちょっと離れたところで見ている。
そして、細かいことでも引率の先生や現地高校の担当職員に報告する。
観光名所の説明やニュージーランド文化の説明ももちろんする。
しかし、短期留学にきている高校生に伝えたるべきことの中では、それが最重要ではないと思う。、ニュージーランドのある湖の深さが何メートルなのかということよりも、もっと伝えたいことがある。
私が話すことの大半は「明日持ってくるもの」とか「注意事項」で終わってしまうのだが、できるだけ待ち時間など、時間があればどんどん生徒さんと話す。雑談で個人的に話したことのほうがかえって印象に残っているものかもしれない。
とるにたらない、本当につまらないこともたくさん話しているのだが。
私が生徒さんのパストラルケアをする際に心がけていることはもう一つ。
いたってシンプルなことだ。それは、できるだけたくさん生徒さんと話すこと。生徒さん個人に関することを本人から教えてもらうこと。
「高校卒業したらどうするの?」「大学で何の勉強するの?」「興味のあることは何?それはどうしておもしろいの?」などなど。
全くうるさいおばちゃんだ。
うるさそうにされることもあるね、実際。ははは。
話すことで、自分でもよくわからなかった自分のことが少しずつ明確に見えてきたり、自分の進みたい方向がみえてきたりするのではないか。そうなればいいなあと思う。
えらそうに言っているが、実は生徒さんと話すことは本当におもしろい。
へえー、こんなこと考えてるのかとか、「すごいなあ、えらいなあ」と啓蒙されたり教えられたり、楽しくて仕方ない。
ホストファミリーと別れるとき、ほとんどの学生が泣く。
中には、力足らずであったろう私たちにも抱きついて泣いてくれる子もいる。昔自分も授業中に回したような、ノートをやぶった手紙をくれる子もいる。
泣いている子たちは、別れが寂しくて泣いているのではなく、「会えてよかった」「自分もがんばった」という感情で胸がいっぱいになるんだろうね。その空間や気持ちを共有できる仕事をしていてよかったと感じる瞬間だ。
私も「会えてよかった」と思う。
かわいいなあ、いい子たちだなあ、素敵だなあと思う。
いつも高校生と別れるときいつも願うのは「ニュージーランドで体験したことや感じた気持ちがこれからのあなたの人生のプラスになりますように」ということ。
もっと簡単な言葉でいうと「幸せになってね。」という気持ち。
若者のこれからの人生に幸あれ、と願うのって、どう考えてもおかんの気持ちやね。
日本で学生指導の仕事をしていた頃は、母ではなく「姉」の気持ちやったのに。
もう年齢的にもすっかり、おかんだ。
来年はどんな子がくるんだろう。
中高生対象短期語学研修、大変だけど楽しい仕事のひとつだ。

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