こばらが空いたのでハンバーガーショップに行くことにした。
しかし、ハンバーガーは不思議な食べ物だ。
俺の実家はレストランで半端なくウマいハンバーグが食べられるので、よそのレストランで全くハンバーグを食べる気がしないのに、なぜかハンバーガーはときどき食べたくなる。
また不気味なことに、某Mハンバーガーショップのハンバーガーは、密封しておくだけで一週間以上見た目が全く変わらないということが実験によってわかったらしい。
それにあの低価格だ。
それなりの店でハンバーグを食べれば軽く1000円くらいするが、ハンバーガーは100円200円で買える。
まぁしかし今の時代、12色のクレヨンや24色の水性ペンが100均で売っているくらいだから、そう思えば100円のハンバーガーも考えられなくはないか。
単純に料理というよりか現代にしかない、ある意味「未来食」とも言えるようなハンバーガーを、そういう視点で食べにいこうと思った。
「いらっしゃいませー!店内でお召し上がりですか?」
「あ、すいません。チェンジで。いや、違う、店内でお召し上がりです。」
「かしこまりましたー。ご注文をどうぞー!」
「ベーコンエッグダブルチーズバーガーセットをください。」
「Bセットですね!かしこまりました!お飲物の方はどうなさいますか?」
「えっとウーロン茶で。」
「かしこまりましたー!他にご注文はございませんか?」
「いえ。」
「かしこまりましたー!お時間のほう5分少々頂いてよろしいですか?」
「はい。いくらですか?」
「いえ、当店では料金は頂いておりません!」
「は?そうなの?いいの?」「はい、結構です。こちらBセットになります。ありがとうございましたー!」
意味はわからないが、待ち時間もなかったし金も払わなかったから、丸儲けで大満足だった。
たくさんの疑問は残ったが俺は紙袋からハンバーガーの顔を半分程出し、大口でかぶりつこうとした。
その瞬間、手元のハンバーガーもポテトもウーロン茶でさえも、紙袋と容器だけを残して消え去った。
そして、腹に残る満腹感。しかし満足感はない。
はっ!しまった、やられた!
俺は今このタイミングであの店に「5分少々を頂かれた」のか!
くやしい。
まぁいいか。
代わりに君たちの時間を少々頂いた。

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